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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.1
17/74

加藤 清正③

俺は加藤清正を睨み、両手で持っている物干竿の切っ先を向ける。

その状態で加藤清正へと向かって進んでいく。



『そんな状態でまだ戦うのか。いいぜ、殺してやるよ』



「殺されない。俺がお前を倒すから!」



この剣を握ると、俺の身体が軽くなる。この物干竿特有のスキルなのかわからないが、加藤清正の

攻撃を今なら避けられる気がする。

加藤清正は槍を振り払ってくる。先程の突き攻撃は違った。



でも物干竿で防御し、槍の攻撃は防いだ。だが連続で加藤清正は攻撃をしてくる。



キィン!キィン!!



何度も何度も防御し、物干竿と槍が当たる音が鳴り響く。槍の攻撃は重く、力強かった。

手が折れそうになりながらも防御をする。



「海埜さん・・・もう手伝った方がいいかな?」



宇敷の声が聞こえるが、そんなものは無視だ。今更手伝ってもらって勝っても嬉しくない。

レベル5になる為、これを乗り越えなきゃ先へは進めない!



『どうした?防いでばっかりじゃ勝てないぜ?ほらほらあ!!』



加藤清正の攻撃は終わらない。手も限界でいつ防御が崩れてもおかしくない。

でも一瞬の隙があるはずだ。



槍の攻撃は3回連続で素早い攻撃が続く。その後は一瞬だが動きが遅くなる。


キィン!キィン!


2回の攻撃を防ぎ、3回目の槍の攻撃を防ぐ!この後がチャンスだ!

俺は物干竿を上空へと掲げて、思いっきり垂直に振り下ろす。



『なに!』



加藤清正は咄嗟に槍を横に構えて、攻撃を防ごうとする・・・が、さっきまでの攻撃の疲労のせいか、

物干竿の攻撃に耐えきれず、槍を手放してしまった。



耐えて耐え抜いたチャンス。俺は逃さない!

鎧を着ていても関係ない、今の俺なら壊せる気がする!



ザンッ!!



『よ、鎧が・・・壊れるだと!?』



俺は鎧を破壊し、加藤清正の身体が見える。物干竿をそのまま

鎧が壊れて見えた身体の心臓部目掛けて突きを放つ!



『ぐはあ・・・・・・』



顔面に血が付いてしまうが、これで勝っただろう。加藤清正は物干竿を抜いた後、

すぐに地面へと倒れ込む。



『まさか・・・死ぬのか?俺が死ぬのか?』



「これも仕方ないんだ。俺は勝たなきゃいけないんだ」



『・・・なんのためだ?』



その問いに俺はすぐに答えられなかった。俺は何で【異世界QUEST】をやっているのか?

やらないと死ぬわけでもないし、誰かの為ってわけでもない。

・・・なのに何故俺はこんなに死ぬ思いをして戦っているんだ?



答えを言う前に加藤清正は消えてしまった。【異世界QUEST】では倒した敵は消えてしまう、

そういう仕組みになっているようだ。

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