加藤 清正
加藤清正。確か戦国武将で、豊臣秀吉の配下に居た武将だった気がする。
詳しい事はわからないが、関ヶ原の戦いに居たとか居なかったとか。
最初に戦った蒲生氏郷も戦国武将だった。【異世界QUEST】って戦国武将を倒していくのか?
しかもこんな平原に本当に居るのか?敵1人の姿も見えないけど。
「敵は何処に居るんだ?」
「知らないよ、私だって初めてなんだから!」
宇敷はそう言い、平原を進んでいく。すると、何処からか声が聞こえてきた。
この声は前にも聞いた事がある!
【異世界QUESTをSTART致します!】
このアナウンスらしき声が聞こえたら、始まるようだな。
じゃあ加藤清正が現れるってことだよな?この平原のどこから?
「うわ!」
急に俺の手に物干竿が出現した事で驚いてしまった!なるほど、異世界QUESTがSTARTされたら武器が出現するのか。
やっぱり重くて両手じゃないと持てないな。
一方宇敷の武器は・・・え?まさかの銃なのか?
しかもあれってマグナムじゃないか?銃の事詳しくないけど、何か強そうな銃に見える。
と思っていたら、平原の奥から何者かがこちらへと向かって来ている。あれが今回の相手か?
何か影がでかいな・・・そんなに巨大な相手なのかな。
「うそ!?」
宇敷がそう言ったのが聞こえた。接近してくる加藤清正らしき人物の姿が明らかになると、
そこには何故か1人ではなく、2人の人物が接近していた。
驚くのはそこじゃない。2人はある動物に乗っていた。戦国武将なら馬かなと思うがそうではない。
ある意味敵は3人居るんじゃないのかと考える。
「え?虎!!?」
バンッ!!
宇敷は咄嗟に銃から弾丸を放ち、その弾丸は虎へと命中する。2人は虎へと乗ってこちらへ接近していたんだ。
そんな事がありえるか?やはり異世界だから非現実な事が起きるのか?
『加藤清正だ。そして相棒の福島正則。2人を倒さないと終わらないぜ』
虎に乗っているのは青いハチマキをして、髪を立たせている男と巨体の男。どちらも強そうなイメージだ。
2人も居るなんて知らない。これは1人では倒せないだろ。宇敷に手伝ってもらうしかない。
「宇敷、ここは共闘して・・・」
「あれ?海埜さんがやるんですよね?とりあえず虎を始末しましたから、あと2人お願いね」
「いや・・・2人居るって聞いてなかったし、さすがに2人相手はきついし、向こうは戦いのプロ的な存在だし・・・」
「・・・・・・」
「無視かよ!もうこれはやんねーといけないか」
俺は2回目の【異世界QUEST】で同時に2人の敵を相手にする事になってしまった。
ここで勝てば俺の未来は変わるのだろうか?
わからないが、勝たなきゃダメだろう。俺はそう思い、加藤清正へと向かって行く。




