異世界QUESTアプリ
俺と宇敷は一緒に赤の扉へと入る。中に入るとそこはただっ広い平原が目に入る。
何だここは?まるでゲームの世界みたいじゃねーか。
「海埜さん、聞きたい事が山程あるんです。いいですか?」
「・・・ああ」
「何であそこに居たんですか?あと私が【異世界QUEST】をやってるって知ってたんですか?
それを知ってる私を見て普通に接してたんですか?」
「いきなり多すぎるな」
「答えてください!」
そう言って俺の事を睨んでくる。答えなんてそんな大した答えにならない。
全ては偶然が重なった出来事だからな。
俺は真実を隠さずに宇敷に話した。もちろん俺が【異世界QUEST】を始めるきっかけの話も。
特に支障はないだろう、入峰 是郁の事は隠してだが。
「なるほどね、じゃあ偶然だったって事で今日知ったのね。【異世界QUEST】を始めたのも
昨日の話。なら驚くのも無理はない。アプリの存在も知らなさそうだし」
「それだよ!スマホを操作してどうやって扉を出現させたんだよ!」
「【異世界QUESTアプリ】ってのがあるの。多分海埜さんのスマホにも勝手に入ってると思うけど」
俺はスマホを取り出して、ホーム画面を確認する。すると黒い背景に虹色の扉が書かれているアプリが存在した。
アプリ名は【異世界QUESTアプリ】って表示されている。
そのアプリをタッチして、起動させる。
すると自分の情報が表示される。
名前とレベル、倒した敵の数、倒した敵の名前、そしてCLEARした扉の色数が表示されている。
他にも上部にタブがあり、武器画面に変更できる。
俺が持っている武器は物干竿のみだ。でも他にも武器を手に入れられるみたいだ。
あとはスキルも存在するようだな。
「便利なアプリだな・・・」
俺はそう呟いてしまったが、すぐにその言葉に違和感を感じて訂正した。
いつこんなアプリがインストールされたんだ?
「何だよこのアプリ!?ウィルスじゃねーよな?」
「海埜さん、何か情緒不安定?」
「いや驚くだろ!これはいつインストールされた?勝手に人のスマホに入れたのか?
宇敷は知ってるか!?」
「【異世界QUEST】を開始した瞬間にアプリがスマホにダウンロード開始されたの。
まぁ知らない人が多いと思うけどね、このアプリを使う事で扉を出現させる事も出来んだよ」
「"も”って事は他の方法もあるのか・・・それは単純に自分で扉を見つける方法かな?」
「その通り!扉を出現させるにはポイントを使わなきゃいけない!赤の扉は10ポイント必要!」
赤の扉は10ポイント。ならば他の色の扉はもっとポイントが必要って事か。
色によって何かが違うんだろうな。それは後々わかるのかな。
さて、ここで話していても埒が明かない。これ以上の説明はあとにしよう。
この異世界に居る敵は誰なんだ?
「今回は相手は誰なんだ?」
「加藤 清正っていう歴史人物。多分結構強いよ」
「加藤 清正ね。俺でも聞いたことがある名前の奴だわ」




