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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.1
11/74

宇敷 紗耶香③

今、宇敷の口から【異世界QUEST】というワードが出た気がする。いや確実に出た!

宇敷も俺と同じ存在なのか?



しかもこれから戦いに行くって言ってたような。これは様子を見た方が良い。

宇敷は友達と別れて、1人で俺が向かった方向へと歩き出す。



俺は咄嗟に物影に隠れて、宇敷をやり過ごす。向かう先は俺が初めて【異世界QUEST】を行った場所だが、

そこには扉は存在しない。・・・もしかして宇敷が見える扉は俺には見えないのか?



「この辺だよね?」



宇敷は1人でそう呟くと、スマホを取り出して操作し始める。何をしているんだ?

すると、急に宇敷のスマホが光始め、光を何もない壁へと向ける。



宇敷の目の前には何故か赤い扉が出現した。どういう事だよ?

スマホに【異世界QUEST】に関連するアプリでも存在するのか?



ピコン!



「やべっ!」



自分のスマホを取り出して操作をしていると、不意に音を出してしまい、

瞬時に宇敷は音の出所を伺う。



「海埜さん?何してるの!?」



「いや・・・なんでも・・・」



「もしかして、扉が見える?」



「・・・・・・」



「どうなの!?答えて!」



「見える。赤い扉が見えるよ」



俺は正直に答えた。ここで嘘なんて通用しないと思ったからだ。

赤の扉が見えている。宇敷がどうやってかわからないが、出現させた扉だ。



【異世界QUEST】へと通じる扉だが、今から宇敷はこの扉に入って、

【異世界QUEST】を始めるのだろうか?



「海埜さんも選ばれてたんですね。で、今どのぐらいですか?」



「どのくらい?」



「レベルですよ」



「レベル?よくわからねーが、1回しかCLEARはしてない」



「なら2ですかね。私はもう4です。次の赤の扉をCLEARすれば、次の色へといける」



次の色?俺は昨日始めたばかりだから全然わからないんだが、

宇敷の方が【異世界QUEST】を行ってるって事だな。



どうするか。俺は宇敷の戦いを見るべきか、否か。

このまま帰るのもありだが、絶対に止められる。



ならば手段は1つだ。宇敷の赤の扉へと入り、

戦いを見させてもらう。後輩だが、【異世界QUEST】では先輩だから、どのぐらいの強さかは

知っておくべきだろう。



「宇敷、俺も赤の扉に入らせてもらう」



「え?マジで言ってます?てか海埜さん弱そうだし」



「1人死ぬ気で倒したんだ。なんなら俺が倒してもいいぜ」



余計な事を言ってしまったと言った後から後悔する。宇敷の相手は多分強いはずだろう。

レベルが上の宇敷に判断して、相手の強さも決まってるなら強い。



俺は1回しか戦ってない雑魚だ。今の言葉に宇敷はにやりと笑う。



「じゃあ海埜さんが倒してくださいね!倒せば一気にレベルが4になりますから!」

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