海埜 義宗
この国の名前は【日本】。その日本各地で突如色の付いた扉が大量に出現した。その扉を開き、中に入るとすぐにQUESTが始まる。
そんな噂話を聞いて3年が経つ。俺は普通の会社員としてこの日本で生き抜いている。
「海埜!いつも言ってるだろうが!文字のフォントは統一しろって!」
「すんません」
「何だその態度は!?先輩に向かっての口の利き方か!?」
「そういう上下関係嫌いなんで」
俺は先輩やら後輩やらそういう上下関係が嫌いだ。吐き気がする。何故仕事が出来ない相手にへこへこ頭を下げなきゃいけない。
それが日本の悪い所だ。俺は実力主義が好きなんだ。
「本当にいつまで経っても人に馴染めないな。そんなんでお客様が満足するか!?」
「お客様の前ではしっかりしてますよ。フォントは直しておくので」
俺はパソコン画面から先輩に渡した書類を表示させて、フォントを変更する。すぐにプリントアウトして、先輩に渡した。
「これでいいですか」
「…失敗してもすぐに直せばいい。それがお前のやり方なんだな」
「失敗は誰にでもある。それは仕事を長く経験した課長、部長もです。でも失敗を抱え込むのはダメです。すぐに挽回する。それが僕のやり方です」
「そうかよ。ふん、いずれ痛い目見て欲しいな」
それが後輩に言うセリフかよ。そう思ったが、俺は口には出さなかった。この会社は何をしている会社なのだろうか?
一応広告作成やプロモーション制作などが主な業務だ。実際にそれが就きたい仕事かって言うとそうでもない。
今日本で流行っているのは動画配信などインターネットを通じての仕事だ。それでお金を稼ぐ人が増えている。
好きな事を仕事にしていく。それは凄く良い事だ。俺もそれを目指していた。
「海埜!今日も反抗的だな!」
「何笑顔で言ってんだよ、佐久馬」
突然だが、俺は海埜 義宗という。年齢は24だ。髪は少しボサボサだが、染めてはいない。ずっと黒一色だ。身長はだいたい160と小さめだ。
で、隣で馬鹿にしてきた男は佐久馬 王助だ。俺と同じ年に入社した同期だ。歳も同じで24歳。
佐久馬は少し茶色が混じった髪色をしている。長さも少しだけ長い。それを注意しないクズせんぱ…じゃなくて先輩はおかしい。
仕事もできる方で、目立っている。だが佐久馬は俺の事を尊敬していると言っているが、尊敬できる場所はない。




