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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.1
1/74

海埜 義宗

この国の名前は【日本】。その日本各地で突如色の付いた扉が大量に出現した。その扉を開き、中に入るとすぐにQUESTが始まる。



そんな噂話を聞いて3年が経つ。俺は普通の会社員としてこの日本で生き抜いている。



海埜うみの!いつも言ってるだろうが!文字のフォントは統一しろって!」



「すんません」



「何だその態度は!?先輩に向かっての口の利き方か!?」



「そういう上下関係嫌いなんで」



俺は先輩やら後輩やらそういう上下関係が嫌いだ。吐き気がする。何故仕事が出来ない相手にへこへこ頭を下げなきゃいけない。



それが日本の悪い所だ。俺は実力主義が好きなんだ。



「本当にいつまで経っても人に馴染めないな。そんなんでお客様が満足するか!?」



「お客様の前ではしっかりしてますよ。フォントは直しておくので」



俺はパソコン画面から先輩に渡した書類を表示させて、フォントを変更する。すぐにプリントアウトして、先輩に渡した。



「これでいいですか」



「…失敗してもすぐに直せばいい。それがお前のやり方なんだな」



「失敗は誰にでもある。それは仕事を長く経験した課長、部長もです。でも失敗を抱え込むのはダメです。すぐに挽回する。それが僕のやり方です」



「そうかよ。ふん、いずれ痛い目見て欲しいな」



それが後輩に言うセリフかよ。そう思ったが、俺は口には出さなかった。この会社は何をしている会社なのだろうか?



一応広告作成やプロモーション制作などが主な業務だ。実際にそれが就きたい仕事かって言うとそうでもない。



今日本で流行っているのは動画配信などインターネットを通じての仕事だ。それでお金を稼ぐ人が増えている。



好きな事を仕事にしていく。それは凄く良い事だ。俺もそれを目指していた。



「海埜!今日も反抗的だな!」



「何笑顔で言ってんだよ、佐久馬さくま



突然だが、俺は海埜うみの 義宗よしむねという。年齢は24だ。髪は少しボサボサだが、染めてはいない。ずっと黒一色だ。身長はだいたい160と小さめだ。



で、隣で馬鹿にしてきた男は佐久馬さくま 王助おうすけだ。俺と同じ年に入社した同期だ。歳も同じで24歳。



佐久馬は少し茶色が混じった髪色をしている。長さも少しだけ長い。それを注意しないクズせんぱ…じゃなくて先輩はおかしい。



仕事もできる方で、目立っている。だが佐久馬は俺の事を尊敬していると言っているが、尊敬できる場所はない。

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