底辺作家脱出作戦!中編完結ブーストを狙ってみる
お読みいただきありがとうございます。
自分はとある底辺作家の者です。もっとも、初投稿から一ヶ月も経っていませんので、底辺歴はごく浅いです。
まずこの文章を書いた経緯です。
僕は『雲海のオデッセイ』という王道冒険ファンタジーを毎日連載しています。ですが、一向に読者が増えません。
見切りをつけて連載をやめるという選択肢はありえません。
雲海のオデッセイはそれなりの期間を書き溜めた自信作です。スタートダッシュに失敗していようが構いません。作者自身は面白い作品であると確信しています。
ゆえになんとしてでも、この作品を浮上させたい。超人気作にはなれなくても、せめて最低限の読者は確保したい。
その過程での考察と作戦立案がこのエッセイというわけです。
※なお、もっともらしく書いていますが、筆者は単なる底辺作家です。それを踏まえて読んでください。
■作品が埋もれる恐怖の底辺スパイラル
さて、雲海のオデッセイは初動に失敗した状態です。
どうにか人を集めたいものの、これといった宣伝手段がない。Twitterなどで宣伝してみても、所詮は底辺作家。反響などたかが知れています。
なんせ一日当り、一話を開いてくれている読者って多くて5人とかそんなものですからね。
※興味がある方は
作者名>雲海のオデッセイ>小説情報>アクセス解析>部分別
をご覧ください。ここにある各話ごとの人数が、実際の読者数です。
それでも「読んでもらえれば!」という思いはあったのですが、そのわずかな人数すら大半が一話切りする始末です。
投稿当初の頃は、わりと先まで読んでいただけていました。けれど、どうも日が経つごとに、一話切り率が高くなっている気がします。
連載を始めて三週間。これを書いた時点で超序盤の区切りである4話まで読んでくれた人って、数十人ぐらいじゃないでしょうか?
一日一人いるかって感じですね。
最初は一話の内容に問題があるのを疑いました。
ですが、作者としては冒頭で避けるべきと言われることは避けたつもりです。
すなわち『説明文だらけの冒頭』『抽象的な冒頭』『主観人物の定まらない冒頭』といったものを避けて、分かりやすいものを心懸けました。
雲の上の世界という特徴的な世界設定を見せながら、ちょっとしたハプニングを起こして、スムーズに導入したつもりです。
凄く良いとは言わないけれど、悪くない程度にはなっているのではないかと思います。
でも、読まれない。
そもそも、内容に問題があるという説だと投稿当初はそれなりに読んでもらえていた理由の説明がつきません。
導き出される結論は一つ。
ある程度の文章量や連載期間があるのに、ポイントが低いこと自体が強く一話切りの原因となっている――です。
まあ、考えてみればそりゃそうですよね。
小説でもゲームでも序盤がパッとしない作品があったとします。そこから継続するかどうかを、純粋に内容だけで決める人は少ないはず。
「この作者の前作は面白かったから、そのうち面白くなるはず」
「ランキングに載ってるってことは、みんなが面白いと思ってるということだ。もう少し読んでみよう」
と、なることもあれば、
「知らない作者だし、もういいか。それより、他の作品を探そう」
「特に良い評判も聞かないし、無理に先を読まなくてもいいだろう」
と、なることもあります。
なろうの場合『既に実績のある作者の作品』や『流行に乗ったタイトルと内容の作品』が初動の人気を集めやすい傾向があります。
そこに乗れなかった作品はポイントが低いままです。
ポイントが低い作品は読者が読まない。
読者が読まない作品はポイントがつかない。
なんとも厳しい悪循環――恐怖の底辺スパイラルです。
■埋もれた作品が浮上するには?
もっとも、筆者は別に愚痴を言いたいわけではありません。やりたいのはあくまで考察と打開策の発案です。
さて、埋もれた作品が人気になるには、いくつかの方法があります。
一つはジワジワ読者が集まって人気が出るパターンです。これは自力浮上とでも言ってよいでしょう。
無名作家の作品として地味にスタートしながら、人気になった作品。そういう作品をアクセス解析で探してみてください。
最初は読者何十人から始まり、やがては100~200人ぐらいまで増える。うまくいけば、そこからランキングに載って一気に爆発ってな感じです。
ですが、雲海のオデッセイについては正直に言って無理だと思います。ここまで読者の流入が少ないと増えようがありません。
『流入>流出』が達成できなければ、いくら続けても読者が増えないのは分かりますよね。
人間には好みがあります。どんな名作であっても合わない読者はおり、離脱者は絶対に出ます。流入があまりに少ないと、流出を超えることは絶対に不可能となります。
そして、流入を一番に左右するのは、現時点での作品評価です。
それがなければ、今後作者がどんなに面白いものを投稿しても無理でしょう。
例えば、第一章のクライマックスをいかに盛り上げたとしても、そもそもそこまで読まれないのです。読者の流入にはつながりません。
自力浮上を達成できる作品というのは、そもそも強くは埋もれていない作品だと言えます。
ランキングに載らないまでも、『流入>流出』をキープできるだけの評価を、スタートダッシュで確保できているのですから。
そういう意味ではスタートダッシュは本当に大事ですね。
ともあれ、二つ目です。
自力浮上が不可能なほどに埋もれた作品が、浮上する方法はあるのか?
もう一つは誰かに発掘し、紹介なりレビューなりしてもらうことです。スコッパーなどと言われる方々のことですね。限られた読者が自発的に行動してくださるパターンです。
多くの埋もれた良作も、そうやって浮上してきました。
これについては、文字数が十万字を超えた作品がスコップされやすいという噂があります。
雲海のオデッセイももうじき十万字超えです。ひょっとしたら、そのうち発掘してもらえるかもしれません。そうなったら、作者は泣いて喜ぶでしょう。
……が、それは他力本願というもの。
作者が打とうと思って打てる手ではありません。人に頼んだり他人に成りすましてやるのは、悪しき工作行為です。
他にも、作者自身での晒しを受け入れている場所も世の中にはあります。なので、叩かれるのを覚悟でやってみるのもアリかもしれません。
……まあ、万人にはオススメできませんが。
■本題:中編執筆+完結ブーストを狙ってみる
一つ目も二つ目も自力では基本無理。ならば、どうするのか?
そこでようやく本題です。
それは他に作品を作り、アピールすることです。
タイトルにある通り、自分は中編でのアピールを狙っています。
中編の利点は、数日~一ヶ月などそれなりの手間で執筆できることです。さらには完結させることで、手早く完結ブーストを狙えます。
完結ブーストの効果は非常に大きなものです。何時間にも渡って、なろうのトップに作品名が載り続けるのです。底辺作家にとって、これほど大きなアピール手段はそうそうありません。
そうして作った中編のあらすじや後書きに、本命作品への宣伝を書くわけです。
※注:本文内に書くのは規約上アウトっぽいです。
さて、次の問題はどのような中編を作るかです。
あくまで目的は集客。自分の書きたいものとか、芸術性だとかは、ひとまず脇に置きます。それは本命作品でやればよいのです。
タイトルから内容、あらすじ、各話のサブタイトルまで可能な限りなろうの読者層に媚びていきます。
ただし、全く自分の好みから外れたものを書くのは苦痛だし困難でしょう。その辺りは自分で妥協点を探っていく必要があります。
無論、抵抗がないなら、人気作と同じテンプレに乗ってしまって構いません。
自分が思いついたのは、厨二病かつ異世界転移のコメディです。
厨二病ネタは昔から大好きで、いつかやろうと思っていました。雲海のオデッセイの書き溜め中に、ネタをストックしていたのです。
テンプレというよりはテンプレのパロディになります。
主人公は自称最強の雑魚です。おまけに重度の厨二病患者です。
僕自身はテンプレがそこまで好きなわけではないので、ちょっとした抵抗ですね。まあ、パロディもテンプレの一種といえるかもしれませんけれど……。
で、タイトルはこんな感じにしました。
「自称最強! 暗黒魔道士の憂鬱 ~暗黒魔法が外れスキルだった件~」
長ったるいタイトルといい、いかにもですね。
「最強」などの人気要素をタイトルに付けると、アクセスを稼ぎやすいのはよく知られている通りです。
現在の流行を知りたければ、ランキングに載っている作品タイトルを参考にしてください。
実際に使えそうなワードでタイトル検索をしてみて、ブックマーク数順で並べてみるとよいと思います。
そこから上位20%など決まった位置の作品を比較して、数値が高ければそれは有効なパワーワードです。
……っていうような方法をどなたかが、説明されていました。
(すみません、どこで見たかは忘れました)
この作品の場合『最強』と『外れスキル』が、作者の狙ったパワーワードです。
『自称最強』は『最強』じゃないだろ……という突っ込みはあるかもしれませんが、まあ気にしないでおきます。タイトル詐欺はいけませんし。
『魔道士』も恐らく悪くはありませんが、意外なほど該当件数が少ない。なぜかなろうでは『魔法使い』のほうが圧倒的に主流なようです。
……皆さんドラクエ派なんですかね? 僕はドラクエもFFも両方好きです。
ちなみに『暗黒魔道士』は事例が少なすぎて、測定できませんでした。なぜかノンジャンルに1件あるのみ。ファンタジージャンルでは0件でした。
『暗黒魔術師』なら少しだけありましたが、やはり参考にできる量ではありませんね。
注意点ですが、なろうトップの『更新された連載小説』『完結済みの連載小説』の各欄に表示されるのはPC版17字、スマホ版23字までです。それ以降は『…』でぶった切られます。
ぶった切られる右側にパワーワードを配置しても、効果は薄くなると考えたほうがよさそうです。
※注:ブラウザなどの環境によって文字数は前後するかもしれません。
もちろん、表面的な集客手段ばかりを考えて、内容がすっからかんでは本末転倒です。
内容は一話目から強く引きつけた上で、全体としても面白いと思わせる必要があります。それこそが最強の集客になります。
ちなみに、僕がコメディを選んだのは、一話目から手早くギャグでアピールできるからです。
極限まで無駄を省き、ひたすら読者を楽しませることを目指しました。テンポ優先のため、あえて描写も極端に省いています。
それでいて、最後にはきっちりオチをつける構成にしたつもりです。
中編は短い分、最後まで読んでもらえる率が高くなります。そこで良い結末を見せられれば、評価やレビューがもらえる率も大きく高まるはず。
そこを狙っていきます。
またジャンルは『コメディー〔文芸〕』かつ『異世界転移』になります。
『異世界転生/転移』はランキングで別枠になるのはご存知の通り。さらにその中でも『恋愛』『ファンタジー』『文芸・SF・その他』の三つに分かれます。
『文芸・SF・その他』は他二つより作品と読者数が少ないですが、その分、ランキングには圧倒的に載りやすいです。
なんと、一人の読者が12点を入れてくれただけで、ランク50位に入れるほど!
そこも狙っていきます。
(※追記:ジャンルによって読者数に相当な数が出るらしいので、普通にハイファンタジーにしたほうがマシかもしれません)
どんな作品になっているかは後書きにリンクを張っているので、そちらをご覧ください。
自分は先に本命の作品を投稿。続いて、集客用の作品を投稿。……という流れでやってしまいましたが、本来は逆のほうがよいと思います。
僕の場合、本命作品に十分な書き溜めがあるので、並行しての投稿もなんとかなったというだけです。
なろうにおいて、テンプレと非テンプレで一番差が出るのって、初動だと思うんですよね。
体感では非テンプレ作品にも根強い需要があるようにも思います。ただ無名作家の非テンプレ作品は、初動でとにかく埋もれやすいのが難点です。
軌道に乗ってしまえば、非テンプレでも良い作品が評価される土壌がなろうにはあると思っています。なので、非テンプレ派でもとにかく初動を稼ぐのが手ではないかな――と考えています。
白状しますが、実はこの短編エッセイ自体が底辺作家脱出のための作戦の一つです。
というのも、この種のエッセイって、わりと読者が付きやすいんですよね。短編でもうまくいけば、一日の読者数100超えが普通にありえます。
これは底辺作家にとっては、かなり大きな数値です。
元々、活動報告に書こうとした内容なのですが、思いのほか長くなったので「エッセイにして宣伝に活用したほうがよくね?」と、思い至りました。
まあ、エッセイ自体に効果があるかどうかは分からないのですが、大して手間もかかりませんしね。単に読み物として楽しんでいただければ、それでも幸いです。
筆者の作戦がうまくいったかどうかは、以下の作品のその後を追跡すれば一目瞭然かと思います。
ついでに読者になっていただけると筆者はめっちゃ喜びます。
◆雲海のオデッセイ
https://ncode.syosetu.com/n0109fq/
◆自称最強! 暗黒魔道士の憂鬱 ~暗黒魔法が外れスキルだった件~
https://ncode.syosetu.com/n2079fr/
以上、だらだらと長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました!