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第九話 魔王ガーン(ブレイ)、ファンフツェンに負けて嬉しい



集会所 大会議室



アインナ「ウホン!こちらが先程皆に話した魔王ガーン様だ!」


「「「オォオオ~!」」」


40人近い女性達のどよめきが上がる。ファンフツェンから聞いていた通り男性は余程珍しいのだろう。凄い注目されている。


俺はひな壇にデーンと座っている。

綺麗なラグが俺の為に敷かれクッションまで有る。床置きテーブルには果物や料理、酒などが満載だ。



アインナ「あ~その。ガーン様は、その麗しい外見に反して…と言うか、魔力も武力も規格外だ。くれぐれも、ちょっかい出そうとか考えるなよ?」


ドライナ「じゃあ~ガーン様~。ひと言お願いします~。」



ぐっ!? このタイミング?

まぁ無茶振りは勇者時代にされ慣れてる。



ブレイ「魔王ガーンである!そこのファンフツェンの召喚に応じてこの世界に来た。皆には暫く世話になる!」


「「「オォオオ~!」」」



どうしてこうなったぁあ!



-----------



数時間前



ツヴァイナ「魔王様がお望みなら、只の『ブレイ君』と紹介しても構わないんですが…。」


アインナ「その場合、村の女共が『ブレイ君』に群がるのを、止める事は出来ないだろうな。」


えぇええ!? なんで?

それおかしくない?



ファフナ「女だけの村だ。只の美少年など寄って集って…。まぁ、魔王ガーン様が力を振るわれればボロ布の様に蹴ちらされるのだろうが。」


いたいけな少年に対する扱いがそれかよ!

かと言って女性を力づくで薙ぎ払うとかは出来ないし…。




ブレイ「ま、待って。魔王じゃないから!でも…。」


ドライナ「魔王って言っても~美少年は危険だよ~?だからね~。」


フィアンナ「見た目で舐められないよう、なんかこう…派手で威力を感じさせて無害な魔法をブチかまして、皆に釘を刺して欲しいんです。」



結局、お披露目だけと言い置いて魔王を演じる事にした。その後魔法の擦り合わせを行なって、俺は歓迎会に臨んだ。



-----------



(少年の外見で舐められないよう、軽く釘を差しつつ…だったな。)



ブレイ「だが…余を侮るなよ?」


ブレイ「余の力の一端を見せておく。皆目を閉じろ。良いな…決して開けるな!目が潰れても…知らんぞ。」



皆が目を閉じたのを見計らってブレイは無詠唱で…(イルミ!)



集会所の中が白昼の様に明るくなり光がドンドン強くなる。頃合いを見計らってブレイはそれをキャンセルした。(ヴォイド・イルミ!)



集会所の中が驚愕の静寂に包まれる。



アインナ「ガーン様今のは…。」


ブレイ「今のはお前たちの使う「エストーチ」に相当する弱魔法だ!解ったな?これ…。」




「ビェエエエエ!目が見えなくなっちゃったよう!あぁあああん!真っ暗だよう!」


(しまった!!小さい子が居たのに調子に…。

セタ・ヒールにしておくべきだった。チッ!)




「ビェエエ…」



シュバッ!

瞬間移動のようにブレイが泣く子供の前に現れる。


アインナ「ガーン!? いつの間!? 」


(この子か…ヒール!)

泣いていた子が輝きに包まれ、やがて発光が収まる。




ブレイ「もう見えるかな?」


「あれ?見えるよ…あっ!ガーン様だ。」


ブレイ「よしよし、もう大丈夫。」


子供の頭を撫でニッコリ笑う。



「ごめんなさい!…あの、お昼見たいに明るくて。私どうしても見たくなって…。」


ブレイ「いや君は悪くない。危険な魔法を使ったお兄ちゃんが悪いんだ。じゃあ…。ん?」



幼女がマントの裾を掴んでいる。

仕方ない。幼女を抱き上げると俺はゆっくりとひな壇に引き返す。続きだえ~と…。




ブレイ「我の恐ろしさは充分伝わったと思う!(ミニュ…引っ張らないで。もうちょっと待ってね?) 決して、決して余を侮ってはならぬ!解ったな!? 」



「「「……?…解りました~っ!!」」」


よし、いい返事だ。

バッチリ伝わったな。




アインナ「これより会食に入る。皆グラスは持ったか…では。」



ブレイ「あ、この子にも何か飲み物を…。」


ドライナ「気がつきませんで~…はい。」



アインナ「それでは!ガーン様に乾杯!」


「「「ガーン様に乾杯!」」」



-----------



2時間後



ツヴァイナ「チッ!せっかく村の皆を引き離して酔い潰したってのに…。」


ドライナ「子供ガードじゃあね~。あ、また1人行きやがった〜!これで5人…。」


ファフナ「本当に子供好きらしいな。凄い…キラッキラな笑顔で相手してるぞ。」


アインナ「いや待て。フィアンナの奴子供を使ってブ、ガーン様に酒を注がせてるぞ…。」



更に30分後



フィアンナ「はい注目~宴もたけなわですが、ここで終了です。ありがとうございました!」



ブレイ「あぁ、気を付けて…うんまたね。」


幼女達に手を振る。


なんだ良い歓迎会じゃないか。

さて、俺もそろそろ…。

どこで休めばいいんだ?




ドライナ「ガーン様~。二次会お付き合い下さいよ~。これでも~子供達に遠慮していたんです~。」


む。子供に気を遣ったというのか。

…中々見どころがあるな。


ファフナ「今夜の寝床なら心配いらん。ほら、集会所付きの救護室…見えるか?貴方が最初に寝ていた所だ。」


ああ…大丈夫そうだな。

まぁちょっとなら。折角の気持ちを断るのもなんだ。


ブレイ「解った。」



-----------



集会所別室5



ブレイ「え?二次会ってファンフツェンだけなの?」


アインナ「すま…すみません。他の者には聞かせられない話も説明しておきたくて。」


ブレイ「そういう事ですか。いや、なんか近くないですか?」


フィアンナ「ま、ま、ガーン様。とりあえず一杯付き合って下さいよ。」



1時間後



随分呑まされてしまった。

この身体は酒に弱いのかな…。


あれ?なんだこいつら。

…なんでローブ、服も脱いでんだ?

ブフォ!? ヒモ?殆ど裸じゃねーか!


ブレイ「いやまずいですよ…幾ら僕が子供だからって。」


アインナ「何がまずいんだ、です?女ばかりの村だから、いつもはこんな格好…暑いし。」



いや皆美人で脱ぐと反則な身体じゃないか!?

それに何かいい匂いするんだよ!

ヤバイ。これ以上は…保たん。

ここは少々強引に力付くで…。




フィアンナ「ところで、先程の子供達にも関係の有る話がしたいのです。」


何!? 子供達? いやそれは捨て置けない。

それを聞かずには立てないじゃないか。

だが…。


ファフナ「ふ…そうか。私の身体が汚くて不愉快か…皆を守る為鍛えた身体。ゴツゴツしてて…。」




ブレイ「そんな事はないです!他者を守る為に鍛えたその身体。見事に引き締まって美しいです…。」


ファフナ「そ、そうか?ならもっと見てくれ!なんなら触ってくれ。」


ぐ、近い。しまった!

いや軽く日焼けしたシックスパックヤバいって好物だって。あふ…嬉しい!のがまず…。




何だかんだとそれぞれ理由を付けて、気付けば裸の美女5人が俺に密着してる。手足も握られたりさすられたり。


そ、素数だ!素数を数えよう。2、3、5、7、11、13、17、19…。



アインナ「さっきの話の続きだが、ガーン様。その…アレを見せて欲しいのだ。いやそれの魔方陣と術式を見たい…。」


フィアンナ「それを研究すれば、将来子供達が不愉快な目に遭わなくて済むかも知れないんですよ。」


…97え?いや子供達の為って。

いや理論は間違っていないスジは通っている。

でもそれなら…。


ブレイ「自分で書き写して後で渡す!渡すから!」




フィアンナ「本人だと術式に通う魔力を感知出来ないでしょう?さすがに私達だって…お酒の力でも借りないとこんな事…。」


ぐ…そう言う恥ずかしそうなの止めてくれる?

大好物なんだよ!あ…。


ドライナ「あ!凄…い~!これで魔術の流れが解るね~。ん?ちょっとこの辺を…。」




女達が寄って集って凶器を触り始めたところで俺の理性は崩壊した。…全員白目剥いて涎垂らしてガクガク仰け反って失神させる。…けど。




ブレイ「え…何その回復力?」



ファフナ「ふふふ。鍛えているからな。すまないガーン様。もう死んでも良いんだ…貴方がもう一度…。」


アインナ「強さより優しさに負けた…気に入らなければ殺してくれ…でも最後に…。」


ドライナ「ブレイきゅん、ブレイきゅん、ブレイきゅん!お姉さんの事…嫌い〜?」


ツヴァイナ「ガーン様とこうすると清められていくのが解る…魔神の呪いから…解き放って…。」


フィアンナ「あぁ…ガーン様が私の儀式の時に来てくれてたらなぁ…夢…それを見る事くらい…。」



結局全員と5回ずつイイナした。

ネヴュラに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


だがハッキリ言おう「ここは天国だ」と。これまで長い事抑えてきた「雄」として求められる歓びがある。


それに、ああもう…流石に眠い…zZz

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