錆びた勝利が異世界へ
「もうこいつも限界か…」
錆びついたモーターを唸らせてヨロヨロとミニ四駆がコーナーを曲がる
組み上げたのは10年前、コースアウトの衝撃で大破した水陸両用車模型から引き継いだ錆びついた鋼鉄の心臓はあるミニ四駆アニメの主人公が使っていた二代目マシンを模した量産品の身体を動かし続けていた
一つコーナーを曲がるごとにローラー固定用のネジに衝撃が加わりアクリル系接着剤で注型された代替えバンパーが悲鳴をあげる
そして水陸両用車の用にコースアウトした瞬間にそれは現れた
次の瞬間、そのフルカウルミニ四駆は白い空間を爆走していた
それを見つめていたとあるトリックスターが耐久性をオリジナル並みに強化したミニ四駆に単三電池型の永久機関を搭載して異世界に解き放つのはまた別の話である