4.宿に泊まった
さて日も落ちたので宿屋街にやってきた。
金はいっぱいあるしできるだけいい宿泊まってみよう。
っていうか俺、前任は魔王カーリンの代行で王国でも大使級の扱いだったので安宿に泊まったことなんかないぞ。
最初の夜ぐらい治安の悪そうな汚い安宿なんて泊まりたくないし贅沢したい。
安宿より大きいホテル風の所のほうが情報収集もやりやすいだろう。風呂にだって入りたいし旨い物だって食ってみたい。
今だったら貴族風の正装してるし門前払いもないだろう。
てなわけでけっこうでっかい一流ぽいホテルに入る。
「予約は無いが一泊お願いします。部屋はありますか?」
カウンターにいたのは上品なおばさんだ。
「はいございます。ではこちらにご記入ください」
名前と……名前以外は別にいいか。
「お部屋はどれにいたしますか?」
「任せます」
「金貨6枚でよろしゅうございますか?」
「それでいいです」
「お食事は、夕食と朝食でよろしいですか」
「お願いします」
「メイドの好みはございますか?」
「め……? メイド……? まあ、任せます」
「では少々お待ちください。案内の者を呼びますので」
ちょ、ちょっと最後のメイドってなんだ――――!?
メイドってなに? お客にメイドが付くの? どんだけ――っ!?
「ラブランです。ご案内させていただきます」
ウサギのメイドさんの三つ指来た――――っ!
どういうお店? どういうお宿? そういうお宿? そういうホテル?
手をひかれて4階へ。
豪華なお部屋です。ベッドもバスルームもでかいです。
「サトウ様はどちらからいらしたのですか? この街へは観光で?」
「いやあ仕事を探しにかな」
「まあ、どこかの偉い方かと思いましたが」
「うん、実はいろいろ聞きたいことがあってね、ゆっくり誰かと話したかったんだ」
「そうですか。ここルーネならたいていのお仕事は見つかるでしょう。サトウ様はなんのお仕事を?」
「とりあえず冒険者かな」
「わあっ!」
「驚くようなことかな」
「私冒険者のお客様って初めてかもしれません。もっと怖い感じの人たちかって思ってました。優しそうな方で嬉しいです」
ラブランちゃん笑顔が可愛いよ。顔も耳も全身真っ白で柔らかそうな短毛で覆われてる。目は赤い。ぺたんこのピンクの鼻。スレンダーだけどふっくらした形のいいつんとした胸がメイド服の乳袋にピッタリです。白くて肩まであるボブの髪も頭の上から垂れた先っぽがピンクの耳も綺麗です。ぴょこんと飛び出した丸いふわふわの尻尾もちょっと大きなおしりも白い起毛のストッキングを履いたような足も全部全部かわいいですよ。
ほんとなんか有名絵師が描いたウサギの擬人化美少女って感じです。
かわいいんだけど……。かわいいんだけど、でも小動物的なかわいさで。
首輪が……。真鍮みたいな金色の輪が首についてます。
うんカーリンごめん、なんかゴメン、ほんっとゴメンな。
「お食事を先になさいます?」
「うんお願い」
「ではお持ちいたします。少々お待ちください」
料理は見た目はいい感じ。味もなかなかいいぞ。和食派の俺でも納得だ。
前菜、スープ、肉、デザート。全部らぶちゃんがよそってくれる。
酒はいいや。俺あんまり酒は飲めないんだよね。
食事を下げてもらって、「マッサージいたします。お着換えをどうぞ」と服を脱がされて、バスローブに着替えさせられ、「どうぞ横になってくださいませ」と言ってベッドを勧めてくる。
うつ伏せに寝転がると、上に乗ってきて全身使って揉んでくれる。
うーん! これは気持ちいい!
「ふんっふんっ……うぅんっ。あんっ……。サトウ様けっこう凝ってますね。固いですっ!」
「うん昨日まで死後硬直してたから」
「あはははは! それ面白いですっ」
吐息が色っぽくて別のところが硬くなります。
「この国って、教会がすごい権力もってるんだね」
「えっと……どこでもそうだと思うんですけど」
「教会が王様のかわりかな?」
「はい、そんな感じだと思います。王様って昔はいたらしいですけどね」
らぶちゃんの丸いお尻が俺の腰の上に乗ってぐりぐりしてきます。気持ちいいです。
「国民はみんな教会の信徒なの?」
「いえ、私たちみたいな獣人は違います」
「異教徒なんだ」
「そうですね……っていうか入信を認められないっていうか」
そうか。それでなんか人間扱いされてないところが少しあるのか。
「教会は金集めに熱心で、うっ自分たちがいい暮らしするのに教えを利用しているような感じがあぅっしてなんかイヤーな感じだったよ」
「うんっ……。うにゅぅうっ。そっ、そんなこと言ったら怒られますよっ。ふんっうふぅんっ。サトウ様はホントに遠くから来たんですね……」
「うん……。そこもっとぐりぐりして。うん遠くから来た。全然違うなこの国……」
「信者の人には……ふんっ……ふにゅう……。いい国なんですけど……」
「そっか……」
「それじゃ、サトウ様、仰向けに……」
ごろん。
「……」
「……」
「ああんもうっ素敵すぎます。お風呂にしましょうか」
ざぶんと風呂に入る。うーん気持ちいい!!
「失礼いたします」
らぶちゃんがするするとメイド服を脱ぐ……。
それを見て俺は……。
「!」
「……」
「そ……それって……」
「あ、いえ……。申し訳ありません……」
ざばあっ。俺は風呂から立ち上がって
「ストップだ、らぶちゃん。ちょっと待て」
「あの、チェンジしますか?」
「そうじゃないっ」