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まさか、こうなるとはな。

部屋には俺とガルディアが二人きり、長方形の机を挟んで睨み合っていた。今は配られたカードの中から既にペアになっているものを捨てていく。二人でババ抜きなんて普通はしないだろう。何故なら…。


「ふふん、どうやらすぐに決着がつくようだな!」


俺の手札は2枚で、ガルディアが1枚。もちろんジョーカーは俺持ち。最初からクライマックスである。ここまでスムーズだとは思わなかった。引きこもりの俺はろくなトランプゲームの経験ないからな。


「よし、これで終わりしやる!とりゃあ!」


ガルディアが引いたのはジョーカーだった。


「ああっ、ジョーカーか…。ふん、次でボクがトドメを」


「そう簡単に終わらせるかー。俺の番だからな!」


俺が引いたのは…はい、ジョーカーでした。まあ仕方ない。俺は一度手札を机の下でシャッフルした。


「ふふん、シャッフルしても無駄だ!とりゃあああっ!!!」


ガルディアはさっきより威勢の良くカードを引いた。そのカードは。


「なにいいい!?じょ、ジョーカー!!?くそっ、決められなかったああ!!」


元気だなコイツ。でも俺はここで確信した。勝てるってな。ガルディアも俺がやったように机の下でシャッフル。


「次は俺だな?引かせてもらうぞ。」


そういって俺は素早くガルディアのカードを引いた。が、ジョーカー。


「ふ、ふん。どうやら長期戦みたいだな!どんなに長くたって勝つのはボクだ!」


しかしその後もガルディアはひたすらジョーカーを引き、俺もジョーカーを引き続け、ターンは50を越えた。


「はあ、はあっ…、な、なんでっ…?ボクがこんなに苦戦してるなんてっ…。」


「次は俺か。おりゃー。」


「ああっ!?」


俺が引いたのは…スペードの6、ビンゴ。


「ま、負けたあああっ!!」


意外にもガルディアはあっさりと負けを認めてくれた。なんだ、素直でいい子じゃないか。


「…でも、なんか楽しかったなっ!」


そんなことまで言ってくる。それは余裕の表れなのか、本当にそうだったのかは分からない。


「そうか、じゃあガルディアの負けってことでもう帰って」


「ボクたちが下僕となろう!今から同盟国、いや、合体国だ!」


「…は?いや、それはありがたいけど」


「だからこのトランプをボクにくれ!次はみんなでやるんだ!」


…こうしてゼネルファーテ国vsガルディア国はこの日、合併することが決まった。戦争は回避したし領土も民も増えたが、この結果がいいものかどうかは分からないな。


「レオさんっ、凄いじゃないですかっ!ガルディアさんと仲良くなれるなんてっ!これでしばらくは安心ですねっ!」


部屋から出るとネルが、皆が待っていた。うるさい歓声も聞こえるが無視だ。


「まあな。じゃあ報酬で10万くらいくれ。」


「じゅっ、10万ですかっ!?」


「それくらい当然だろ。まさかないとは言わせないからな。あと寝床とご飯、今すぐ用意してくれ!」


「は、はいっ!!?」


まったく、疲れちまった。俺はこんなに頑張るつもりはなかったのに。これからはゆっくりと寝まくってやるからな!…そういえば今何時だ?すっかり時間を忘れてた。俺はズボンのポケットから携帯を取り出した。…と同時に同じポケットにしまっていたに1枚のカードが。


「ちょ、ちょっとレオ!これって!!」


そのカードはフラーレイに拾われた。

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