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…っ!!…………っ!!

ロッカーは最初にあった場所からは動かされていた。そして元の場所には扉が隠されていた。


「ここが入り口か。よし、行くぞレオ!急いで二人と合流するんだ!」


「えー。何か気まずいからゆっくり」


「ダメだ、謝るなら早い方がいいんだ!なんならボクも一緒に謝ってやるから!ほら行くぞ!」


お前は俺の母親かよ。



「…あれ?道が2つに分かれてる。」


まだ少ししか進んでないが、早速分岐点か。地図はネルとフラーレイが持ってるし、困ったな。


「レオ、どっちが正解だと思う?」


「右だな。」


「おお!そうなのか、どうしてだ?」


「勘だ。」


「それはアカンだろ!」


なんかノリノリだった。異世界にもギャグという概念はあったらしい。まあとりあえず右に進んだ。


「なんか、お前の国は平和そうだな。何で攻めてきたのかは不思議だが。」


「もちろんボクの国は平和だ。だからゼネルファーテ国も一緒になればもっといい国になると思ったから、かな!それはお前のトランプを見て確信したしな!」


「なら最初から話し合いだけで、あんな騎士たちを連れてくる必要はないだろ?」


「悪いがゼネルファーテ国は弱者国だ。のんきにただ話してれば他国からの侵略もあり得る。形だけでも戦えばそれを防げる。なにせ波に乗っているガルディア国だからな!」


そういう理由だったのか。普段の言動じゃ分からなかったが、やはり中身は大人なんだな。だてに国王な訳じゃない。


「ふふん、まあどうしても聞きたいって言うなら、昔のボクの活躍を聞かせてやってもいいぞ?若き天才軍司と呼ばれたあの日から国王の今に至るまで!」


あ、ちょっと調子に乗ってる。少し前言撤回したくなった。


「…うん?なんだこの扉?」


と、目の前にはいつの間にか巨大な鉄の扉が。この先にネルとフラーレイがいるのかも知れないな。とりあえず開けてみて…。


「んんんんんんっ!!はぁっ…はぁっ…硬いぞこの扉っ!?全然動かないぞっ!?」


「本当か?ちょっと任せろ。」


「おお、流石別世界から来たなだけあるな!きっと特有の凄い能力が!」


ないからな?あと転移してきたら何か能力が上がる、なんて先入観に捕らわれてはいけないぞ。


「いやよくある発想でさ、押してダメなら」


「引き返すのか!」


「その退くじゃない!普通に引いてだな!」


…ガチャン、と扉が動いた。そして―――


「ナイスよレオおおおおおおおお!!!!!そのまま開けててえええええええええ!!」


うるせぇなフラーレイの大声!!見えたのは全力ダッシュしてるフラーレイとネル。その後ろには謎の巨大ロボみたいなのがガガガガと音を立てて殴り掛かりながら動いていて…まさか、こいつと戦ってたのか!?


「ドア閉めてえええええええええ!!」


「だああうるせぇなあああああ!!?」


全力で鉄の扉を閉めた。同時にガチャン、と音が鳴った。ロボの音は消え、今はネルとフラーレイの荒い息遣いだけが聞こえる。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ…!さ、流石別世界から来たっ…勇者様、ねっ…!」


いや俺は扉を開け閉めしただけだぞ。


「……っ!!…………っ!!はっ、はひぃあっ…!!」


ネルに関しては倒れて横になってるし、息切れし過ぎて何も喋れてない。てか大丈夫か、こいつ。


「ふ、二人とも大丈夫か!?あのロボットはなんだ!?」


「はぁっ…分からないわ。多分、アイツがロッカーのガーディアンよ!…はぁっ、めちゃくちゃ強いし、まだ私たちには早すぎたわっ…!」


ロッカーのガーディアン。なんともダサい響きだ。アイツがラスボスならものすごく格好悪い。


「なら早く逃げれば良かったじゃないか。あんな強いなら尚更。」


「逃げたかったわよっ!!あのドア内側からじゃ開かなかったの!!お陰でアタシとネルがどれだけ走ったか!!」


そんな厄介なカラクリがあったのか。そりゃ俺が遅れて来てさぞ良かっただろう。


「ネル、フラーレイ、さっきは悪かったな。この件でチャラにしてくれ。」


「謝る気ないだろお前っ!?そもそもボクが来なかったらもっと大変だったんだぞ!?」


「…はぁっ、れ、レオさん、気にしないでくださいっ…!と、とりあえず帰りましょう…?」


ネルの提案で俺たちは帰ることになった。結局まだロッカーについても俺の転移についても分からなかったが、まあ今は不思議と悪い気はしない。とりあえず戻って休むか。俺が今急ぐ必要はない、サボりながらゆっくり考えればいいんだ。


「…ね、ねえ嘘でしょ?あんなに走ったのに階段登るとか嘘でしょ?」


…階段の前でフラーレイとネルが絶句していたので、俺が二人をおんぶで階段を登ることになり、俺は2往復する羽目になった。



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