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チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第1章 異世界生活1日目
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据え膳?

『ユウトさんはファスタルにお住まいではないですよね?』


 いきなり、サラさんにそんなことを聞かれた。

 なぜばれたのかは分からないが、特に隠すこともないので正直に答えた。


「そうですね。行くのも初めてです。」


『そうなんですか。このあたりにいてファスタルに行くのが初めてというのは、・・・』


 少し、サラさんの表情が険しくなったが、すぐに切り替えたのか、


『では、今日はどこに泊まられるのかまだ決めておられないのですか?』


 と、少し緊張した面持ちで尋ねられた。


「そうですね。お恥ずかしい話ですが、あまり持ち合わせがないので、どこかいい所を探さないといけないと思っています。」


 と、返した。うん、嘘はついていない。

 持ち合わせがないのは本当だ。

 【あまり】ではなく、【全く】だが。


『では、今日はファスタルに着くのは夕方になるでしょうから、それから宿を探すのは大変でしょうし、今日はウチに来られますか?

 特に今日は空いている宿は少ないと思いますし。』


 な、なんですと?

 まさかのお誘い?

 え、これ行ったら、カメラが仕掛けられてて芸人がいっぱい出てきて、辱められるやつ?

 今まで異世界とか勘違いしてたけど、ここまで盛大なドッキリだったの?

 いや、確かにおかしいとは思ったけど、と、カメラどこだ?

 と思って、周りをキョロキョロしてカメラを探してしまった。


『どうされました?』


「いや、カメラはどこかなと思いまして。」


『かめら?』


「そこまで都合がいいと流石にドッキリだってばれますって。」


『どっきり?何をおっしゃっているのか今一つ分かりませんけれど、都合がいいんでしたら、ぜひいらして下さいね。』


 と可愛くお誘いを受けました。

 ええい、ままよ。


「ハイ、ゼヒオネガイシマス。」


 据え膳食わぬは男の恥。

 などと、考えていた時期が私にもありました。



『ここが私の家です。』


 そう言って連れてこられたのは、どう見ても一般家庭向けではない要塞っぽい何かでした。




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