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チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第4章 異世界生活4日目
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図書館

 【あの国】のことを色々教えてくれた後、ユラさんは去っていった。


 さて、思ったより大変な事態になってしまった。

 ちょっと整理して考えたいから、夜にゆっくり考えることにしよう。


 壁の件は弁償しなくていいのはありがたい。

 今金銭的に余裕ないし。

 古代文明の遺物を使っているんだろうけど、すごいな。


 ていうか、ちょっと慣れてきたせいで忘れてたけど、俺今サラさんちに居候してるんだよな。

 ってか、寄生?

 ヒモ?

 え?

 めっちゃ情けなくない?

 技術者がどうとか、色々偉そうなこと考えてる癖にヒモ?


 いや、食費は自分で出している。

 ギリギリ大丈夫なはず。


 うーん、早く調査員として働こう。

 すぐにマッピングを始めよう。

 それから、サラさんにお礼をしよう。

 その後は、この研究所で空いている部屋がないか探してみよう。

 ここは色々条件がいいから、出て行きたくはないんだよな。

 サラさんちもすごく居心地がいいから、許されるなら、ずっと住まわせてもらいたいけど、そういうわけにはいかないよな。


 よし、今後のためにも、もっとがんばろう。

 とはいえ、このままここでヨーヨーを使うのは流石にちょっとな。

 壁を壊したところだし。

 さっきの話の後で、自由にこれをぶん回すってのも気が引けるし。


 図書館に行こうかな。


「ルッツ、図書館に行こう。

 おまえが入れるか分からないけど、とりあえず、家に帰るより図書館の方が近いから、行って聞いてみよう。」


『わん。』



 ルッツと二人で図書館に来た。

 入り口の所に司書の人がいたので、ダメ元でルッツが入れるか聞いてみた。

 問題ないらしい。

 ついでに俺が登録証を持っていない調査員であることも伝えておいた。

 特に問題はなかった。


 ずっと思ってることだけど、この研究所はかなりフリーダムだよな。

 国立って言ってたんだけどな。

 日本の国立の施設だったらこうはいかなかったよな。

 セキュリティ的な問題はないのかな。

 まあ、図書館にルッツを入れてセキュリティ上の問題が起きるとは思えないけど。

 でも、柔軟な対応をしてくれるのは、非常にありがたい。

 この辺はユラさんが責任者だからかもな。

 威厳たっぷりのどこぞの大学教授みたいな人が責任者だったら、もっと堅い施設になってそうだ。

 まあ大学教授って変な人も多いから分からんけど。


 さて、調べてみたい文献は色々ある。

 この世界の歴史とかもそうなんだけど、それはもっと余裕ができてからでいいと思っている。

 現状、歴史を知らなくて困っていることはないし。


 【あの国】についての文献は、おそらくないだろう。

 夜に考えることにしたから、今は考えないが、やっぱりさっきの話を聞いたら気にはなっている。

 でもあれだけ、情報がない、とユラさんが言っていたのだから、ここに有意義な情報が置いてあるとは考えにくい。


 マナに関しても今はいい。

 当初の予定ではマナについて色々調べるつもりだった。

 でも、昨日サラさんに言われたのは、俺は学院で学ぶ基本的なレベルのことは既に習得できているらしい。

 だったら、あえてしばらくはこの世界の文献を読まずに独自に試してみたい。

 今日の朝試して思ったけど、マナの使用はかなり自由度が高い。

 思考パターンで制御する、ということだから、柔軟な思考ができれば、色んなことができると考えていいと思う。

 その場合、既存の学説とかは新しい発想の妨げになりかねない。

 まあ、色々試した後で本を読んだら、とっくに誰かが編み出した方法でした、ってのはありえるが、苦労した過程は次に生かせるだろう。

 なので、今はマナについての本は見ない。


 エネルギーに関する本はどうだろう。

 俺の推測では、この世界のメインのエネルギー【エレクター】は多分電気だ。

 そして、一応原子力なんかも存在している。

 これを文献から確かめることはできると思う。

 それを確かめる意義は、・・・正直ないと思う。

 まあ、追々調べたいことはあるけど、今はいいや。


 ていうか、長々と考えているけど、実はこれは自分に対する言い訳である。

 俺は、本当にやらなければならないことがあるのに他に自分のやりたいことがある時に、もっともらしい言い訳を思いついて、自分のやりたいことを優先する。

 自分に対する言い訳で、他人には関係ないのだから、特に今は俺のやりたいことを優先しても誰にも迷惑はかからないのだから、本来はそんな言い訳は不要だ。

 だが、この言い訳の過程を経て、自分のやりたいことをすると、やらなければならないことを放り出した罪悪感がちょっとマシになる。

 今で言うと、もっと真剣に【あの国】について、考えるべきだろう。

 だが、今はそんなことはどうでもいい。


 ふっふっふ、余計なことを考えるのはもう終わりだ。

 俺の手元には既に一冊の本がある。


【古代種との遭遇】


 ついに、ついに俺の求めるモノに出会えたぞ。


 俺の中二病が爆発するのだった。





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