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チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第4章 異世界生活4日目
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ヨーヨー


 マナを使う練習をしているうちに昼前になっていた。


 食堂に着くと、予想通りおっさんが昼食をとっていた。

 まあ、俺も毎日これくらいの時間に来ているし、おっさんもそうなんだろう。


 今回は近くを通らなかったので、声をかけられなかった。

 もしかしたらおっさんは、こっちに気づいてなかったかもしれない。

 別に気づかれなくても寂しくはない。

 いや、ほんとに。


 今回も日替わり定食を選んだ。

 ルッツは昼は食べさせない。

 太っても困るし。

 あんだけ動いてたら太ることはないかもしれないけど。


 午前中は運動もしたし、結構頭も使って疲れたから、昼食後は昼寝をしたい誘惑もあった。

 だけど、ヨーヨーのこともずっと気になっていたから、ここは我慢して中庭に行こう。



 中庭に着いた。

 ちょうど、昼ごはんの時間に差し掛かるところだったので、中庭には誰もいなかった。

 都合がいい。

 ヨーヨーを使ったら、なんか出るかもしれないし。


 まずは、ヨーヨーを取り出す。

 いくつか確かめたいことがあった。

 前は何も意識していないのに、俺のマナに反応していた。

 それを確認するために、マナを意識せずにヨーヨーを扱う。

 ロングスリーパー、単にヨーヨーを回し続けるトリックだが、をしてみた。

 うん、俺のマナに反応してヨーヨーが光っている。


 ヨーヨーを手元に戻して、今度はマナを使わないようにしてロングスリーパーをしてみた。

 お、光らない。

 うん、マナを使わなければ反応しないみたいだ。


 再度ヨーヨーを手元に戻して、次はマナを使ってロングスリーパーをしてみた。

おお、めっちゃ光ってる。

 お?

 本体だけじゃなくて、糸も光ってるぞ。


 これ、どういうことなんだろう?

 まず、マナを使わなくても、その人のマナに反応することは確かだ。

 前に考えていた、マナを使えない子供を想定して、というのは正しそうだ。

 残念ながら、俺が特別ってわけじゃないと思う。

 でも、マナを使った場合の反応は、少々予想外だ。

 もうちょっと色々試すことにしよう。


 マナを意識せずにループザループ、手首のスナップを使って前方に向けてヨーヨーを回すトリック、をしてみた。

 最初は特に反応がない。

 そのまま、以前と同じように速度を上げていく。

 ちなみに、なんか出るかもしれないから、いつもおっさんが暴れている辺りで、おっさんが暴れても壊されていない壁に向かってトリックをしている。

 どんどん、速度を上げていく。

 前と同じくらいまで速度を上げたところで、あ、なんか玉が出た。

 そして、壁にぶつかって、


《《《《《《 どごっ 》》》》》》


 と、壁が激しく揺れた。

 おっさんが暴れてたときと同じ感じだ。

 ってことはこの光の玉はおっさんが暴れるくらいの威力があるってことか。

 そう考えると、あの雑貨屋はよくあの程度で済んだな。

 あの建物ボロかったから下手したら、崩落してたんじゃないか。

 というか、子供のおもちゃでこの威力は問題あるんじゃないか。

 いや、子供にこのスピードでヨーヨーを回すのは無理かもしれないが、それにしても機能として、こんな光が飛び出す仕様なのはどういうことだろう。

 護身用の機能とか?

 それともこれはおもちゃではないのか?

 うーん、分からん。


 とにかく、もう少し試してみるか。

 今度はマナを使った状態で同じことを試してみた。

 すると、今度はヨーヨーだけじゃなくて、糸も光っている状態で速度が上がっていく。

 そのままどんどん速度を上げていくと、

 また、なんか出た。

 今度は玉じゃなくて、なんか筋っぽい光が出た、そして、


!!!!!!!!!!!!!!


 ちょっとすごい音が鳴った。

 そして、壁に亀裂が走ってしまった。


 あれ?

 これ、やばくね?


 とビビッているところに


『こらぁあああああああ。

 何やってんのあんたー?』


 と、ユラさんが飛んできた。

 ああ、これは怒られるなあ。


 ちなみにルッツは俺から離れて、一人で走り回っていた。

 俺も一緒に走り回って逃げたい。




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