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チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第3章 異世界生活3日目
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マナのお勉強【入門】3

 マッピングの調査依頼を受ける申請をした後、すぐに家に帰ってきた。


『ユウトさん今日はマナの勉強をされてたんですよね?

 何か聞きたいこととかありますか?』


「そうですね。

 もう少しであの入門書を読み終わりそうなので、それからまとめて質問してもいいですか?」


『分かりました。

 じゃあ私これからシャワーを浴びて、着替えてきます。

 それからまた声をおかけしますね。』


 と言って、自分の部屋に入っていった。

 俺も自分の部屋に戻る。

 ルッツは今日はけっこう運動したので、満足しているようで、大人しくソファの上で丸くなった。


「さて、あとは最後の章だけだな。」


 と言って、マナ入門書の最終章を読み出した。



 【第7章 今後学んでいくために】を読み終わった。

 分量はすごく少なかった。

 内容も教訓、というか著者のマナの勉強に関する考えが書いてある感じだった。

 この本は入門だからマナを学ぶ入り口が書いてあるだけで、実際にはこの本に書かれていない例外が多数存在すること。

 そして、まだマナ自体の解明が進んでいないので、本を読むだけでなく、自分で調べて学ぶ必要があること。

 この本だけではマナを使えるようにはならないので、使いたいなら実践書を学ぶか教えてくれる人を探す必要があること。

 などが書かれていた。

 最後にちょっと印象に残る言葉が書いてあった。


【最後に、

 多くの研究者の努力によって日夜、マナに対する研究が進んでいますが、忘れ てほしくないのはマナは過去に開発された技術だということです。

 あなたがたの研究によりマナを超えるような新たな技術が開発されることを願ってやみません。】


 そういうことだよな。

 過去のすごい技術を学ぶのが大切なのは言うまでもないけど、それに縛られすぎずにそれを超えるようなものを求めるのが科学者、技術者ってもんだよな。

 この本の著者は分かってる。

 ぜひ酒を酌み交わして語り合ってみたい。

 ちなみにその部分には赤線が引かれていた。

 サラさんが引いたんだよな。

 サラさんも自分と同じ意見だという気がして嬉しくなった。


 そのページの次のページには

【真名】

 という漢字が書かれていた。

 うん?

 マナって真名って書くのか?

 サラさんに聞いた話とこの本を勉強して、マナというものがちょっと理解できていた。

 つまり、マナってのは指紋とか虹彩みたいなもんだよな。

 それを使う認証、生体認証の一種だと思う。

 バイクは盗難防止装置としてマナ認証を使っている。

 マナウェポンは盗難防止と安全のために認められた人間のみが起動できるようになっている。

 研究所の部屋は登録された人だけが使用できるように使用人の認証として使っている。

 って感じだと思う。

 真名って漢字はその解釈と矛盾しない漢字だと思う。

 その人の真の名前を使って、認証を行う、みたいな。

 生体認証に使われるようなものだから指紋などと一緒で誰でも持っている、てことだろう。

 ただ、使う、使わないを切り替えるということができる、ということは指紋とかと違って出したり引っ込めたりできるものなのだろうか。

 何らかの脳波の一種とかか?

 マナを使えるようになった人は普段からその存在を意識するようになるから外部への働きかけが強くなり、マナを使えない人はその存在を意識できないから周囲への働きかけが弱くて、第6章に書いてあったような状態になるとか。

 あくまで、俺個人の素人の推測だが。

 あと、ものにもマナがあるって説は真偽の程は定かではないが、もしその説が正しいと仮定するなら、マナは人間にも動植物にも存在する生体認証パターン、ということになるな。

 それってどういうものなんだろう。

 ここまでの情報だけではちょっと分からないか。


 ただ、遺跡の罠は罠自体のマナじゃなくて、そこを通った人間のマナに反応しているだけだと思う。

 登録されていない人間のマナを検出したら罠が作動する、みたいな。

 そう考えたら、マナの認証を行っている装置を検出できれば罠を回避できそうだな。

 遺跡に行くようになったら考えてみよう。


 あと、ちょっとヨーヨーの反応について考えてみた。

 まず、俺はマナを使えないけど、ヨーヨーはマナに反応した。

 あれは、ヨーヨーってのは、おもちゃだから、使用者は子供だということを想定している、と思う。

 子供はマナを使えない可能性が高い、ということを考えて、でも盗難防止機能を持たせようとしたから最初に使用した人のマナを検出して登録する、みたいな機能がついているんじゃないだろうか。

 雑貨屋の店主が言っていた

【どうせもうおまえにしか使えねえし。】

 という言葉は俺で持ち主登録されたから他の人間には使えないから、という意味だろうか。

 確かにサラさんは使えなかった。

 それにしては、あんなところに置いておいたら、すぐに使われて誰かに勝手に登録されるんじゃないのかな。

 商品なんだから、そんなに勝手に登録されたら困るだろう。

 それとも店主はヨーヨーがそうやって登録されると知らなかったとか。

 だとしたら俺にしか使えなくなることを知っていたのはおかしい。

 う~ん、まだあの雑貨屋については分からないことがあるな。

 直接聞いてみればいいか。

 マッピングの依頼を契約したら、雑貨屋の辺りからマッピングしてついでに聞きに行ったらいいし。


 ま、とにかくこの本の内容に関してはこんなところかな。


「よし、サラさんに何を聞くかまとめとくか。」


 色々勉強したので、サラさんに質問する内容をまとめとこう。



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