表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第1章 異世界生活1日目
4/119

第1異世界人

 道路に沿って歩くこと10分、砂煙が見えた場所辺りに辿り着いた。

 辿り着いた、のだが、


「なんじゃこりゃ?」


 そこには、子犬とバイク?と異世界人?がおりました。

 いや、道路の真ん中に子犬がいて、それを避ける様なブレーキ痕があり、その先に道路から外れた位置にスタックしているバイクがあって、その横に項垂れている異世界人ぽい人がいれば何があったか大体察しはつくが。

 バイク?異世界に?

 いや、厳密には見たことのない形だが、タイヤが2つで跨って乗るっぽい構造、と言えば、これはバイク以外の何物でもないだろう。

 おそらく、さっきの砂煙もスタックしたバイクによるものだろう。


 その時、その異世界人ぽい人が俺に気づいたらしく


『あ、こんな所に人が。助かったぁ』


 と言って、俺に近づいてきた。


『すみません、そこの子犬を避けようとしてバイクでこけてしまいまして。

 一人では動かせなくて困っていたんです。

 申し訳ないのですが、少し手を貸していただけませんか?』


 と言われた。

 俺はいきなり話しかけられて少し驚いたが


「!!! 構いませんよ。それよりお怪我はありませんか?」


 と答えていた。

 答えながら、

 (!!!言葉が通じる?ちょっとイントネーションが違うような気もするが、問題なく通じる。助かった。あと、やっぱりあれはバイクなんだな。)

 と思っていた。

 正直、バカみたいな顔をしていたとは思う、鳩が豆鉄砲を食ったような。


 言葉のイントネーションのせいか、バカみたいな顔のせいかは知らないが、異世界人ぽい人は若干怪訝な表情になりながら、


『ええ、体は大丈夫です。

 それよりもバイクが壊れていないかの方が心配で。

 こんな辺境で身動きが取れなくなったらどうしようかと途方に暮れていたんですよ。』


 と言われた。

 新事実、ここは【こんな辺境】と言われるような場所でした。

 だからあんなにスライムがいっぱいいたのか。

 おかしいとは思ったんだよなぁ。

 なんだかんだ歩くうちに30匹以上はスライムいたもんなぁ。

 擬態してて見分けにくかったけど、よく見りゃバレバレだしなぁ。

 などと考えていると、さらに


『あなたも見た所、お一人のようですが、こんな所でどうされたんですか?』


 と聞かれてしまった。

 この場合、素直に異世界から来ました、と言うのはまずい様な気がしたので、適当にごまかすことにした。


「いえ、ちょっと事情がありまして。こんなことを言っても信用してもらえないでしょうが、

 怪しい人間ではありません。」


 言ってから気づいた。

 こんなことを言うのは怪しい人間しかいないんじゃないかと。

 とりあえず、


「と、とにかくバイクを動かしましょう。

 いつモンスターが襲ってくるか分かりませんし。」


 と言うと、異世界人ぽい人は


『そうですね。でもこの道路は結界石があるので、道路上にいる限り

 モンスターは襲ってきませんよ。』


 新事実2、あのガラス玉は結界石とかいう代物でとてもありがたい効果があるようでした。

 ガラス玉とか言ってすみませんでした。

 と、思いながら、この世界の常識について知らないことで想像以上に会話が怪しげになってしまうことに気づいた。

 これはこの異世界人ぽい人からできるだけ情報を引き出す必要があると考えながら、この場は適当にごまかすことにして、


「そうでしたね。とにかく、バイクを動かしましょう。」


 と言うと、異世界人ぽい人は


『分かりました。それでは、申し訳ありませんが、お願いします。』


 と頭を下げてきた。

 かなり怪しまれてはいるようだが、頼みごとをしているのは向こうなので、気にしないことにした。

 あと、さっきから異世界人ぽい人と何度も言っているが、見た目は普通の人間だ。

 とてもきれいな女の人ではあったが、これまでの人生で見たこともないくらい。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ