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チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第3章 異世界生活3日目
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マナのお勉強【入門】 2

 ルッツに留守番を頼んで、食堂に向かった。

 今はまだ12時前だが食堂はすでに混みつつあった。

 この時間でこれだったら、昼休み(正確には何時からだか知らないが)は大変なことになりそうだ。

 早く来て正解だった。

 すぐに今日の日替わり定食を頼んだ。


 今日はチキン南蛮定食っぽいものだった。

 ぽい、というのは俺が知っているのとはちょっと違ったからだ。

 おいしかったからなんでもいいけど。


 10分くらいで食べ終わってすぐに食堂を出ることにした。

 正直、マナの入門書の続きが気になる。


 俺が出ていく時に例の巨漢のおっさんが食堂に入ってくるところだった。

 このおっさん、やたら出会うな。

 と思ったが、よく考えたら、おっさんがめちゃくちゃ目立つから、目についてそう思うだけかもしれない。

 ていうか、こんだけ違和感無くいるってことは、このおっさんも研究所の職員だよな。

 いや、違和感はあるか。

 とにかく、研究者って風には見えないんだけどな。

 サラさんが色んな施設がある、みたいなこと言ってたから、この建物のどこかに軍隊でも入ってるのかもしれないな。

 とにかく、俺はこのおっさんには近づかないと決めているので、変なイベントが発生しないように、こそこそとその場を立ち去った。


 それから、部屋に戻って再び入門書に向かった。



 【第4章 マナを使ってできること】を読み終わった。

 この章は2章のマナの使われる所とちょっと内容が被っていた。

 2章ではマナがバイクに使われていますよ、みたいなことが書かれていた。

 そして、この4章ではバイクのハンドルロックを解除するための鍵の役割ができますよ、みたいなことが書かれていた。

 あまりマナがどういう風に働くからこういうことができますよ、みたいなことは書かれていなかった。

 しょうがないか、入門書だもんな。



 【第5章 マナを使ってできないこと】を読み終わった。

 これは、俺が最初に勘違いしていたような内容が書かれていた。

 マナそのものを動力にして機械を動かすことはできません、みたいな内容だった。

 他に特に気になる内容はなかった。



 【第6章 マナの制御】を読み終わった。

 最初に書かれていたのはマナの制御には高度な集中力が必要、ということだった。

 そして、マナを利用する装置を使う上で一番最初に求められるのは、マナを使う、使わない、というのを意識的に切り替えられるようになることらしい。

 マナを使えようが使えまいが人にはそれぞれ固有のマナがあるため、マナ的に常になんらかの働きかけを外部に行っているようだ。

 しかし、マナを使えない人は使える人に比べて外部に及ぼす影響が少ないため、問題は起きにくいらしい。

 マナを使える人はしっかり使わないようにしないと勝手にマナを使ってしまって大きな問題が起きる可能性が高いらしい。


 これは簡単に言うと、マナを使ってロックしている銃をマナの制御がへたくそな人に渡すと撃つ気がないのに乱射してしまう可能性があるということだ。


 なるほど、サラさんがバイクに人を乗せるとマナが干渉すると言っていたのはこれのことだな。


 多分俺はマナを使えないから元々影響は少なかったのだろうが、サラさん曰く、俺からは全くマナの干渉を感じなかったらしいので、使えない人の干渉とも違ったのだろう。

 そして、俺はマナを使えないのに、無意識のうちに完全にマナを使わない、ということができているので素質があると判断したのだろう。


 となると、あのヨーヨーの反応はなんだったのだろうか。

 俺は別にマナを使おうとはしていない。

 確かに最初に発動したときは集中はしていたと思うが、ストリングスを引っ張っただけの時にマナが発動した理由は分からない。

 やっぱりこの入門書だけでは分からないことが多いな。

 もっと色々勉強しないと。


 ふと時計を見ると、5時前になっていた。


「ルッツ、もう一回中庭で遊びたいか?」


 と声をかけると、ルッツはきらきらした目で、こっちを見つめながら尻尾を振り出した。


「よし、行くか。」


 と言って、本日2回目の中庭へと向かった。





私の中でマナという言葉がゲシュタルト崩壊しました。


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