表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第6章 異世界生活17日目以降 騒乱
106/119

解放

 ニグートの地下の装置を調べようとして、不意に後ろから声を掛けられた。

 俺が振り向くと、そこにはニグートの代表者、サラの父親がいた。


『貴様らはサラの護衛だな。

 ここで何をしている?』


 さて、どう答えるべきか。


「別に何もしていません。

 たまたま迷って、……いえ答えます」


 俺がお茶を濁そうとすると、ものすごい目で睨まれた。

 まあ、この状況で言い逃れもできないよな。


「俺たちはニグートとトライファークの争いを止めようとしています」


『まだそんな無意味なことを言っているのか。

 愚か者め』


 めちゃくちゃ上から目線でバカにしてくる。

 非常に腹が立った。

 自分の意志で決定もしていない傀儡のくせに、と思ったが、口には出さない。

 今喧嘩を売ってもどうしようもないし、傀儡ってことはコイツに何を言っても意味はない。


「それで、色々調べたら、この装置が戦争の元凶である可能性に思い至りました」


『馬鹿者め。

 そんなはずないだろう』


「じゃあ、これはなんなんですか?」


『これはニグートに古代から伝わるありがたい装置だ』


 そう言いながら代表者は部屋に入ってくる。


「ありがたい装置じゃ分かりません。

 何をするためのものなんですか?」


『そんなことはお前には関係ない。

 お前みたいな奴は、これに触れることはおろか、近づくことさえ許されん』


 そう言いながら、装置を撫でている。

 いかにも尊いものを愛でている感じだ。

 正直、気持ち悪い。

 不気味ですらある。

 これが操られた人間か。

 だが、気圧されて引くわけにはいかない。


「そんな言葉で納得するわけないでしょう。

 こっちは決死の覚悟でここまで来たんだ。

 説明しなければ破壊します」


 俺はそう言って、威圧を含んだ視線を向ける。


『それはな、マナの干渉装置だ』


 入り口の方から声を掛けられた。

 俺はニグートの代表者に集中していて、また他の人間の気配に気づかなかった。

 入り口を振り返ると、トライファークの代表者、つまり未来の俺がいた。


「え、なぜここに?」


 そんな言葉が口から出た。

 この装置がマナの干渉装置であることは予想していた、というかほぼ確信していたので、驚いていない。

 それよりも、トライファークの代表者がここにいることの方が驚きだ。

 なにせ、ここはニグートの中心だ。

 いや、トライファークの軍が近くまで来ているであろうことは知っている。

 でも、まさかこんな所まで来ているとは。


『なんだお前は?

 またどこの馬の骨とも知らん馬鹿がここまで入ってきて。

 監視は何をしている』


 ニグートの代表者は怒り心頭の様子だ。

 そりゃそうだろう。

 自分の国の核とも言える場所に敵国の代表者がいるのだから。

 というか、面識はないのか?


『おう、傀儡の国の代表者よ。

 お前に対しては初めまして、になるな。

 俺はトライファークの代表だ。

 これまで、うちの国が色々世話になったようで。

 今日は返礼しに来てやったぞ』


『トライファークだと。

 じゃあ、貴様があの愚か者か?

 どの面下げてここまで来た?

 傀儡だと?

 何を訳の分からんことを。

 傀儡と言うなら貴様の方こそトライシオンの命に従っているだけだろうが』


『はあ?

 トライシオン?

 いつの話をしてんだ?

 そんなもの古代文明崩壊の時に失われている。

 お前は自分が傀儡ということを認識していないようだな。

 だから馬鹿だというんだ』


『トライシオンが失われているだと?

 じゃあ、貴様はどうやってトライファークを率いている?

 いきなり現れたお前如きがトライファークを率い、さらに衝突なしに隣国を吸収したことこそ、トライシオンが現存する証。

 トライシオンの力なしでそんなことはできんだろう』


『お前、本当に馬鹿だな。

 誰にそんなこと言われた?

 トライシオンのことなんて最近まで知らなかっただろう?

 それを教えてくれた奴にそそのかされて戦争を決定したか?』


『ぐっ。

 私にその情報を教えてくれたのは、神だ。

 天啓だ。

 確かに天啓でトライファークに攻めることを勧められた。

 だが、そのことについてお前に文句を言われる筋合いなどない。

 ニグートの代表者はこれまで、その天啓によって導かれてきたのだ。

 その天啓に従って、今まで悪い結果になったことはない』


『いや、お前現実見ろよ。

 大方、今までトライファークにちょっかい出してきたのも、その天啓とやらの指示だろうが、ことごとく失敗しているだろうが。

 ああ、まあお前はもういい。

 話しても無駄だ。

 言っただろう。

 返礼をしに来たと。

 話し合いをしに来たわけじゃない』


 そう言って、トライファークの代表者は話を切った。

 今の会話の内容は、俺にはよく分からない情報が含まれていた。

 トライシオンって何だ?

 トライファークの代表者が言うにはそれは失われている、と。

 ニグートの代表者はあると思っている、と。

 トライファークの代表者の口ぶりからはそんなに重要なこととも思えないが。

 それにしても、二人とも口汚いから聞くに堪えない。

 

 トライファークの代表者はもうニグートの代表者を相手にする気がないのか、視線を外して、俺の方を見た。


『まあ、ニグートはこんな状態なわけだ。

 俺が叩き潰すと言った意味も分かるだろう』


 確かに。

 いや、納得している場合じゃない。


「ニグートを攻める気はないと言っていたじゃないですか。

 どうして、市街戦なんてしたんですか?」


『ああ?

 俺は市街戦などしていない。

 ドラゴンが勝手にやっただけだ。

 まあ、止めなかったから、俺がやったと言えなくもないがな。

 別に一般人に被害は出ていないはずだ。

 手にかけたのは逆らった軍人だけだろう。

 これくらいやらんと、またすぐ調子に乗るから、いい薬だ』


 その言葉も分からないではない。

 俺もニグートの代表者の狂気は知っているから、痛い目に合わせる必要があるという考えも分かる。

 でも、釈然としないものは残る。

 俺は軍人ではないのにワイバーンに攻撃されたし。

 本当にドラゴンが一般人に被害を出さないと言い切れるだろうか。

 トライファークの代表者はそこまで気にしていないように感じる。

 そもそも、そこまで急いで攻めなくても、もっと時間をかければ他にやりようがあったんじゃないだろうか。


「あんたがドラゴンを止められるのなら、こんな風に攻めさせないで、もっと時間をかけて被害をほとんど出さないで済む方法もあるでしょう。

 なんで、こんなに攻め急いだんですか」


 ドラゴンの大群なんて戦力があるなら、それで威圧なりなんなりして交渉すれば、もうニグートから攻めさせないようにできたかもしれない。


『まあ、攻めてきたのはニグートの方からだがな。

 俺には時間がないから、もっと時間をかけるなんて悠長な方法をとることはできないんだ。

 まあ、お前たちのおかげで情報が早く入ってきたから、攻めようとするニグートに奇襲をかけて出鼻をくじくことができた。

 それで、予定より随分早くここまで来れたな。

 そういう意味では、お前たちの行動によって俺の計画が前倒しになったと言えるだろう。

 お前たちの行動は無駄じゃなかったわけだ。

 良かったな』


 言葉だけで良かったな、と言われた。

 態度はそう思っていないように見えるし、そもそも俺たちのせいでニグートを攻めたと言われているようで、全然嬉しくない。


『というかな、おまえは時間をかけろと言うが、時間をかけてドラゴンの大群をちらつかせて、それでニグートが交渉に乗ると本気で思うのか?

 トライファークが戦力の増強をしていると聞いて、すぐに攻めてくるような国だぞ』


 う。

 確かにその通りだ。


『お前はニグートの街を見て怒っているのかもしれないが、結果として、今回、被害は最小限に抑えられていると言っていい。

 お前たちの行動が無駄じゃなかったと言うのは、嘘じゃない。

 お前たちだって、被害を抑えるのは望む所だったんだろうが』


 コイツの言っていることは間違っていないんだろう。

 色々考えて行動もしているみたいだ。

 だが、なぜか納得したくない気になる。


『貴様ら、私を無視するな。

 貴様らはどうやってここに来た?

 警備の者たちはどうした?』


 ニグートの代表者が喚いている。

 自分を置いて話をされるのが癇に障ったようだ。

 それにしても、警備?

 ああ、いたなそんなの。

 こっちに気づかなかったから、スルーしてきた。


『警備?

 ああ、あのゴミのような連中か。

 向かってくる奴は消したし、逃げるやつは放っておいたが』


『ニグートの精鋭だぞ。

 貴様のようなやつにやられるはずがあるか。

 何をした?』


『お前は本当にめんどくさいな。

 おい、レオ』


 そう言って、トライファークの代表者は部屋の外に呼びかける。

 すると、一瞬の後、部屋の扉付近の壁がなくなった。

 なくなったというか、無造作にどけられたというか。

 とにかく、扉とその周りの壁がなくなり、向こうの空間が見えた。

 そこには、体の所々に血糊らしきものを付けたレオルオーガが立っていた。

 すぐ横にサラとマイさんも見える。

 良かった。

 無事か。

 気分が悪くて休んでいるところにニグートの代表者やトライファークの代表者、さらにはレオルオーガまで来たわけだからな。

 何かされたとは思ってなかったが、心臓には悪かっただろう。


『コイツがやったよ。

 十人に一人くらいは立ち向かってきたが、ほとんどはすぐに逃げたぞ。

 本拠地を守る精鋭にしては、いささか忠誠心が足りないが、こっちは面倒が少なくて助かった』


『そんな……』


 そう言って、ニグートの代表者は驚いている。

 そして、多分レオルオーガにビビって震えている。


『そういうわけだ。

 本当はおまえにも、きついお仕置きくらいはしてやろうかと思っていたんだ。

 だから、返礼と言ったわけだが。

 まあ、お前自身に判断能力がほとんど残っていないことが分かったから、見逃してやる。

 俺の目的はその忌々しい装置だ。

 お前にとっては天啓を与えてくれる存在か。

 おい、レオ』


 その声に応えて、レオルオーガが部屋に入ってくる。

 ニグートの代表者はビビりながらも体を張って止めようとしたが、そんなことでレオルオーガは止まらない。

 そして、そのまま奥に進み、手に持った棍棒で勢いよく部屋の装置を粉砕した。

 ものすごい破壊力だったからだろう。

 中心の筐体が気持ちいいくらいに粉々に飛び散った。


 俺とおっさんはその光景をただ眺めていた。

 ちらっと、俺たちが来なくても良かったんじゃ、と思ったけど、考えるのはやめておく。

 結果として、目的は果たせたんだから、細かいことはいい。


 装置が壊れた瞬間、ニグートの代表者は糸が切れた人形のように倒れこんだ。

 そして、何か不快なものがなくなる感覚が確かにあった。

 俺にはよく分からないが、マナに干渉していた波動とやらがなくなったんじゃないだろうか。


『これで、ようやく一歩進んだ。

 まだ仕上げが残っているが、とにかくニグートはこれでいいだろう。

 レオ、行くぞ』


 トライファークの代表者は一息つくと、俺たちに構うことなく出て行こうとする。


「ちょっと待ってください。

 話はまだあります」


『ああ?

 なんだ?

 なんか用か?

 お前の目的はトライファークとニグートの戦争を止めることだろう。

 良かったな。

 これでおそらく止まる。

 お前もここまで来たってことは大方の事情は把握しているだろう。

 さっきも言ったが、今破壊したのはマナの干渉装置だ。

 これで、ニグートは操作から解放される。

 どうなるかは知らん。

 なにせ、この国はずっと操作され続けていたわけだからな。

 後のことは、この国のやつら自身でなんとかするしかない』


「確かにそうかもしれません。

 戦争が止まるのは嬉しいし、目的も果たしたと思います。

 でも、これは干渉装置であって、黒幕じゃないでしょう。

 これを使ってニグートを操っていたやつは別のはずです。

 そいつをなんとかしないと、根本的な問題は解決したとは言えません」


『お前は変に察しがよくて面倒くさいな。

 ああ、その通りだ。

 だが、その黒幕は俺が今から潰してきてやるから、お前らはもういいぞ』


「そう言われて、はいそうですかと帰れません。

 その黒幕はどこの誰ですか?」


 まあ、それも察しはついているんだけどな。


『その顔だと、ある程度分かってるんだろう。

 四番目の、最後のAIだ。

 銘をアポリトという。

 ファスタルの辺境の遺跡の奥にある。

 まあ、俺じゃなきゃ奥の扉は開けられんだろうから、お前が行っても無駄だぞ』


 やっぱり、辺境のAIが元凶か。

 なんとなく、今までの情報から分かっていた。

 確信があるとは言えなかったが。

 奥の扉が開けられないのは分かっている。

 ここに来る前に試してきたところだからな。

 でも、だからと言って、ここまできて放り出すことはできない。

 俺は仲間たちの顔を見た。

 みんな同じことを考えているようだ。


「じゃあ、俺たちも行きます。

 ついて行って迷惑ということはないでしょう」


『ああ?

 迷惑だ。

 邪魔だ。

 お前を見ていると、不愉快なんだよ。

 お前も俺を見て不快感を感じるだろうが』


「ええ、それはそうですけど、そのうち慣れるかもしれないでしょう」


 確かに、俺は相変わらず、トライファークの代表者への不快感が治まらない。

 でも、嫌いな人間でも一緒にいたら仲良くなる、なんてこともある。

 そう考えること自体も不快なわけだが。

 今はしょうがない。


『いや、慣れることはない。

 これはな、どうしようもないことなんだ。

 マナの再現装置に実装された、いわゆる仕様の一つだ』


 よく分からないことを言われた。


「仕様?

 どういうことですか?」


『この世界では、同一の人間の存在は許されない。

 そういう倫理観がある。

 それは元々は古代からの習わしというか、暗黙の了解というやつだった。

 別に世界の真理というわけではないが、再現装置にもその考えが反映されている。

 例えば、突出して優れた人間がいたとしよう。

 そいつ1人いれば、他の人間10人分くらい仕事ができるような。

 そして、そいつがマナを保存できたとしよう。

 どうなると思う?

 そいつを再現するだろう、何人も何人も。

 そうすれば、非常に高い効率で仕事ができるからな。

 そして、能力が劣ったやつらはどうなると思う?

 淘汰されるだろう。

 仕方がない、弱肉強食は世の常だ。

 それが繰り返されればどうなる?

 どんどん多様性がなくなる。

 結果、人間のほとんどが同じような遺伝子を持つ存在ばかりとなり、遺伝疾患や伝染病なんかに対するリスクが上がる可能性があるらしい。

 そして、ゆくゆくは人類の滅びに繋がる可能性もあるんだと。

 まあ、細かいことは俺には分からんし、もちろん、実際にそんなことにはならないかもしれない。

 だがな、ちょうどマナの研究が進んでいた頃、そういう題材を扱った創作が流行っていたんだ。

 そして、それに影響された人間も多かった。

 だから、何かしらの対策は必須だと考えられていたんだ』


 それは近親での結婚がタブー視されているのと同じ理由だよな。


『最初は、同じマナからの複数の人間の再現をできなくしようとした。

 だが、できなかった。

 なぜなら、同じ装置で同一の人間を再現できなくしても、他の装置を使って再現されれば、防げなかったからだ。

 もちろん、ネットワークで監視するとか、色々な方法が考えられたが、抜け穴もあるだろうということで最終的には却下された。

 その後も、色々な方法が検討されては却下されるのを繰り返して、今の方法に辿り着いた。

 それは、ある意味、手詰まりに陥った研究者の暴走とも言える方法だ』


 やたらともったいぶっている。


「回りくどい言い方ですね。

 いいから、言ってください」


『再現された同一の人間同士が出会った場合、お互いに耐えがたい嫌悪感と異物感を抱くようにした。

 再現された人間は、そういう感覚が起きるように植え付けられている。

 つまり、自分と同じマナの人間に会えば、自然と殺意を抱いて消そうとする、そういう風にさせられているんだ。

 同一の人間が存在することは許されないから、その優秀な方のみを残すような仕組みにすればいい、そういう考えだ。

 そうすれば、同じ人間で世界があふれることはないと判断された』


 何を言っているんだ。


「そんなの、狂ってますよ。

 それなら、さっき言った同じマナから複数の人間を再現できなくする方がマシですよ」


『ああ、俺もそう思う。

 それに、そんな方法を使ったって、同じ人間同士が会わなけりゃ意味ないからな。

 どう考えても、狂っている上に、穴だらけで意味がない方法なんだ。

 だから、俺は反対した。

 だが、通らなかった。

 そして、その機能は実装されたんだ。

 実際、実装後も同一人物の再現なんて行われなかったから、問題は起きなかった。

 多分、その後の歴史でも行われていないんじゃないか。

 そういう意味では、その機能によって禁忌が犯されなかったわけだから、効果は絶大だったと言えるだろう。

 だが、この時代になって、その機能の存在は忘れられていたらしい。

 それで、俺とお前が再現されたわけだ。

 まあ、トライファークは切羽詰まっていたから、知っていたとしても禁忌を犯したかもしれないが。

 ただ、厳密にいえば、俺とお前は色々違う部分がある。

 お前はマナを改変されているからな。

 だから、俺たちはこの程度の不快感で済んでいるわけだ。

 だが、これはそういう、マナに刻まれた不快感だから、一緒にいて慣れるとかそういうもんじゃない』


 なるほど、と思った。

 別に言っていることに納得したわけじゃない。

 不快感の理由が腑に落ちた、という意味だ。

 だから、一目見た時からあんなに気持ち悪かったのか。

 おかしいとは思っていた。

 どんだけ相容れない存在でも、一目見て毛嫌いするなんて普通じゃない。

 まあ、自分と同じ存在で爺ってのが気持ち悪いのは確かだけど。


 気持ち悪さに納得はしたが、ついて行くのを断念したわけじゃない。

 別々に辺境に向かえば済む話だろう。


「それは分かりましたけど、辺境には行きます。

 別に目に入らなければ問題ないでしょう」


『そういう問題でもないんだよ。

 どうせ向こうで合流する気なんだろうが。

 お前はマナが関係なくても気持ち悪いやつだな』


 そんな、言い争いと呼ぶにはレベルの低い話をし出していると、大きな爆発音のようなものと地下全体が揺れるような振動を感じた。


『なんだ?

 地上か。

 おい、レオ、行くぞ』


 話はまだ済んでなかったが、何か起きているのは確かだ。


「俺たちも行きましょう」


『おう』


『わん』


「サラとマイさんは気分がよくなるまでここで休んでてください」


 俺たちも少し遅れて地上に向かった。

 途中、ニグートの要塞の中には、倒れている人が結構いた。

 多分、マナを操作されていた人だろう。

 確認はしていないが、命に別条はないと思うから、今は放置させてもらう。


 俺とおっさんとルッツが地上に出た時、トライファークの代表者とレオルオーガは出口の少し先に立っていた。

 そして、レオルオーガの視線の先には、キュクロプスがいた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ