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チートなし異世界生活記  作者: 半田付け職人
第1章 異世界生活1日目
10/119

家


 サラさんに連れられてサラさんの家(外見要塞)の中に入った。

 ちなみにわんこは抱いている。


 布は脱いですぐにサラさんに返したが、個人的には光学迷彩に興味があったので、本当はもっと細かく見てみたかった。

 俺はマナが使えないので、見ても分からない可能性は高いけれど。

 もし時間ができたら借りてみよう、と思った。


 建物の中はサラさんの言った通り、あまり飾り気のない無骨な造りになっていた。

 というか、コンクリート打ちっぱなしのマンションっぽかった。

 入ってすぐに広めのフロアがあり、ソファなどが置いてあったが、その先には長い廊下が見え、どうやら部屋が続いているらしい。

 建物自体は広めの中庭の周りにコの字型に立っているらしく、サラさんの後ろに続いて、廊下を歩いている間、中庭の様子が見えていた。

 中庭はグラウンドのようになっている場所や池などがあり、プレハブのような建物も見えたから色々使われているようだ。

 広さも小学校のグラウンドくらいの広さがあり、この建物自体が相当大きいことがよくわかった。

 サラさんはそんな巨大な建物の中を迷いなく進み(一本道の廊下だから迷いようはないが)、一つの扉の前で止まった。


『ここが私の家です。どうぞ。

 わんちゃんも入って頂いて大丈夫ですから。』


 と言って、部屋の中に入っていった。

 俺も続いて入ったが、玄関から中の様子を見た印象はまるっきり普通のマンションだった。

 いや、玄関から全体は見えないが、玄関から延びる短い廊下があり、左右にいくつかの扉と奥にリビングっぽい部屋が見えた。

 家に入ってすぐ左の扉を開けながら、


『あまり片付いてなくてお恥ずかしいですが、この部屋をお使いください。

 あ、飲み物を入れてきますね。』


 と言って、サラさんは奥のリビングっぽい部屋に行ってしまった。


「あ、どうも。お構いなく。」


 とか言いながら俺は指示された部屋に入った。

 その部屋は多分応接室として使っているのだと思う。

 小さいテーブルの対角にソファが置かれていた。

 他には本が詰まった本棚がおいてあるくらいで、すっきりと片付いており、俺の訪問がかなり急だったことを考えると全く恥ずかしくないと思うけどなぁ、と思った。

 多分きれい好きなんだろう。

 俺の部屋なんか絶対見せられん。

 とか考えているところにサラさんが戻ってきた。


『これ、紅茶です、どうぞ。わんちゃんはお水をどうぞ。

 これから私は少し用事がありますので、申し訳ありませんが、

 少しこの部屋で待っていて頂けませんか?

 1時間くらいで戻ってこれると思います。

 お疲れだと思いますからゆっくり休んでいてください。

 あ、あと隣の扉がトイレですから。』


 と言われた。

 いや、初対面の男を家に入れて自分はどっか行くとか、警戒心なさすぎだろう、とは思ったが、マナで防犯対策的なことは完璧、とかあるのだろうか。

 下手なことをして嫌われたら困るので、大人しくしていようと決めた。


「本は読んでも構いませんか?」


 と尋ねると


『構いませんよ。専門書ばかりでおもしろいものはありませんけれど。』


 と言われた。

 専門書、技術者である俺の大好物じゃないか、と思った。

 異世界の専門書がどんなものか非常に興味がある。

 あのバイクの技術とかあったら是非見てみたい。

 と心を躍らせていると、


『それでは行ってきますね。』


 と言って、出て行ってしまった。

 ようやく落ち着けた俺はお言葉に甘えてとりあえずゆっくりさせてもらいながら、これまでの状況を整理することにした。


 あ、この紅茶おいしい。




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