表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/25

7光年/逡巡する総理

『信濃』からの通信。

 はじめは誰もおかしな電波ジャックだと思っていたが、奇怪な放送と特定地域のみの電波ジャック。

 電波ジャックされずにたまたま冗談半分で信濃と思しき船に向けて通信を試みていた名古屋の無線愛好家が怪電波をキャッチし、記録した物をネットの掲示板に書き込み通信したことで宇宙人からの通信ではないかと盛り上がった。この話が伝播し、最終的に民放のニュースとなったため、大騒ぎとなる。

世界各国の首脳部がこの情報に気づいたときには民衆に知れ渡っていた。


※ ※ ※ ※ ※



土御門は米国からの無言の圧力に参っていた。

日本国の安全保障のためにTPPに参加することが決定していたがまさかあの「空母」に宇宙人らしき生命体が乗っているとは思いもしなかったのだ。

地底人とか深海人ならましだった……わけでもないが、少なくとも同じ地球上だから分かり合える確率はあったかもしれない。

そもそも、出現するにしても、信濃は海底に沈んでいたはず。

宇宙船の外装を信濃に似せているだけなのかもしれないが、人工衛星やスペースデブリに衝突せず、発見もされずにいきなり現れるのはいくらなんでも怪しすぎる。

これでは日本が極秘裏に海底開発をしながら、70年前に沈んだ艦を航空母艦を開発したと思われるではないか。

仮に宇宙人が乗っていると信じたとしても、その先にあるのは異星人の持つ技術や利権を巡る戦争である。

このままでは日本が異星人相手に一国家で交渉したと思いこまれるか、技術の独占により、批判されるのは目に見えている。

最悪の場合、国連管理とか統括領になり、独立の維持が怪しくなる可能性もある。

しかも、よりによって「空母」である。軍事国家になったと日本国が批判される。

大戦期の旧式のものであっても「空母」なのだ。

日本以上に予算を軍事につぎ込んだ国家である朝鮮半島の2か国と中国に言われっぱなしだろう。


しかし、あの空母『信濃』は誰も気づかれない上に、特定の地域のみを限定したうえで電波ジャックし、攻撃しても軽くあしらわれ、

いまだに海上保安庁の臨検を受けず、こちらの言い分を理解しているということはどのような生命体かわからないが相当高度な技術を持っているはずだろう。

なぜ、日本に来たのかは、情報が入らないとわからない。

肝心なところで電波ジャックが終わり、インターネットが復旧したのだからどうしようもない。


空母『信濃』に乗る者の言い分を鵜呑みにすると、過去に天皇陛下(みかど)と時の権力者、つまり最初の天照大御神の証明は怪しいが、二度目は藤原家などの公家あたりだろうから国内の名家や公家に何らかの資料はあるだろう。最悪、『竹取物語』を調べなおせばよい。

 三度目は言わずもがな、江戸幕府の征夷大将軍、つまり徳川家ということになる。これは現在も当代の徳川家の当主とゴルフにいくことがあるから聞ける勝算は高い。このような事態を考えていたのかはわからないが、明治政府の首脳部に感謝である。

ただ、転生者と言われてもしっくりこない。

「輪廻転生」という概念はあるが、仏教あたりの考えであるし、そもそも『魂』など、現代科学では存在は実証されていない。

あったとしても、それは電気エネルギーか、はたまたプラズマのようなものではないだろうか。



「うむ、どうするべきか。外交戦略を練り直さないとこれは大変なことになる。」


土御門は首相官邸の自室にてひとりごちる。

世界情勢で気を付けるべきは……近隣諸国、旧連合国、ドイツ、ブラジルは特に気をつけねば。


ロシアは択捉島に旧日本軍が建設していた空港よりも大規模な空港を建築し、北方領土はどうにもならない。

ただ、今後の情勢で判断をすべきか。なんらかの条約を結べば、取り返せるかもしれない。やるなら、次の世界大戦時に朝鮮半島と引き換えにするか、今からでも樺太の開発を行うか。


アメリカは来年には朝鮮半島から駐留軍を撤退する。その結果、日本国内の基地に駐留する米国人が増えることになるだろう。

間違いなく、思いやり予算が上がることになるから、沖縄で中国・朝鮮半島の工作員と左派の一部日本人が騒ぐだろう。

更にTPPは間違いなく参加することになる。

アメリカが弱体化しているとはいえ、超大国。

我が日本国が国民を守りながら、現在の生活レベルを下げずに国体を維持するには……


そして、中国。

『中華民国』つまり、台湾ではなく、『中華人民共和国』の方が問題だ。

尖閣沖の貴重な石油を吸い上げ続けられると国益を損なう。

石油ではなく、メタンハイドレードの資源としての研究は海洋開発だけでは中国との戦争までには間に合わないかもしれない。

オーストラリアは潜水艦の技術の獲得を狙っているようだが、そう簡単にはさせない。そうりゅう型潜水艦はしばらく防衛の基礎になる艦だ。

モンキーモデルを売るが数世代前の潜水艦で十分であろう。

簡単に中国などの敵対国に売りつけるようでは最新鋭の技術は売れない。

そもそも、中国系の移民政策の失敗で中国系官僚を政府に入れてしまっているので防諜にはならない。中国への技術の流出を意味する。

ドイツも友好国とはいえ、製造業で競合する国家。

ユーロ圏はほぼドイツの傘下にあるとみていいだろう。

歴史認識もあちらはうまくかわし続けている。

我が国も見習いたいものだ。

ブラジルは資源国家として注視しておくべき国家だ。

今後の世界戦略にも必要な国家だろう。


間違いなく、次の戦争はおこるだろう。戦争に反対しようが、もう起こる兆候はでている。

例え、私の執った政策が悪く、世間に歴代最悪と言われても、歴史にそのように記されてもしかたない。

この日本国が生き残るには誰かが犠牲にならねばならない。

誰も責任を取らず、批判ばかりの国では未来は生まれない。

消費税は本当は取らないほうがよかった。

消費すればするほど税金をとるのは全く馬鹿げている。

このままでは人口縮小もひどくなるだろう。

今までも民間の力で日本は保ってきた。

今回の国難も天皇陛下の集権力と民間人の発想とアイデアで乗り越えてほしい。


土御門はそう願わずにいられなかった。

選んだジャンルを間違えたのかもしれません。

文章が下手な割には政治色が濃くなってしまい、

柗本 保羽様の作品『銀河連合日本』に似てしまいます。

間違ってもかぶらないようにすることは難しいですね。

政治に関しても、恥ずかしいのですが、私自身が昨今の情勢を理解できているのか怪しい感じです。

どのような形であれ、完結を目標に頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。

2014/9/24


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ