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6光年/進水

2014年9月18日 日本時間 6:34


 伊勢沖で空中に浮いていた謎の空母は

ただ、自衛隊と在日米軍では「UNCV-1」と呼ばれていたものの、世間では『信濃』と呼ばれていたため、その名称になりつつあった。

自衛隊と米軍、世界各国の調査船が見ている間、今まで一寸たりとも動かなかったその船体をゆっくりと動かした。最近リメイクされた某宇宙戦艦のアニメみたいに大きな波を生成して高潮を引き起こすと思われていたが、奇妙なぐらいに波は立たずに「静かに」海面へ着水した。

この事態により、自衛隊は誰が動かしているかわからない謎の空母に警告を出した。


「こちらは海上自衛隊横須賀管区 所属艦『おおすみ』 貴船に停止を命ずる。停止しなければ攻撃する。」


言葉が通じたのか、『信濃』は止まった。

 しかし、米国海軍は違った。目の前の空母は少なくとも日本政府の管理下にはない上に、見た目は敵軍だった大日本帝国海軍の艦艇だ。日本赤軍のようなテロ勢力が作り上げたものだと想定した。

世界の警察と自称していたぐらいの国だ、そう簡単に退かない。

『カウペンス』・『ステザム』はトマホークを発射し、『信濃』に対し、攻撃を敢行。

しかし、信濃にその攻撃が届くことはなかった。ミサイルが着弾する前に突然空中で青い光と共にミサイルが爆発したのだ。

その場にいた軍人・学者達はこの光景に唖然とした。

この様子では臨検は出来ないだろう。

近づけば、ヘリだろうが、戦闘機であろうが巨大な透明の壁にぶつかったような形ですべて爆散した。

どうやら、ミサイルや弾丸といった物質を完全に遮断したバリアのようなもので弾かれてしまうからだ。

仕組みがわからない以上、どうすることも出来ない。

そして、このあと、さらに衝撃的なことが起こる。

近畿圏全体で謎の電波ジャックが起こったのだ。


最初は携帯電話の不通から始まり、ラジオ電波、テレビの周波数を『信濃』から出てきた怪電波で乗っ取られた。

光回線や電話回線を使うことさえ出来ればインターネットの使用も出来たが、パンクしやすく、なかなか難しいことだった。



※ ※ ※ ※ ※




一連の『信濃』関係の騒動により、日本の株価は乱高下を繰り返していた。

そんな、株価に頭を悩ましていたのは政治家や経済人、経営者だけではなかった。

ここにもそんな男が一人。


「あー、なんでやねん。まぁ、理由がわかるから塩漬けにするよりはマシやけど、俺の貯めたバイト代が…。」

そう呟いたのは末広幸樹、彼である。

『複利を使用すればお金は増えやすい』から、せっせとバイトで働いて貯めたお金から少しだけ投資をしていた彼は、改めて株式取引の難しさを認識していた。

 好奇心旺盛な末広は挑戦者でもあるが、これはまた別の機会にわかる。

そんな末広であったが、同じゼミ生の梓の前ではなかなかいつもの調子が出なかった。


「うーん・・・気分転換に今度、浅野さんとグランフロントあたりでパエリアでも食べに行ったほうが良さそうやな。

ギャラクシーでお酒を飲むのも悪くはないんやけど、やっぱり飯の方が良いやろうしな。」


彼は、スマートフォンを取り出すと通話アプリを呼び出す。


『よっす、浅野さん、今度の金曜日にグランフロントに食べにいかへん?』


→ 送信失敗しました。


あれ?もう一度っと。


→ 送信失敗しました。


ふむ。駄目なのか。

インターネットで調べてみるか。

ん?ブラウザがつながらへん。おかしいなぁ?

アンテナは全部立っとるのに。LTEまで入っとるんだが。

ワンセグテレビもダメか。いやいや、これはいくらなんでもおかしいやろ。

インフラがダウンするとか…。俺の家の近所でジャミングとか盗聴はない事は以前、調べてるからわかるけど。あ、そうか。広範囲のジャミングなら別やね。

こういうアクシデントの可能性があるとしたら…あ、あれか。あの伊勢沖の空母もどきのせいか。とにかく事態は把握しなと駄目だし、ニュースでも見るか。

テレビ画面が乱れている。

んんん?なんじゃこれぁ!

おおお、テレビになんかうつっとるぞ!

なんか綺麗な女の人だなぁ。年齢は、20代ぐらいだろうか。

アジア系の顔立ちだが、髪の毛は金髪ですか。服は、十二単衣?はぁ?

肌が光ってる。現実でキラキラした光があるとか信じられん。恐らくコンピュータグラフィックか演出だろう。

わけのわからない言葉が流れている。


「・・アスハラル、ダンゲル・ド・クレニテ・・・・」


ドイツ語か?しかし、文法などが意味不明だ


「T…ュ……ヤ…トノ…ミに告ぐ」


ん?こやつ、日本語をしゃべるのか?

何奴?


「言語翻訳機能がまだまだだったので迷惑をかけましたわ。」


おお?完ぺきな日本語やん。電波にのってきたデンパな映像やけどな。

一人そう呟いて虚しい笑い声が部屋に響く。

じっと画面を注視して、画面に映る金髪の女性が語る。


「私たちは遥か星々の海を渡り、『アシハラ』の星…つまり、あなた方が『地球』と呼ぶ星の『ヤマト』と呼ばれる国に来ました。」


おおっ、宇宙人ってやつ?『アシハラ』って漢字で当てはめたら葦原とかだったらおもろいな。

民俗学っぽいぞ。


貴女方(・・・)の国、ヤマトの民はこの次元空間におけるこの星の運命を握る地域。そして、かつて私たちは『秋津神話』で天孫降臨で一度訪問、そして二度目の訪問時には『竹取物語』で、三度目、江戸時代に訪れております。

それぞれ、時の権力者と、当時の『天皇』と呼ばれる者と、天照(アマテラス)の転生者と会談をし、この星の文明を陰ながら私どもと支えてきました。

今回の我々の訪問は…」


訪問の理由を語るんか?まぁ、政治を考えると建前だろう。イギリスの「ドクター誰」や耳のとがったバルカン星人が出てくる宇宙探索系のドラマがこの日本で見れるとは。よくあるSF系では政治経済は必須みたいやし。

あれ、テレビ画面が真っ暗になったで。

なんや、電源が切れとるがな。めんどくさ。

あ、そうだ。さっきの出来事ツイートしたらいいかも知れんな。

それから、一度も先ほどの映像が現れることはなく、インターネットや通信系は復旧した。

その後、短文投稿サイトや実名制のSNSを通じて、この映像は日本どころか世界中に配信されることになる。


文章を書くのは難しいですね。

まだまだ修正点は多く、視点の移り変わりなどをどうするべきか悩んでいます。

最初にSFという分野で書くのは非常に難儀なことだと実感しております。


政策とかそういったことはこの小説を書こうとしたときに急ごしらえで調べたものなのでどうも詰めが甘いようです。


これからも精進しながら週に一回程度は更新できるように頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

2014/9/22


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