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4光年/ 日常

 私の通う摂津大学は近畿地方ではマンモス大学になる。

高校の先生や親に言われるまま、「世間の標準ぐらい」の大学に入学して、一流企業と呼ばれる企業でないが、なんとか内定をいただけたのは幸運だったと思う。

私は広告の仕方、マーケティングに興味があったので卒業論文はリテールマーケティングなどの研究をしようと図書館で本に埋もれていた。


「あー、もうめんどくさいなぁ。もう帰ってお団子でも食べたいなぁ。」

「それ、いいかも。…って、あずさ、何を言ってるの!」


指摘しているのは私の友人の黒木(くろき) 茉穂(まほ)


「えー、もう疲れたよー。新作のりんごパフェを食べに行こうよぉ。」


私は大量の書物の読み込みに精神力を奪われ、疲れたのよ。

疲れた時には甘い物っていうじゃない。

甘味が、甘味が私を呼んでいるのよ!


「ねぇ、あずさ。貴女ダイエットするとか言ってたのにもう辞めるの?」


むぅ。まほちゃんは厳しい。

しかし、食べたい。誘惑が強すぎるのよ!

甘味が私を呼んでいるのよ?良いじゃない。


「これっきりだから。ダメ?」

「駄目。その言い訳は何回言っていると思っているの?まぁ、あたしは梓が太っても特に問題ないけどね」


うー、それを言われると痛い。お腹まわりが狸の置物のようになる、というのは嫌。くびれが無くなるのはまずい。新作パフェは諦めよう。


「あずさって、卒論のテーマがマーケティングのくせに、広告とかステルスマーケティングに弱すぎでしょ。」

「うぐっ……。」


更に茉穂ちゃんが口撃を追加する。


「それにあずさって大食いだからすぐ太りそうだし、幸樹君という恋人に気にいってもらえるように頑張らないといけないじゃない。」

「ちょ、ちょっと待って。幸k……末広君は恋人じゃないよ。友達なの。」


私は誤解を解こうと反撃する。


「へぇ~。一緒に旅行に行って、毎週金曜日にディナーを一緒に食べて映画館や美術館で目撃報告があるのにそれでも違うとシラをきるのね。

帰りの駅で顔を赤らめて妄想していたのも知ってのよ、あたし。」


「え、えええええっ!ど、どういうことかしら。」


まほちゃん。否、茉穂様。貴女はどこのスぺツナズ?FBI?公安の方なの?実は特殊部隊に所属してます!とかじゃないよね?

実は私は重要人物でした、とか無いからね。

その情報網を教えてほしい。


「秘密。」


まほちゃんに心を読まれた?


「貴女のことならバレバレよ。」


うそん。ぽかんと口を開けていたようだ。


「嘘じゃないわ。あずさは顔に表情がでてるのよ」


私自身の感覚ではそんなことはないはずなんだけど、茉穂ちゃんが言うのならきっとそうなんだろう。

もう心を読むのはやめてよ。


「分かった。それじゃ閉館時間だし、帰りましょ。」

「そうね。」


私は適当な相づちをしながらごそごそと鞄にノートや借りた本を入れて片付けを始める。

うー、丸め込まれたような気がする。

借りなかった本を棚へ片付け、私とまほちゃんは帰宅する。

家に帰り、お母さんが作ったごはんを食べながら、ぼーっとテレビを見ていた。

その時、私は初めてその「船」を知った。

初評価!初のブックマーク!ありがとうございます。ポイント評価!

感謝感激です。

2014/9/20


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