18光年/世界状況と隠れた動き
※一応、投稿していますが、このページは書き加え、改変していきます。
2014/11/4 14:00
日本国 臨時首都 京都 京都市特別区 京都御苑
「陛下、いよいよ今日、発表ですね」
「はい、これでもし、私たちがこの防衛戦争に負ければ戦争責任は総理大臣の貴方と私にすべてかかるようになります」
油汗を額に浮かべた土御門と、御年80年以上を迎えた日本国の皇帝が大きなテーブルを挟んで会談をしていた。
「ええ、構いません。どんなに我が国の国民が"天皇"という立場を嫌っていたとしても私はあくまでもこの国の民の幸せを代表して願い続ける立場の司祭ですから、政治的な部分は総理大臣の土御門総理に背負わせることになってしまい、申し訳ありません」
歳の召された今代の天皇陛下が頭を下げる。
「そんな恐れ多い・・・。陛下、頭を上げてください!」
土御門は天皇陛下の顔が見えるようになると言葉を紡ぐ。
「中国は天安門事件の影響で崩壊しそうな時も脈々と受け継がれてきた天皇家の徳とその呪いにも似た権威を自らの保身の為に利用して、国の崩壊を抑えましたからな。
それに、近年の中国政権は中国文明圏における『皇帝の黄色』を使ったネクタイや、外交文書に同封して金印を送ってきていました。流石に外務省の役人も金印の意味には気が付いたみたいで、慌てて送り返しましたよ。」
「それは…大変ご苦労様です。
以前にも言いましたが、恥を一つかく程度で戦争が終わるのであればこの身は国民の為に捧げましょう」
「それで、例の【計画】ですが・・・・」
「申し訳ありません、総理大臣殿。時間が来ました。会見場へ向かってください」
部屋の外から従者が入ってきたようだ。
時間切れか。陛下の体調があまりよろしくないらしい。
ここのところの戦争による心労が祟っているようだ。
「それでは陛下。また次の機会があればよろしくお願いします」
「ええ、また逢いましょう」
京都御苑から出て車へと乗り、臨時政府機関となった大阪の舞洲にあるWTCタワーへと急ぐ。
東京の国会議事堂はもうすでに無くなった為、臨時の国会議事堂としてグランフロントに臨時会議所を設けた。
東京圏は暴走した北中国から発射された第2次核兵器攻撃により壊滅。その灰は成層圏まで届いた。
仮に、この戦争に勝利しても経済の立て直しや復興事業で2020年度の東京オリンピックは高度の放射能汚染により開催が難しくなった。
一度、あの『信濃』の【次元航行装置】とかいう機械の次元転移システムで宇宙空間に核ミサイルを転移させ、防御に成功したのはいいが……
第2次首都防衛戦における対空戦闘時、十分な対空戦闘を行うことのできるあたご型護衛艦の弾が足りなくなった際に、
横須賀に停泊している『信濃』に援助要請を出したものの『信濃』は研究機関に回しており、すぐに動ける状態ではなかった。
初動の時点で急襲された日本は、北中国による民間人の大量虐殺を批判、世論も中国に対して反撃しろ!と開戦の論調だ。
たまたま、総理と一部の大臣は伊丹空港を廃止した後に副首都機能を務めることのできる施設の最終段階の会議と査察に大阪まで来ていたことがよかった。
天皇家もたまたま、皇太子は神戸市で行われていた農業フォーラムに出席していたこと、天皇皇后両陛下と皇太子妃や皇族は欧州各国を訪問していたこともあり被害は出なかった。
その後、再び始まった第三次日中戦の開戦ととともに再び日本国内に帰国され、帰国途中の機内で東京壊滅の報せが届いたと同時に京都へと移っていただいた。
皮肉なことに、皇族が欧州を離れ、日本へと帰ってこられた後、ロシアが欧州各国にミサイル攻撃で戦端を開いてしまったので本当にタイミングが良かった。
そして現在、2014年11月4日時点で欧州はドイツ中心部とイタリア南部を残し壊滅的な被害を負う。
イギリスは隣国フランスの原子力発電所の全損による放射能漏れの影響を受け、ロンドンシティの金融機能が麻痺。
スペインのマドリードとはインターネットを含めた通信が出来ない。
フランスは原子力発電所がロシアのミサイル攻撃によりメルトダウン、フランス本土がほぼすべてが高濃度の放射能に汚染される。
このことはかなり後に、かつて東日本大震災で福島が放射能汚染された際に、とあるフランス紙が青森のリンゴが放射能汚染されていると揶揄した記事の仕返しで日産新聞がフランスの原子力発電のメルトダウンを風刺した記事を書き、国際問題になった。
アメリカでも西海岸の主要都市は壊滅したらしい。
その結果、日米欧の三極に支えられていた世界経済は崩壊しそうだ。
現在は、ダウ平均も日経平均もかろうじて持ちこたえているが時間の問題だろう。
既に通貨危機以上の猛吹雪が世界経済を襲っている。
アメリカは先日、欧州の難民を引き受ける宣言を行った。
それも反対運動があるらしいが、今の政権なら強引に推し進めるだろう。
ロシアの動きだが、経済封鎖により、通貨ルーブルの価値が大幅に下落。
金や高級車といったものの売買は増えたものの、交戦国のイギリス・フランス・ドイツ・イタリア・アメリカ・日本からの輸入品は途絶えたため、国内に在庫があった物の値段が数十倍に跳ね上がったらしい。
これは自衛隊・・・今は国防軍の間諜が入手した情報だ。
スイス、ポーランド、オランダ、ベルギーは中立を宣言、ベラルーシはロシア陣営へ、ウクライナは抵抗もむなしくロシアにより併合されてしまう。
2014年10月30日にイギリス・アメリカ・ドイツを中心とするNATO軍はサンクトペテルブルグを占領、モスクワへ侵攻を開始したらしい。
しかし、いつまで持つのだろうか。
かつてのフランスのナポレオンのように寒さで負ける恐れもあるし、ベトナムみたいにゲリラ戦に持ち込まれるとアメリカは弱い。
NATO軍からアメリカとイギリスの同盟を通してロシア極東地域を攻めるように要請があったため、ロシア極東地域への出兵が検討されているがまだ日本はそのような軍事力はない。
軍人がいないので、ロボットを代わりに送り込むことになる。
工場をフル稼働させた上で「信濃」から得た新技術の「無人操作技術」を駆使した航空機と戦艦を建造。
まだまだ高いモノではあり、100体ほどしか製造できていないがロボットを生産済みだ。
流石にコンピュータに頼るのは危ないため、国防軍の中から秘密を厳守できそうな人物を選び、一人一体のロボットの遠隔操作の指示を出している。
100体に及ぶ遠隔操作の戦闘機械兵はウラジヴォストクへと侵攻を開始するのはあと少し時間がかかる。
それまでには朝鮮半島の国との日朝不可侵条約が結ばれる。
朝鮮半島に成立した【朝鮮民主主義共和国】改め、【朝鮮人民共和国】は北中国の支援の元に成立した朝鮮半島の正当な国であるとの【京城条約】を結ぶ。
首都は平壌から開城に変更。
中国の風水を取り入れた金王朝の4代目が動いたようだ。
首都がケソンなのは龍脈が関係しているらしい。
まぁ、日本に損害が無ければどうでもいい。
今までの支援額からして、独立できるのは誰でもわかることだ。
もともと、地政学でみても行き止まりで袋小路である朝鮮半島の歴史からみても中国になびくのは仕方のないことだからだ。
さてさて、このような世界状況の中、日本ではとある発表が行われようとしていた。
眠いです・・・・
もうすぐ新年ですね。
これから更新、がんばります。
2014/12/25
明けましておめでとうございます。
拙著を読んでいただきありがとうございます。
実際の人物に被らないようにとか難しいなぁ。