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14光年/迎撃失敗

2014/9/30 21:57 首相官邸


 舞鶴・呉基地より出撃した本土防衛艦隊は米国の協力もあり、福岡・大阪・名古屋・仙台・札幌に向かうミサイルは京都北部に設置された米国の広域レーダーによる捕捉で迎撃に成功していた。


ただ、一つ。

 国防軍は唯一していけないミスを犯していた。

それは横須賀の本土防衛艦隊は東京目標のミサイルを撃ち漏らしていた。

つまり、それは東京の壊滅と世界経済の混乱がもたらされることなる。

東京人口の1335万人の大量虐殺があるということ。

2011年の福島県での原子力発電所の事故により放射線量の増加していた東京はここでついに命運がなくなってしまったのか。


いくら夜戦で視界が悪いとはいえ、ここでヘタレるとは思えない。


「防衛大臣。それで、対韓国戦はどうかね。」


「はっ、韓国側の旗艦を降伏させ、勝利しました。そのあと、韓国はソウルを北朝鮮に占領され、さらに侵攻されている模様です。こちらに泣きついてきていますが、先人たちの苦労から『同盟国でもない、ただの交戦国に対して援助などしない』と突っぱねておきました。」


 そう、朝鮮半島は中国大陸への足掛かりではあるがあくまでも通り道。

あくまでも共産化に抵抗する為の肉の盾に過ぎない。日本が中国との戦争に備える為の時間稼ぎをする国としか考えられない位置にある韓国が日本に戦争を吹っかければどうなるのかは今、北朝鮮から攻め入られている韓国を見ればよくわかる。


ましてや、韓国は『交戦中』の北朝鮮を経由してロシアや中国とは陸路では貿易はできない。

実質『島国』の立ち位置であるわけだ。

日本が援助しなければ、負けて当然である。食料や石油の輸入もままならない。


おおもとの食料輸入事業は日本の総合商社が売っているに過ぎないし、石油の精製施設や大型プラントも韓国国内にあるが精製会社の寡占状態で価格競争も起こらないので高止まり状態。 

 そもそも韓国の周辺国のほとんどは自国で精製できたり、ロシアのように資源国なので、いくら石油を精製しても精油コストが下がらず、ほとんど売れないので利益が上がらないから採算が合わないという問題があったのだが。

その結果、石油の入手もままならない。


韓国内の環境基準を満たした適度な値段のガソリンや軽油は中国では精製が出来ないので日本から輸入している有様。

日本も石油製品で足りない分はいくらか韓国から輸入しているがそれでも自国で精製できる分が多いため、あまり気になるような数字でもない。

しかも、近年の大統領の発言やありもしない賠償金の請求などの反日政策で日本国民には嫌われた国である。自業自得ともいえる。


「そうかね。当初の方針どおりだな。後はロシア。北海道はどうなっている。」


「稚内・紋別・網走まで占領されています。自衛た……じゃなかった、国防軍は

10式戦車・90式戦車混合軍で何とか対抗できているようです。米国からの救援さえあればどうにかなりそうですが……。」


「米国軍が到着するまでのあいだ、辛抱してくれ。」


しかし、潜水艦『じんりゅう』を早めに完成させておいて正解だった。

他のそうりゅう型潜水艦とは違い、『じんりゅう』は他国の戦略型原子力潜水艦と同様にミサイルを発射できるように改良している。

防衛予算の関係で護衛艦の建造が間に合わない為、米国からの潜水艦ミサイル制御技術とモノポール制御のための基礎技術の交換という条件で急遽改造を行ったからである。


『じんりゅう』からもう一度ミサイル迎撃を行うこととなる。

ここで突破されると東京は核の炎で塵となり消え去ることとなる。



その他にも首都防衛の為、首都外郭環状高速道路でPAC3の配置を関東各地行っている。

PAC3はあくまでも最後のミサイル迎撃手段である。


なんとしても第二次世界大戦時の米国のドーリットル隊による空襲の二の舞にはさせない。

かつて、第二次世界大戦時の帝都空襲は本土防衛を怠ったとして民間から軍が叩かれることとなった。そして、萎縮気味で厭戦ムードが漂っていた米国国民を高ぶらせ、大日本帝国政府が図っていた講和が出来ない流れになり、ミッドウェーで主力空母艦隊が壊滅し、その後日本は敗戦することとなる。


実際に、ここで東京が破壊されれば中国に負ける確率だってある。

中国国民がかつて大日本帝国の国民と同様、より好戦的になるだろう。

簡単に東京を焦土にするわけにはいかないのである。


「もうすぐ、ミサイルが着弾しますね。」


「そうだな、諸君、我々にまだ命運があることを祈ろうか。」


東京に着弾まで残り10分……


5分・・・・・



60秒前・・・・



「防衛大臣、東京はどうなった。迎撃は成功したのか。」


「総理、『じんりゅう』から発射されたミサイルは外れ、迎撃に失敗したようです。

流石に碌な訓練も技術もなしに命中精度を機械に頼るとズレが生じるようです。」


「では、PAC3はどうだ。まさか打ち漏らしは無いだろうな。」


「もうすぐ結果はわかりますよ。」


10秒前・・・


「うむ。」


5秒前・・


あわてた様子の自衛官が会議室に駆け込んでくる。


「報告を申し上げます。げ、迎撃に失敗しました。我々がいながら申し訳ありません。」


「な・・・・・」


まさかそんなことになると思っていなかった総理大臣や閣僚達はあまりのことにも驚愕したため、発言が出来なかった。

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