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10光年/第二次日中戦争

ここの章、というよりこのページは改訂作業が多く、今後も大幅に変わることが多いと思います。

しばらく忙しいのでここのページの文章量を増やす改訂が多いとは思いますがよろしくお願いします。

2014/9/30 日本時間 20:32 ――――――


東京都千代田区永田町 首相官邸


土御門は会議室に集まった各大臣の顔を見渡しながらつぶやいた。


「君たちはどうすべきだと考える。中国と戦い、日本が生き残るにはどうすべきだと考える……。」


遂に第二次日中戦争が始まった。なんで私の政権時には必ず厄介ごとが起こるんだ。

しかも、厄介なことに香港が民主化を求め、香港の民衆が議会を占領。

国際社会の目が香港に向いた隙をついて、南京軍管区から沖縄本島から日本領海ぎりぎり侵略前まで中国製フリーゲート艦が測量艦を護衛しながら測量活動を開始したらしい。

『信濃』の"調査船"だったか、艦隊を派遣していたことは知っていたが、まさかこの侵攻の為だったとは。

他国の調査船は『信濃』側となんらかの交渉をしたのか、一挙に引き上げ自国へと戻って行った。


東海艦隊と対する日本は佐世保に自衛艦隊旗艦『いずも』を配置し、"護衛連合艦隊"を形成。本当は米国抜きでも戦えるという意思を込めて"聯合"の文字を敢えて出したかったが国内・海外の反発も考えられる為そうはしなかった。

中国の宣戦布告を受け、『いずも』にはヘリ4機を配備した。

一方で沖縄沖で測量している艦船を撃破するべく、派遣艦隊として7隻を沖縄沖に派遣。

あぶくま型護衛艦『じんつう』、はつゆき型の『いそゆき』『はるゆき』『あさゆき』、むらさめ型の『ありあけ』とこんごう型の『ちょうかい』

そして派遣艦隊旗艦『こんごう』である。

前方に潜水艦部隊を配置したらしいが……

既に、中国の東海艦隊と交戦一歩手前で一触即発状態。

いずれ、ここも戦場になるだろう。


上海軍管区に対する艦隊、つまり尖閣沖では既に戦闘が開始されたようだ。

こちらでは『あしがら』を旗艦として『くらま』『しまかぜ』『ゆうだち』『あきづき』『すずつき』を派遣。

潜水艦『こくりゅう』と、ほか何隻か派遣したらしい。

しかし……戦況はどうなった?


「戦況はどうなっているんだ。防衛大臣?」


「尖閣沖は米軍の援助が無くてもなんとかなりそうです。ただ、序盤に勝てば良いってものじゃありませんから、第7艦隊の援助が来るまで持ちこたえることが出来れば勝利と言えるでしょう。

残念ながら、負傷者は103名、死亡者は28名出ています。『くらま』『しまかぜ』は中破、『あきづき』は撃沈されました。救助はうまくいったようで

敵艦の江衛-II型や江凱-I型のフリーゲート艦はすべて撃滅に成功、潜水艦もキロ級・改キロ級はそうりゅう型の相手ではありません。宋型はすこし手がかかるようです。

周辺基地の航空自衛隊の協力が無ければここまでの被害を出さずに戦うことは難しかったでしょう。」

「死傷者の遺族にはなるべく手厚い福利厚生を。弔うことも忘れるな。遺体は必ず回収しろ。」

「既に手配済みです。」

「よくやった。」


そこにあわてた様子の男が官房長官になにか報告していたようだ。


「そ、総理!」

「なんだね、官房長官。」

「実は……あの空母『信濃』が沖縄沖の方に移動し始めたようです。」

「くそっ……なんでこんな時に限って動くんだ!あの船は、厄介ごとの塊か?」

「総理、中国から4発の核弾頭ミサイルが発射されたもようです!」

「嘘ではないのか…」


会議室は"核ミサイル"という単語から一般の日本国民が考えもしなかった日本への『核攻撃』という現実に騒然となる。


「北朝鮮が、ミサイルを札幌と仙台に向けて発射。中国のミサイルの到達予想地は……東京・大阪・名古屋の三大都市と福岡の中心エリアです……。」


その報告が届いた瞬間、静まりかえる会議室。


「べ、米国ともMD計画の発令を急がせろ、我々はあの部屋で指揮を執るしかない。陛下には急いで京都へ避難していただく。都市圏の子ども・女性を中心に避難を指示。戦闘可能な男性を首都などの各地防衛に最低限必要な人数以外は地方の重要拠点、九州は熊本、関東圏は鎌倉ヘ、四国は松山、中国は呉へ、関西は舞鶴、東北は大湊、北海道は室蘭に集結させろ。」


これは、あとには引けない。今はリーダーとして私が先頭に立ち、ここにいる閣僚だけではなく、国民を奮い立たせる時だ。


「大和魂とやらを我々は発揮しないと生き残れないようだぞ、諸君。私はどうなってもよい。この"美しい"日本国が生き残る為に夜叉でも鬼にでもなって見せると決意した。諸君はついてきてくれるかね。」

「総理、何をいまさら。我々は生存をかけて戦っているのです。最後までお供しますよ。」

と林官房長官が発言してくれた。


「うむ。では、我々の生存をかけて何とか勝って見せよう。」


2014/9/30 21:22 潮岬沖40km周辺海域


―――――空母『信濃』とされている船の艦内


某宇宙戦艦の第一艦橋に似た雰囲気の場所で、大きな艦長席に座ったその女性はつぶやく。

「アシハラの星の民はここまで文明を発展させたが、どうもその発展させる方向を少し間違っているのかもしれんのぉ。妾は遥か昔にこの星に入植した子孫が繁栄しているか身に来たのじゃが……。」


彼女の目の前にスクリーンが浮かぶ。

どうやら、戦争を見ているようだ。


「我らの母星にあった文明のように滅びてしまうのは惜しいのぉ。せっかく69.2周期とぶりに目を覚ましたというのにこの星の民は喧嘩ばかり。この船の修理の為に勾玉に生命維持機能と空間干渉機能を付けておいてよかったのかの。」


彼女は何かを見つけたのか、ぼそりとつぶやく。


「あ……。これは危ないのかもしれないかの。会話する前に滅びたとか話にならない。仕方ない。干渉しますかの。基本は干渉にこしたことは無いんじゃが。」


少し考えた様子の彼女がつぶやく。


「『信濃』よ。御国の危機じゃぞ。妾の星の文明の技術を経て復活したお主なら何をすべきかわかるであろう。武装ロックも解除しておいた。かつての艦載機も強化してお主の頭脳(コンピュータ)で操作できるように改造してある。好きにするが良いぞ。」


信濃は動く。沖縄沖へ向けて。


その姿は『信濃』が撃沈されていなければ参加していたかもしれない『捷二号作戦』で散った戦艦『大和』の姿を思い起させた。





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