表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/25

9光年/紛争

いきなり戦争パートに突入してますが今週の更新が間に合いそうにない為です。


――――2014/9/24 日本時間12:57


東京都千代田区永田町 首相官邸


「なんだと!中国が宣戦布告だと!」


「そ、総理。これは由々しき事態ですぞ。」



突如として知らされた中国の宣戦布告。それに便乗する形で北朝鮮がミサイルを発射する準備を始め、韓国は釜山(プサン)に艦隊を集結させているらしい。まぁ、こちらは警戒のみしておけばよい、それよりも中国だ、中国。

あまりにも唐突すぎる。中国はもっと老獪な国家だったはず。経済的には成長速度も落ち、危ないと言われていたがまだまだごまかしきれる資本力があったはず。日本に喧嘩を売るということはアメリカに対立することだと気づいているはずだが……。



「公安からなにか情報はないのか。防衛大臣、自衛隊の出動要請を。第7艦隊にも協力を仰げ。太田外相は大使館員の国内への引き揚げの支持を。林官房長官は臨時国会の召集と非常事態宣言の発令。避難民の受け入れはするが居座られるのは困る。」


「総理、情報が届きました。"イスラム国"がシリアで地盤固めが落ち着いた後、インドネシアに拠点を立ち上げていた模様。

ロシアはウラジオストクに展開していた艦隊の増強の為にフランスから購入したミストラル級以外の艦船の建造を始めました。

欧州はこれ幸いとばかりに中国に軍事物資を売りつけています。我が国も同様に売りつけています。

総理、これは日本史上にいくつかあった未曽有の危機です。」


「なんてことだ……これが我々の事なかれ主義と政治力なさの積み重ねの結果だというのか……。」


「総理、新たな情報が入りました。

陸上自衛隊の間諜が中国でイスラム国の助力を得たウイグル勢力との結託により、新疆自治区の省都ウルムチで"東トルキスタン"が独立を宣言、

続いてインド政府とFBIの協力を得たチベット臨時政府が中国政府による核廃棄物の撤去と水資源の平和利用を求めて、インド軍と中国本土に侵攻を開始。

ベトナムは中国の雲南省に侵攻、スカボロー環礁・海南島の返還を要求した模様です。

対する中国は各軍閥ともに争っているようですが、上海軍閥が先ほど尖閣諸島に上陸した模様。」


「もう、考えている余裕は無い。戦時体制に移行できるように国会で案を提出するように。責任は私が取る。」


土御門内閣はかくして国家非常事態宣言を発令することとなる。


※ ※ ※


中国の宣戦布告は日本国内に大きな衝撃を与えた。

国家非常事態宣言下の統制の元、国内の在外外国人で外国人登録書を持たない者の国外排除を厳重に取り締まることになる。

在日朝鮮・華僑に対して警察の手に負えない者は、陸上自衛隊が74式や10式戦車を動員して銃などで制圧する。

もはや、国内でもテロ制圧のために装甲車以外に戦車を使用することになるのは大きなマイナスポイントとなってしまった。


国内の日本人に置いてもSNSなどで過去に外患誘致を行うような発言をした者に対し警告を警視庁から書類を発送をはじめた。

こういう動きはプロバイダの協力があってこそだ。

当然、そのような動きを察知していた者はさりげなく消えていたりする。

既に外患誘致をしていた者は警察で逮捕、それにより、国内の犯罪が減少する。


メディアも今の内閣を叩くものの、視聴者は淡々と事実を伝えていた皇国放送とCNNを見るようになり、この2つのテレビ局は視聴率が上がる。


天皇陛下の名の元に"危機突破内閣"による非常事態宣言の発令し、日本国はこれまでのヘタレ具合はなんだったのか、と疑われるような軍事拡張を開始する。

防衛省はF-35の調達が間に合いそうもないのでF-15EJを中心に201機だった航空機の生産を開始する。

もう一つの主力機F-2は東日本大震災の影響で機数が減っているので、退役し処分されていたはずの『旭光』480機を全国各基地と地方空港に配備、

海上自衛隊は退役した潜水艦で動くものすべてを現役として復活させる。

ミサイル艇の生産を四菱重工・河崎重工などに発注する。

陸上自衛隊は本土決戦に備え、対馬・宮古島・沖縄の戦力を増強。

10式戦車を大量生産させ、コストの低減が出来るようにする。

とはいえ、そんなにすぐに作れるものでもないので正式配備や人員配置事態は非常に難しいのだが、これはあとの話である。


また、経済政策の効果が切れ、失業者が増えていたが、自衛隊の後方援助、ロジティクス(流通)、つまり兵站の維持のための会社成立により一時的に雇用口が出来、失業者が減る。

さすがに職業『軍人』は現在は専門化が進んでおり、育成には時間がかかる。

したがって、すぐに戦力化が出来ない為、過去の戦争で失敗していた『兵站』つまり弾丸の製造や流通の仕事が増えた。

残念ながら、現在存在している帝国通運・MOLなどの企業の多くは危険手当を出せない、運送者の死亡による賠償金が怖いなどの理由により1社も弾丸などの物資の流通を担わなかったのである。

皮肉なことに完全雇用が成り立ったのは戦争によるものだった。

ただ、この"戦争"で中国が要求してきたものの中で一つ不可解な条件があった。

それは「外星人技術の引き渡し」である。

中国でも『信濃』に対する攻撃は映像で見られていたのだが、大阪や京都にいた中国人の間諜(スパイ)に例の宇宙人映像が見られていたようで、このような条件が含まれたのだろう。




※ ※ ※ ※ ※





「……そうか、わかった。引き続き情報があり次第、連絡するように。

全く、驚くようなことばかりで寿命が縮む。またお腹を壊さないか心配だ。」


「土御門総理、それはよして下さい。今は戦争中なんですよ。」


土御門は大きなため息とともに愚痴をこぼす。若い30代ぐらいの男性は諌めつつ報告する。


「黒木茉穂"異次元機関副長官"は予言に基づいて"巫女"の確保に成功しました。

あとは徳川家と藤原家、陛下の伝承が正しければ、向こうから"巫女"に接触してくるでしょう。

それにより、我々はメタンハイドレードの掘削技術や宇宙開発能力を、米国から独立した技術体制を手に入れることが出来ます。

少なくとも、ここにTPPに頼らずとも日本の安全が保たれるわけです。」

「しかし、我々は今回の戦争終了時に大量生産をした兵器の処分方法を持っていない。それも含めて"巫女"どのにお願いするしかないでしょう。」

「君もずいぶんというようになったな。"長官"」


「ええ、"勇者"などとふざけた理由で我々の世界と関係のない世界の人々を救うのはもう嫌ですからね。他世界の存続に手を貸すぐらいならこの日本を安全な国に変えた方がましです。」

「私は異世界に行ったことはないがひどいモノなんだろう?現代兵器で圧倒できるようなら今回の戦争で余った兵器は君の権限で動かせるようにしておこう。」

「はい、私のトリップした世界も、"副長官"のトリップした世界も中世のような世界でした。召喚した国の王にこき使われ、こちらに帰る方法も魔王から聞き出さないと駄目でしたね。全く、これだから実戦に出ないくせに威張り散らす政治家は……総理、失礼しました。」

「いや、構わん。それより、君はこの戦争どうなると思う。」


「そうですね……私が思うに日本とアメリカが勝利するでしょう。流石に今回の日本国内の動きは海外に驚きをもって伝えられていますからね。イギリス紙ではかの有名な第二次世界大戦時の英国首相チャーチルの日本評を引っ張りだして書いてますよ。

 『日本人は不思議である。交渉ということを知らないらしい。交渉の最初はどこの国でも少しは掛け値をいうものだが、日本人は反論せずに、微笑をもってそれをのんでくれる。そこでもう少し要求をエスカレートさせてみると、また微笑をもってのんでくれる。しかし、それを続けると、あるとき突然顔を上げたその顔は別人のようになっている。刺し違えて死ぬとばかりに攻撃してくる』と、ね。

 今回は前回(WW2)とは違い、日本は下手ではあるが外交はしているので叩かれるようなことは無いようですが、一気に軍事化したことは脅威であると。

米国はアジアにおける日本の役割に期待しているようですが、おそらく仮想敵国として想定しているでしょう。更に日本には米国に対して2発の核兵器の使用権が有る為、復讐には気をつけろみたいな論調です。米国は気を付けたほうがいいと思います。

 韓国・中国は自衛隊と外務省の国外退去政策を人権の重大な侵害だとわめいています。更に軍事化反対と主張していますが、日本侵攻の為の言い訳ですね。」


「ふむ。」


"長官"の意見を聞いた土御門はふぅ、とため息をついた。





いよいよ戦争パート。

全く動かなかった「信濃」も動き始めますよw

そろそろ「宇宙」に関わらせないとタイトル詐欺になりそうです。

空母、どうやって動かそう……。2014/9/30


次の更新は本日10/3 23:00頃を予定しております。

なお、改訂作業を同時並行で行っております。

2014/10/3 0:04



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ