入学式、早々に突然転移!
俺は幼馴染の憂に連れられ、体育館のような場所に入っていった。クラスも学籍番号もないので早いもの順らしく前から詰めて座らされている。おそらく、教師であろう女の人に
「君達はそこから詰めて座って」
と指示を受け二人で席に腰を下ろす。開式の時間が迫ってきているからだろうがゾロゾロと新入生達がはいってくる。勿論、憂と反対側の俺の隣にも人がやってくる。その女の子の格好に思わず目を奪われる。私服登校が許可されているとはいえ、入学式、しかも由緒正しき京西学院の入学式に来ている人は皆スーツや中学の制服などを着ているが、その子はスウェットにチノパンという組み合わせで少々、いや、だいぶ目立っている。しかも、頭は明るい色、ベージュというのか金というのか、ファッションやおしゃれに詳しくない若日にとってはよくわからない色をしている。そんな彼女をそれとなく気にしていると、
「君なんかオーラーあんね」
女性にしては低音の心地よい声で不意に話しかけてきた。俺は、それはこっちのセリフという言葉を飲み込んで
「急だな!」
と思い切ってツッコんでみた。すると、ふわりと笑って
「何、そのツッコミ、超ウケるんだけど」
と言い
「私、長坂美希。これからよろ。」
と軽く自己紹介をしてきた。一応俺も
「俺は林田若日。よろしく。」
と短めの自己紹介をしたところで、隣にいた憂が割り込んできた。
「その髪色綺麗ですね!なんていう色なんですか?あ、私は小河憂です。よろしくお願いします!」
憂の勢いに気圧されながらも長坂さんは
「ミルキーベージュって言うんだ。」
と返していた。この色、ミルキーベージュって言うのかと呟きながら、更に憂が話そうとしたところで、前の舞台に人が現れた。
「皆さん、ご入学おめでとう。私は校長の木田拓郎と申します。これから君達はこの学校の生徒です。」
なんかぬるっと入学式が始まったようだ。
そして木田校長が急におかしなことを言い始めた。
「今から皆さんには急ですが、転移してもらいます。」
そう言うが早いか否か視界が歪み始めた。隣の憂もそうなっているらしく不安そうに腕にしがみついてきた。
「皆さん、これからの学校生活頑張ってください。どうか無事に戻ってきてね。」
木田校長の声がしたような気がした。




