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釣り人の夢が叶う日（ＹｏｕＴｕｂｅ配信中）

　彼は体格のいい男だったが釣りが大好きで、休みの日には、いつも近くの湖へ釣りに出掛けた。

　実は彼の夢は、釣り雑誌の表紙に載ることだった。大きな魚と並んで…

　そんな彼はある休日、いつものように釣りに出掛けた。いつものポイントで釣り糸を垂らし、そしてふと見ると、足元に一万円札が落ちていた。

　それで「儲かった」と思った彼は、よろこんでその一万円札を拾った。しかしよく見るとそれは偽札で、しかもその一万円札が突然動き出したと思ったら、突然手に激痛が起こり、しかもそのまま物凄い力で、彼は手から引きずられた。

　何故に激痛がしたかというと、その偽一万円札に鋭い針が仕掛けられていたからで、その針が彼の手の平に突き刺さったのだ。それは彼の手の甲から出てくる程の威力だった。しかも引きずられたのは針に糸、というかロープのようなものが付いていたからで、そして彼は引きずられ、湖にどぼんと落ち、さらに引きずられ、やがて彼は湖の底。

「中々の大物ですな。早速記念写真を…」

　それから彼を釣った大きな魚は、湖の底で彼の足をつかみ逆さにぶら下げ、嬉しそうな顔をして、仲間の魚に記念写真を撮ってもらった。

　その写真は、魚界の釣り雑誌の表紙を飾った。

　彼の夢が叶ったのだ。