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一日一話(YouTube配信中)

 昔私は、ある悪魔と、ある契約を交わしてしまいました。

 しかしその契約のおかげで、現在私はある程度の地位と名誉を手に入れ、とくに贅沢をしなければ、暮らすのに不自由のない収入も得ています。

 そしてその契約では、悪魔によって私にその地位を与えられたことに対する対価として、一日一話、ショートショートを書かなければいけないということになっているのです。

 ショートショートと一口にといっても、それなりに大変なのです。

 まずネタを思い付き、取っ掛かりを書き、設定された状況の描写へと書き進め、それから尾ひれを付けて誇大妄想しイメージを膨らませ、意外な展開へと書き進め、そして最後に待ち受けているのが恐怖の「オチ」です。

 オチ…

 これなくしてショートショートは完成しません。


 しかしある日、とうとう私はネタ切れになってしまいました。

 考えても考えても、何も思い浮かびません。

 それで街に出て買い物をしたり、喫茶店に入ったり、映画を見たり本を読んだり、はたまた電車に乗っていろんな人々の話を、得意の地獄耳で盗み聞きしたり…

 だけど何をやっても、どうしてもこうしても、何が何でもその日は全く何も思い浮かばなかったのです。

 私は思い悩みました。

 途方にくれました。

(このままでは、きっと悪魔に殺される…)

 そして恐怖が私を襲いました。

 実は私は、その悪魔との契約で、たったの一日でもショートショートを書かなければ、本当に殺されるのです。

 それで思い詰めた私は、何となく近くの川の袂へと向かいました。

 前日から降った雨で、その川は結構な濁流でした。

(ショートショートが書けない。悪魔に殺される。それならいっそ、この身を濁流へ…)

 だけどそう思ったそのとき、突然私に、ある素晴らしい考えが浮かんだのです。

 そういう訳で、私はこのショートショートを書いたのです。

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