第37話 こどもはBボタンをおしてね
ちょっとアダルトなネタが出てくるので、こどもはBボタンをおしてね。
読まなくても本編に影響はありませんので、ご安心ください。この注意を守らずに読んだ挙句、ネタがわからず画像を検索して、そこで見た画像で気分が悪くなっても責任は取りません。文句をいう奴は、悪魔も震える死のレクイエムを聴かせます。
それでは本編
アルが肩に乗って話しかけてくる。
「アルトはちょくちょくメタルヒーローのネタを会話に入れてくるモビ。好きかモビ?」
「まあ、好きだな。っていうか、よくメタルヒーローなんて言葉をしっているな」
異世界に来て、聞くような単語じゃないぞ。俺は驚いた。
「色々と漂流してくるものの中には、そうしたものもあるモビ」
「そうか。まあ、メタルヒーローだけじゃなく、ケロロ軍曹の宇宙探偵556だったりもするんだけどな」
レーザーブロードのところで癒着がないのは、癒着のパロディだからなんだよな。パロディのパロディだからわかりにくいけど。
「で、本当にどこまで知っているのか教えてもらえるか?」
「わかったモビ。ギャバンの主人公は一烈条二で、主題歌がくしだあしゅらモビ」
「ちげーよ!」
アルの間違いに、俺は思わず声が大きくなる。わかって言っているだろう、こいつ。50歳以上でアットーテキ読んでいた奴しかわからないようなボケをかましやがって。
「違うモビ?」
「似ている名前だが、まったく違う」
「ああ、矢野健太郎と毛野楊太郎みたいなもモビね」
「いや、それ同一人物だから」
「えええ!?アシスタントじゃないモビ?」
「そういう設定だけどさあ」
絶対にわかっているだろ。と言いたい。見ればアルがにやけているし。
「きっと、こちらの世界に流れてくる時に、情報が変わってしまったモビ」
「そうかもしれんなあ」
「変わっているかかくにんしたいモビが、団鬼六と檀ふみ親子も、アルトの世界じゃ違うモビ?」
「漢字がちがうだろ」
「こちらの世界では表音文字だから、わからないモビ。檀ふみの父親は小説家って書いてあったから、そうだと思っていたモビ」
「いや、絶対わかっているだろ。幼気な子供たちがこの会話がわからなくて、ネットで検索したらどうするつもりだ!」
俺はアルの耳を掴んで引っ張る。
「痛いモビ。そんなことすると、本棚の『花と蛇』をアルトの両親に見せるモビ」
「やめてくださいしんでしまいます」
アルの耳を慌てて放した。
「そんなことをされたら、違法風俗店でサービスをうけているときに、警察が踏み込んできて、店のスタッフと一緒に参考人として連行された友人Aみたいになってしまいます。バスタオル一枚のあられもない姿で警察のバスに乗せられ、聴取が終わって身元引受人として妻が呼べないので親を指名したような悲劇が繰り返されてしまいます。どうか、親には」
「警察署で食べたカツ丼の味はどうだったモビ?」
「夜中に連行されると、カップ麵くらいしか出てきませんよ。まあ、不安で食べるどころではないですが」
「自分の経験モビ?」
「友人Aです……」
この世界に国際的超A級スナイパーがいたら、この兎の暗殺をお願いしたい。そう強く思った。