表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた  作者: したらき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/271

第71話

岸元美晴(きしもとみはる) 視点◆


高梨(たかなし)先生のご友人の赤堀(あかほり)さんが職場を追われ、連動してご両親ともすれ違ってしまったために冬樹(ふゆき)くんと住むこのマンションに身を寄せてきた。


人との距離の詰め方など強引に感じるところはあるものの雰囲気を察して引くべきところは引くので嫌な感じはしないし、冬樹くんじゃないけど知らない仲ではないので助け合いというのもわかる。


それにご両親にすらカミングアウトしてなかったくらいにはデリケートなことなのに打ち明けてもらったのだから、その信頼に応えたいという気持ちも湧いてくる。



前はお酒が入っていたから暴走気味ではあったけど今日はそんなこともなく、テンションが高めなもののそれは元々がそんな感じなのだろうなという雰囲気で、特にからかわれたりすることもなく何気ない雑談を冬樹くんと3人で少し交わしたくらいで就寝する時間になった。



横になり目を瞑ってみたものの寝付けずしばらくそのままでいたら、部屋の外から物音がしたので耳を澄ませていたら扉の開閉音が聞こえてきた。



内容は聞き取れないものの赤堀さんの声がして、その内反応を示す冬樹くんの声もしてきた。様子からすると赤堀さんが冬樹くんの部屋へ行き声を掛けて起こしたのだと察せられる。


ふたりのやり取りが気になってしまい、物音を立てないように冬樹くんの部屋の前へ行き中を窺った。



「自棄になっているだけですよ。みゆきさん、俺のこと好きでもないでしょう?」



「そんなことないわよ。冬樹なら良いと思ったから、こうやってお願いにきたのよ」



「それにしたって・・・抱いてなんて軽々しく言うものじゃないですよ。

 俺たち、まだ会って2度目ですよ?」



「あら、一目惚れって言葉もあるし、世の中には会ってその日にセックスする例なんていくらでもあるわよ」



「それはあるかもしれないですけど、俺はそんな軽々しくそういう事をしたくないんですよ」



赤堀さんが冬樹くんに迫っているようで止めに入ろうかと思ったら・・・赤堀さんが泣きはじめたので様子を見続けることにした。



「あのね、私は百合恵(ゆりえ)だけがずっと好きだったの。

 キスもしたいし、抱きしめたいって思ったのも百合恵だけなの。

 でも、迷惑をかけたくなかったから想いをずっと秘めてたの。

 他の(ひと)になんか興味も何もないのに、私が誰にでもそういう目で見ていると決め付けて」



「そうですよね。俺も好きな人以外はそういう目で見ていないですね。

 ちょっと前までの話ですけど、美波(みなみ)以外は目にも入っていなかったです」



「やっぱりさ、冬樹に抱いて欲しいな。

 同情でも性欲をぶつけるのでも何でもいいからさ」



「そんな事を言われても・・・」



「お願い。心に空いた大きな穴を埋めて欲しいの」




それから冬樹くんと赤堀さんがポツポツと言葉を行き来させたら、冬樹くんが折れて互いに慰め合うようなコミュニケーションを取り交わし始めた・・・


その間に何度部屋に押し込んで止めようと思い、留まったのか数え切れないくらい繰り返している間に頭が真っ白になってしまった・・・気が付けば部屋の中から物音がしなくなったので、頭が考えることを拒否したまま本能のままに自室へ戻り横になった。


気が付いたら顔が涙でグシャグシャになっていて目頭が熱くなっていた。




◆赤堀みゆき 視点◆


冬樹と()てしまった。


ドラマや映画なんかで精神が不安定な時にそういう事をしてしまうという描写は見たことがあったし、少ないながらも学生時代の友人や職場の同僚からもそんな話を聞いたりして知識としてはあったけど、自分もそういう風になるとは思っていなかった。


今までずっと百合恵が好きだと思っていたし今だって百合恵のことが一番好きだと言えるけど、冬樹は別の意味で好きだと言える。



今になって考えると強引に迫ったから抱いてくれたけど、私の気持ちを押し付けてしまったのは申し訳なくも思う。けれど、私は救われた気持ちだしこの冬樹への好意の奥にあるもの感情が何なのかもわからないものの久しぶりに安心できた。




それにしても、ゴムの用意はしているのかと思ったらそんなこともなく、それどころか私が冬樹の初体験の相手になったとは・・・今更ながら美晴ちゃんには悪いことをしてしまったわね・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【別作品】ノンケのアラサーOLだけど異世界からやってきた最強の魔女と災厄の魔王と3人で百合ハーレム生活を送ります

よろしくお願いしますm(_ _)m

リンクは\こちら

― 新着の感想 ―
[気になる点]  美晴が冬樹の精神状態(押されると肯定してしまう)を把握していて、それで事故があったから今の状況なのに、唐突に成り行き任せの傍観者になるのが理解できない。  これまでの美晴の行動基準や…
[気になる点] 主人公も、その状況下でよくヤれますね。 普通気まずいと思うのですが。
[気になる点] タグに胸糞展開が無いですね……。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ