表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた  作者: したらき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/271

第59話

岸元美晴(きしもとみはる) 視点◆


目が覚めてスマホを確認したら夏菜(かな)ちゃんからのメッセージが入っていたので確認をしたら、冬樹(ふゆき)くんが真夜中に吐いていてそれを見た春華(はるか)ちゃんが時間も気にせず泣きながら夏菜ちゃんへ電話してきたことと、その事について相談したいから時間は何時でもかまわないので起きたら連絡が欲しいというお願いが書かれていた。


冬樹くんファーストの私がそれを無視するはずもなく、そのままスマホを操作し夏菜ちゃんへ電話した。



「もしもし、美晴(みはる)です。今お話しても大丈夫?」



『もしもし、おはようございます。大丈夫です。むしろ真夜中にメッセージを送ってすみませんでした』



「いいの。むしろ、すぐに冬樹くんの異変を知らせてくれてありがとう」




夏菜ちゃんから聞けた話はだいたいメッセージに書かれていることだったけど、これからの対応として私がすぐに支度をして冬樹くんのところへ行き病院へ連れて行くということ、夏菜ちゃんが美波(みなみ)へ話をしてくれるということを決めたらすぐに行動を開始した。



出掛けにちょうど起きてきた美波へ簡単に説明をして、できるだけ早く冬樹のマンションへ向かったので着いた時には春華ちゃんは起きていたけど、冬樹くんは寝ている状況だった。



「美晴お姉、あたしのせいでフユが、あたしが来ちゃったからフユが・・・」



「落ち着いて、春華ちゃん。あなた、その様子だと寝てないでしょう?

 冬樹くんは私が病院へ連れて行くから、ちょっと寝ていなさい。

 ここで落ち着かないなら家へ帰ってもいいし、どうする?」



春華ちゃんが大きく表情を歪ませて泣いていたので抱きしめ頭を撫でながら続けた。



「うん、ここに居たらフユに負担をかけちゃうし家に帰って寝ます。

 あたしは支度をしたらすぐに出ていくので、あとの事はよろしくお願いします」



「まかせて。春華ちゃんも、気に病み過ぎて病気になったら冬樹くんが気にしちゃうはずだから、気をたしかにね」



本当は春華ちゃんから話を聞きたかったけど、変に記憶を呼び起こすことをしたら追い詰めてしまうと思って帰って寝ることだけ勧めて、実際にすぐに支度を終えたら挨拶だけ交わしてすぐに帰っていってしまった。


いつも元気で明るく何かあっても立ち直るのが早い春華ちゃんがあれほどまで気落ちしているのは初めて見た。きっとかなりの衝撃を受けたのだろうと思う。





春華ちゃんが出ていくのと入れ違いで冬樹くんが起きてきた。



「美晴姉さん、こんな朝からどうしたんですか?」



「冬樹くんが深夜に嘔吐していたんだって聞いてね。病院へ行くのに付き添うために来たんだよ」



「そんな、大したことないですよ。それに必要だとしても病院くらいひとりで行けますよ」



「冬樹くんさ、救急車で病院へ運ばれたばかりなんだよ。

 その時に精神的なストレスじゃないかということで、紹介された精神科に行くことになっていたよね?

 今日はその病院へ行きます」



「それだって、ひとりで行け・・・」



「ダメ!今の冬樹くんは素人目にも自覚症状がないだけで大変なことになっているのがわかるの。

 それをはっきりさせて早く良くしよう。ね?」



「・・・わかりました。付き添いお願いします」



「うん、よろしい!」




冬樹くんが支度をしている間に病院へ電話して予約を取り、一緒に朝ごはんを食べてから病院へ行った。





病院では、冬樹くん本人の問診の他にできるだけ周辺の情報があった方が良いということで私や電話で神坂(かみさか)のご家族や美波や高梨(たかなし)先生にも話を聞いてもらってから、付き添いの私が診断結果を聞くことになった。


いくつかの精神障害が複合して発症しているのではないかということで、本人には自覚がないだけで冤罪事件の際に拒否反応を示した家族や美波に対して無意識に拒絶している部分があって、そういう人達とは関わらないようにするべきという状況と、自分の意志がはっきり示せなくなっていて周囲から言われると流されてしまうようになっているのが主な状況らしい。


だから本来拒絶するべき春華ちゃん達が近くに来ても拒まなかったし家に泊まりたいと言われれば泊めたけど、無意識に身体が拒否反応を示して嘔吐してしまったわけだ。


冬樹くんは真面目な性格だから思い詰めたのではないかというのも医師(せんせい)の見解だし、言われれば納得する理由だ。


夏休みに入ったタイミングだったのは不幸中の幸いだ。少なくとも拒絶するべき学校や春華ちゃんや美波達から遠ざけることができるし、何をするにも1ヶ月以上の時間があるのはありがたい。




今度こそ私が冬樹くんを絶対に守るんだ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【別作品】ノンケのアラサーOLだけど異世界からやってきた最強の魔女と災厄の魔王と3人で百合ハーレム生活を送ります

よろしくお願いしますm(_ _)m

リンクは\こちら

― 新着の感想 ―
[一言] 小娘どもと侮辱して、主人公を守るんだとか言ってる割にはその小娘共と二人きりにするのを許している。本当に守る気あるのって言いたい。
[気になる点] てっきり精神科医の紹介しない変な医者にかかったと思ってた ……って事は次に心療内科の行くのに診断も何もされていない状態にもかかわらず親は泊まりに送り出して姉妹も遠慮無し美晴も納得と……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ