表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた  作者: したらき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/271

第50話

神坂冬樹(かみさかふゆき) 視点◆


俺があの空き教室で美波(みなみ)がされていたことを見ていたと知って混乱した美波が逃げるように部室を出ていきハルも追って出ていったあと、しばらく沈黙が部室を覆った。


その沈黙を破ったのは高梨(たかなし)先生だった。



「・・・神坂かみさか君が時々見せてくれていた映像は神坂君が撮影していたものだったのね」



「そうです。先生には余計な心配をおかけしたくなくて、刺激の少なそうな映像だけに絞っていましたが、一番多かったのは性的な内容です」



そのやり取りに二之宮(にのみや)さんが割って入ってきた。



「ところで神坂君、私以外の人達はどのくらい繰り返しあの教室に呼び出されていたのかしら?」



仲村(なかむら)先輩は結構な頻度で何度も呼び出されていたけど、美波と芳川(よしかわ)さんは1度ずつだね。

 さっきのハルの話からすると芳川さんは学校へ来なくなったからだろうし、美波は最近だったから2回目の呼び出し前に今の状況になった感じだね」



「私以外の人がそんな状況になっているだなんて知らなかったわ。

 どうしてそんな事になったのかしら?」



「二之宮さんで味をしめて繰り返していたように思うけど・・・

 逆にどうして二之宮さんは自分以外の被害者が居ることを疑問に思ったの?」



「特に、理由は、ないわ。なんとなく、不思議に、思っただけ」



二之宮さんは少し引っかかりながら返答したけど、ここらも先生や美晴姉さんの引っ掛かったところと関係があるのかもしれない。



「そうなんだ。二之宮さんもそうだったと思うけど、仲村先輩も芳川さんも美波も鷺ノ宮と付き合うようになって、短期間で脅されるような状況になっていたみたいだよ」



「そうだったのね。教えてくれてありがとう」



「いいよ。一緒に対応していこうとしている仲間なんだし。

 しかし、関係者が退学してしまうとなると、歯止めがなくなるから、最悪の事態も起きやすそうだと思うけど、そのあたりは大丈夫?」



「しょうがないわよ。隆史(たかし)達のせいなのだし、その時は諦めるわ。

 でも、そうなってしまった時には私を守ってくれるわよね?」



「その時はね。起きて欲しくないけど」



「その時はよろしくね。ところで、神坂君が撮った映像はどうしているのかしら?」



「漏洩しないように保存してるよ。余程のことがない限りは動画が流出することはないって感じだから心配しないでね」



「神坂君が流出しないと言うなら大丈夫そうね」



ここで先生が再び話に加わってきた。



「神坂君、今まで目を背けてたわたしには何も言う資格はないと思うのだけど、あなたが抱え込みすぎている様に見えるの。

 その抱え込んでいる重荷をわたしにも負担させてもらえないかしら?」



「お気持ちは嬉しいですけど、先生だって今は大変な時なのですから、まずはご自身のことを解決するように頑張ってください」



「それを言われてしまうと、そうよね。

 まずはわたしの問題を解決する事が先よね。

 それができた時にはその重荷をわたしにも分けてね」



「・・・はい、その時はお願いします」



断るのは不自然なのでお願いすると返答したけど、正直なところ先生には負担をかけたくないなぁ・・・


そして、ここで姉さんも加わってきた。



「冬樹、私もお前に申し訳なかったと思っているし、お前のためにやれることはどんなことでも協力させてもらいたい。

 美波や二之宮さんのことも心配だけど、何よりお前が一番大事で心配なんだ。頼むから無理をしないでくれ」



「姉さん、大丈夫だよ。無理なんか何もしてないからさ。そんな二之宮さんよりも辛そうな顔してないで、もっと気楽に構えなよ。生徒会長の力を貸して欲しい時にはお願いするから」



「ああ、生徒会の一存でできることなら何でもするぞ」



「期待してるよ、姉さん」



また二之宮さんが会話に入ってきた。



「美しい姉弟(きょうだい)愛ですね。妬けちゃいますよ」



「二之宮さん、茶化すのは止めてくれ。被害者なのはわかるけど、そもそも君が冬樹を巻き込んだのが原因でもあるんだ。

 気の毒だと思う気持ちもあるけど、弟や美波が巻き込まれて恨めしく思う気持ちもある。その事はわかってほしい」



「そうですよね。申し訳ありません。夏菜(かな)先輩の仰るとおり軽率でした」




そうこう言い合っている内にハルと美波が戻ってきたので、今日のところは解散することになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【別作品】ノンケのアラサーOLだけど異世界からやってきた最強の魔女と災厄の魔王と3人で百合ハーレム生活を送ります

よろしくお願いしますm(_ _)m

リンクは\こちら

― 新着の感想 ―
[一言] 動画の格納場所を教えちゃったか 読者視点だと二之宮の内情を知ってるから、動画を流出させて冬樹の落ち度を作り、改めて冬樹を孤立無援にさせる計画を立てそう…と予想してしまうね 冬樹はまんまと術中…
[気になる点] なんで証拠動画の管理の事喋ったのだろう? 先生が居るから舞い上がってた??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ