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学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた  作者: したらき


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271/271

第271話

鷺ノ宮隆史(さぎのみやたかし) 視点◆


美波(みなみ)が話し合いの場を設けてくれて、その場に同席した美波のお姉さんが言った通りに梨子(りこ)と付き合い始めてから1ヶ月が過ぎた。

美波から友達だからと勉強をするようになり、それを快く思わない梨子が俺に文句を言ってくるのが日常となっている。


『隆史、今日会えない?』


「今日は約束があって・・・」


『どうせ、岸元(きしもと)さんでしょ!?

 いい加減、カノジョの私を優先して無視してよ!』


今日も朝から電話でいつものやり取り・・・これでも、美波と会うのは梨子と会うよりも頻度を下げているし、実際に一昨日、昨日と梨子を優先している。

梨子と2日連続で会うからとその直後の今日は美波と約束を入れていたし、梨子も今日は予定があるはずだった。

しかし、まだ美波と会う時に凪沙(なぎさ)を誘って3人でいることが多いことは言えていない・・・


「そもそも、今日は大学の講義が遅くまであるんじゃなかったでしたっけ?」


『今朝、その講義の教授が体調不良で休講になって空いたの』


「それだって、俺達昨日も一昨日も会っているんだし、なんなら明日だって会う約束しているんだから今日くらい良いじゃないですか」


『それでカノジョを放って他のオンナと会うことを正当化するつもり!?』


「美波は俺が償わないといけない相手だし、友人です。たまに友人と会うくらいは認めてください。

 第一、梨子だって美波が自分からカノジョをやめたの知ってるでしょう?

 今更美波とどうこうなんてなりませんよ。第一受験勉強で高校へ通っている美波の協力も必要なんですよ、そこは理解してほしいです」


『それだって!

 もういいっ!

 知らないっ!』


ガチャンという乱暴なオノマトペが聞こえてきそうな勢いで電話を切られた。


付き合い始めて最初の1週間は機嫌が良かったものの、美波に対してだけでなく一緒にいる時たまたま言葉を交わした飲食店のウェイトレスにまで色目を使っているなどとヒステリックに言われるようになってきた。

ただ梨子へは償わないといけないから、その一心でどんな物言いでも我慢して聞いているが、さすがに美波との約束は違えることができない。



学校が放課後になり、待ち合わせ場所に着くと凪沙だけが着いていた。


「おまたせ。早いな」


「ええ、美波さんを待たせたくなくて」


「たしかに美波を待たせたくな・・・」


「隆史っ!なんで二之宮(にのみや)凪沙とふたりきりでいるのっ!!」


怒鳴りつけてきた声の方を向くと般若の形相でこちらを睨んでいる梨子の姿があった。


仲村(なかむら)先輩、落ち着いてください。

 待ち合わせで早く着いたから私達だけですけど、この後岸元(きしもと)美波さんもすぐに来ます」


「どうだか・・・隆史が恋愛感情を持った相手っていうのは二之宮凪沙のことでしょ!

 他に女の影がないし、岸元さんが口裏合わせて、二人で会ってるんでしょ!」


美波にも協力してもらって俺が凪沙に恋愛感情を持っているかもしれないということは凪沙には知られないようにしているし、美波の見立てでは凪沙が気付いていることもなさそうとのことだが、変に気付かれるようなことはあってほしくない。


「何を言っているんですか?

 凪沙も言ったように美波と待ち合わせているんですよ。

 もうすぐ来るはずだから少し待っててください」


「嘘!そうやって煙に巻こうとしているでしょ!」


「本当ですよ。なんだったら今電話して後どれくらいで到着するか聞きますから」


そう梨子へ声をかけながら美波へ電話をかけ、スピーカーフォンの設定にした。


『もしもし、隆史君どうしたの?』


「すまない。後どれくらいで待ち合わせ場所に着く?」


『えっとね。今から電車に乗るから後5分くらいで着くと思う』


秀優(しゅうゆう)高校の最寄り駅だと俺や凪沙が目立つからと俺達3人が集まりやすい2駅隣のこの駅で待ち合わせたわけだが、路線が多いこの駅だったから梨子とも遭遇してしまったのは考えが足りなかったと後悔しているが今はそれどころではない。


「わかった。待ってるから気を付けてきてくれ」


『うん。電車が来たから電話切るね』


美波が言い終わるとすぐに通話が切れ、それを確認してから梨子へ向き直す。


「この様に美波もすぐ来ますから。なんなら待ちますか?」


「ええ、そうね。どうせなら一緒に勉強させてもらえないかしら?

 私だって最近までは受験勉強していたし、教えてあげられると思うの。

 それにやることもなくて暇だから、勉強でもして時間を潰したいし」


「それは・・・」


「それはなに?

 私がいると何か不都合でもあるのかしら?」


「俺の一存では決められないですし・・・」


「じゃあ、二之宮凪沙と岸元さんが了承したら良いわけね?

 二之宮凪沙、私が同行してもいいかしら?」


「私は・・・その、仲村先輩が望まれるのでしたら反対はしませんが、美波さんの意見は尊重してほしいです」


凪沙は状況がよくわからないという表情なものの、凪沙自身も梨子に対して贖罪の気持ちを持っているから自分の意見として否とは言いづらいだろう。


「じゃあ、岸元さんがOKしてくたら良いわね?」




~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

◆後書き


いつも拙作を応援いただきありがとうございます。

別Web小説サイトにて先行公開していたエピソードをお盆の期間を利用して公開させていただきました。

今後も別Web小説サイトにて先行公開し、折を見てこの小説家になろうでも後追い公開をしていくつもりでおります。


小説家になろうにてお読みの読者の方々には申し訳ございませんが、ご理解をいただけますと幸いです。

ちなみに、作品タイトルの「学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた」でWEB検索をすると先行公開しているサイトの公開ページがヒットします。

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【別作品】ノンケのアラサーOLだけど異世界からやってきた最強の魔女と災厄の魔王と3人で百合ハーレム生活を送ります

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