表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた  作者: したらき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

262/271

第262話

藤堂詩音(とうどうしおん) 視点◆


勢いで幸博(ゆきひろ)を訪ねたら春華(はるか)さんと岸元(きしもと)先輩のご家族合同のバーベキュー会を開催していることころへ予告なしでお邪魔してしまうことになった。

幸い、不躾な乱入者である私を幸博だけでなく春華さん達も歓迎してくれて、その点は良かったと思う。



「詩音ちゃんはね、ユッキーの地元の幼馴染みで春からもうちの高校へ一緒に進学してきたんだ」


「そうなのね。女の子が高校生で親元離れるなんて心細くて大変でしょう」


「たしかにそう言う心細い気持ちになる時はあります。

 でも、今お世話になっている叔母が気にかけてくれているので大丈夫です。

 その点では幸博と同じだと思います」


「俺も春華や伯母さん達のお陰で全然問題なく過ごせてる」


「そう思ってもらっているならわたしも嬉しいわ。

 幸博くんはいい子だし、もっと甘えてくれてもいいのよ?」


「ママじゃないけど、あたしも頼ってくれて良いからね、ユッキー」



春華さんは朗らかに私の紹介をして回ってくれて、場の空気に馴染める様にしてくれた。

ご家族への紹介を終えたところで春華さんは幸博に歓待を任せて岸元先輩の方へ戻っていった。

ふたりきりになれたのでこのタイミングで今日のメイクについて聞こうと思って話しかけようとしたら、春華さんが慌てて戻ってきた。


「あ、あのさ!

 詩音ちゃんって、もしかして藤堂佳(とうどうけい)さんの姪御さん?」


「は、はい。藤堂佳は私の叔母です」


春華さんの勢いに()されて吃ってしまったけど、質問には答えられた。


「やっぱり!

 今日のお化粧した顔がどこかで見たような気がしてたんだよね。

 そのお化粧も()()()さんにやってもらったの?」


「えっと、叔母ではなくて、叔母が仕事で懇意にしているプロのメイクさんにやってもらいました」


「なるほど。()()()さんのメイクをしてるプロが詩音ちゃんのメイクをしたから魅力の引き出し方が似てるんだ!」


「そ、そうなのかもしれないです」


「それにしても、改めて見ると詩音ちゃんのメイクすごく良いよね!

 いつも良いと思うけど、今日のは特に良いと思う!

 ユッキーもそう思わない?」


「・・・そうだな。いつもが悪いわけじゃないけど、今日のは特に良いと思う・・・」


普段ならそう思っていても素直に認めないことが多い幸博があっさり私のメイクを褒めてくれた・・・それに、普段のすっぴんについても『悪いわけじゃないけど』とまで言ってくれたのも嬉しい。

いつもなら本心かどうかわからない誤魔化しの言葉で容姿を褒めてくれないから、春華さんの手前下手なことを言えなくて褒めてくれたのだと思うけど、本心っぽいのがまた嬉しくなる。


「幸博、褒めてくれてありがとう。

 春華さんも、お褒めの言葉ありがとうございます」


そう言い終わるやいなやのタイミングで春華さんが抱き着いてきた。


「詩音ちゃんすごくかわいい!

 今の笑顔、最高に可愛かったよ!

 ユッキーもそう思うよね!?」


「・・・そうだな。春華が言う通り良い表情だったと思う」


またしても褒めてくれるし、今日の幸博はどれほど言葉のガードが緩いのだろう?

春華さんが誘導しているにしても褒め過ぎではないかな?



夕方くらいまで春華さんや岸元先輩のご家族と楽しい時間を過ごさせてもらってから帰宅した。

家では佳さんに今日のことを話して感謝を述べたら満面の笑みで抱きしめられた・・・その状態で『佳さんと春華さんは行動パターンがけっこう似ている』と思った。




◆番外編◆



『こんばんは~、【藤堂佳の君のハートにとどけ!】パーソナリティの藤堂佳です。

 今夜も30分わたしのトークについてきてね!

 そして、今週は先週告知していました通りゲストがいらっしゃっています!

 早速、ご登場いただきましょう!金沢朱乃(かなざわあけの)さんです!』


『こんばんは、ゲストでお邪魔させてもらいました金沢朱乃です』


『アケさん、待ってましたよ~』


『私も来たかった!』


『嬉しい!

 でも、ラジオ業界は世知辛くてそうそうゲストを呼べない事情があるんですよね』


『その右手の()()は止めなさい。第一リスナーさんに見えないんだから』


『見えないから良いかなって思ってたのに、アケさんが言っちゃうからリスナーさんたちにバレちゃうじゃん』


『まぁ、そうかもね』


『気を取り直して、今回アケさんにゲストに来てもらったのは私の姪との同居生活1ヶ月記念をお祝いしてもらうためです』


『違うでしょ!

 あなた、どれだけ姪ボケしてるのよ!』


『ボケてはないですよ。うちの姪っ子を見たら可愛くてしょうがなくなるから』


『まぁ、写真を見せてもらっているけど、たしかに佳に似て可愛い感じの高校生よね』


『でしょ!わたしに似て!』


『やっぱり、佳に似てないかも?』


『はぁ!?』


『そんな真顔で威圧してこないでよ』



・・・この様な調子で終始漫才のような応酬が続き、本来金沢朱乃がゲスト出演した理由である二人が共演するアニメ作品の宣伝をまともにできないまま放送が終了してしまったが、過去一番の人気回になった・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【別作品】ノンケのアラサーOLだけど異世界からやってきた最強の魔女と災厄の魔王と3人で百合ハーレム生活を送ります

よろしくお願いしますm(_ _)m

リンクは\こちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ