表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた  作者: したらき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/271

第21話

岸元美晴(きしもとみはる) 視点◆


神坂(かみさか)小母様(おばさま)から冬樹(ふゆき)くんがご両親や頼れそうな親戚も頼らずに一人暮らしをしている様だという話を聞いて、無理して貧しい生活を送っているのではないかと不安になったけど、いざ住んでいるマンションへ到着すると外観からして立派で、足を踏み入れるとエントランスにはきれいに整っている控室があり、セキュリティもしっかりしているので吃驚(びっくり)した。


そして、冬樹くんが通っていて私にとっても母校である秀優(しゅうゆう)高校からすぐの立地で家族との事がなくても住みたいと思える場所だった。



甲斐甲斐しく旦那様のお世話をする良妻気取りで冬樹くんを支えながら居住区へのドアを開け様としたら、冬樹くんが高校生と思われる女の子から声を掛けられた。



冬樹くんが『二之宮(にのみや)さん』と呼んだので、例の事件の原因の1人である二之宮凪沙(なぎさ)さんだと察して、やりとりを見守ってみたけどエントランスホールで長々する様な話ではないと思ったので部屋へ上がって落ち着けてから話をしたらと促し、冬樹くんのお部屋に入ることになった。




「改めて自己紹介するね。私は冬樹くんの幼馴染みの岸元美晴です。

 冬樹くんと同じクラスの岸元美波(みなみ)の姉でもあります」



美波と面識があるのはわかっているけど、あえてその周囲の事情に詳しくない風を装うため説明色を強めに自己紹介した。



「岸元さんのお姉さんですか。それで神坂君とも幼馴染みなのですね」



「美波のことを知っているのね。あの()と仲良くしてくれたら嬉しいわ」



「今まではあまり話をしたりしないですけど・・・機会があれば仲良くさせてもらいたいと思います・・・」



「うん、その時はよろしくね」



一頻(ひとしき)り挨拶を交わし終えてから、追い出すために切り出した。



「それで昨日冬樹くんが連絡できなかった理由なのだけど、()()で倒れて病院へ運ばれていたの。

 状況は大したことがなかったから1泊で退院できて今戻ってきたところなのだけど、ゆっくり休ませてあげたいから急ぎの用事でなければ今日のところは帰ってもらえないかな?」



「入院!?大したことがなかったって、ほんとに大丈夫なの?」



二之宮さんは冬樹くんの方を向いて尋ねた。



「ああ、病気とかではなくて精神的なストレスが原因で倒れただけだから、家でゆっくりしてたら大丈夫だよ」



「そんな!きっと私のせいよね。良かったらお世話をさせてもらえないかしら?」



二之宮さん、自分が原因だとわかっているのに図々しいことを言ってくるので、呆れてしまう。



「それには及ばないわ。

 そのために私が付き添っているのだし、()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()と思うの。

 だからね、二之宮さんは気にせず私に任せてくれないかな?」



「え、でも・・・」



「二之宮さん、美晴姉さんは俺の家族との間にも入ってくれているし、今の俺にとってただ1人の信頼できる人だから、任せてくれて大丈夫だよ。

 せっかく気にして様子を見に来てくれたところ悪いのだけど、俺も今は休みたいし今日のところは帰ってもらえないかな?」



「そ、そうよね。ごめんなさい。気持ちばかりが前のめりになってしまって、神坂君のことを考えてなかったですね。

 例の件についての相談ができる様になったら連絡をください」



冬樹くんがものすごく嬉しいことを言ってくれたし、意識はしていないだろうけど二之宮さんに私の存在を見せ付けた上で追い返してくれて心は天にも昇る心地だ。




二之宮さんが出ていきふたりきりになったところで冬樹くんに切り出した。



「あのさ、冬樹くん。空いているお部屋もあるし、私も住まわせてもらえないかな?

 今の冬樹くんをひとりにしたくないんだ」



「美晴姉さん!?ふたりきりはまずいですよ!

 気持ちは嬉しいですけど、そんな事をさせて美晴姉さんに悪い噂が立ったら嫌ですよ。

 ()たち年頃の男女なんですから、美晴姉さんに申し訳ないよ」



()、昨日からずっと気になっていた。もともと()だった冬樹くんの一人称が()になっていて無理をしているように見えていたのだけど、前みたいに()と言ってくれたので私と一緒にいることで気が緩んでいる、つまり安心してくれているのだと思えて嬉しく思う。そして、私の評判にも気遣ってくれているのも嬉しい。



「いいんだよ。私は冬樹くんのことが大好きだからそういう関係になったって後悔しないよ。経験がないからリードしてあげられないけどさっ」



「もうっ、姉さん!からかうのはやめてよっ!」



「ごめんごめん、冬樹くんの反応が可愛かったから、ついはしゃいじゃった。

 でも、今言ったことは本心なんだよ。冬樹くんのことが心の底から大好きだし、そういう関係になりたいって思っているんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【別作品】ノンケのアラサーOLだけど異世界からやってきた最強の魔女と災厄の魔王と3人で百合ハーレム生活を送ります

よろしくお願いしますm(_ _)m

リンクは\こちら

― 新着の感想 ―
[気になる点] 美晴は一連の事件の時に部外者だったことが現状プラスに働いてるようで何より ただ性的なことで傷ついてる相手に対して、攻略を急ぎすぎてる感があるのがちょっとね 二之宮は罪悪感と下心の比率…
[良い点] 美晴攻めますね~ まー泣く泣く諦めたモノが手に入るかもという思ってなかったチャンス転がってきたんだから、そりゃご馳走前にした犬のように涎ダラダラ尻尾ブンブンだろーなーと [気になる点] 二…
[良い点] 大学生になっても身持ちが固くて結構結構。 やっぱヒロインは美晴姉さんだね。 [一言] 先生、美晴姉さんと 作者様は年上好き?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ