第13話
◆神坂冬樹 視点◆
「ごめん、今は誰とも付き合いたくないし、恋人でもない相手とそういう事はしたくない。
もちろん二之宮さんは魅力的な人だと思うけど、俺の気持ちはそうだから」
「そうよね、神坂君はそういう人よね。私の方こそ変なことをしてしまってごめんなさい」
「いや、俺の方こそ他に誰もいない家へ連れてきて軽率だった」
「ほんとそうよ。女の子をホイホイ密室に連れ込んだらダメよ」
「それは申し開きもない」
久しぶりに二之宮さんが心から笑った顔を見た気がする。
「まぁ、ついてきた私も悪いんだけどね。
それに、神坂君にとって恨んでいて当然の私のことを魅力的と言ってくれて嬉しい」
「鷺ノ宮のせいだってわかったら、恨んでいるのがバカバカしくなってね。
・・・人を恨み続けるのってすごくエネルギーが必要なんだよ」
「・・・ほんと、私には勿体ないくらい素敵な人ね、神坂君は」
「その気持ちは嬉しいよ」
「隆史は神坂君と並ぶ人気者だったのに中身は月とスッポンだわ。だから、隆史が陥れたくなったのかもしれないけど・・・」
あとは他愛のない雑談を交わし、外が明るい内に二之宮さんは帰っていった。
明日約束をしている岸元さんにメッセージを送ろうと思ってアプリを開いたら、ブロックしたままだったので解除して送信した。
【明日だけど、どこで話をする?】
即既読になり秒でメッセージが返ってきた。
【ウチじゃダメかな?】
【いいよ。そっちの家へ行くね。時間はどうする?】
【ありがとう。明日は一日中予定が空いてるから何時でもいいよ】
【わかった。じゃあ午後一くらいに行くよ】
岸元さんの家へ行くなら実家にも帰るかと思い、やはり設定したままだった家族全員のブロックを解除して春華へメッセージを送った。
【急だけど、明日美波の家へ行くことになったから、ついでに寄ろうと思うけど良いか?】
【いつでも大丈夫】
【なら午後一に美波と会うから、それが終わったら顔を出す】
【うん、ありがとう。待ってる】
・・・明日は気が重くなる休日になりそうだな・・・明後日は何も予定を入れず一日中家に引き籠もろう・・・




