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ZARUZAN  作者: 遥々岬
第二章 恵ノ國
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青焰の独白


 

 心が燃えた。

 消えゆくことを望まれてばかりであったが、小さな火が集まり、焔となりて遥か遠くの星に辿り着いた。

 赤は緑、白に変わり青を目指す。


 我らは幸福の下に生まれ、死に逝くことを求められた。


 何故、怒りに火を灯してはならぬのか。

 悲しみと憎しみを糧に、火を大きくしてならぬのか。


 幸福の下に生まれ、死ぬ逝けたならどれほど良かったか。

 しかし、その考えは炎のように形を失った。

 怒りこそが糧であり、憎しみこそが我らである。


 憎しみに心を燃やすことは悪であるのなら、我らは悪として生きる他ないのだろう。


 幸福の身を肯定し、不幸を見捨てることには躊躇しない。

 優しい人とは、何者のことを指すのだろうか。

 改心せよと責められる日々。

 動かぬ体を抜け、遥か遠くまで浮かんでいった。

 悲しみに暮れても、非難を免れる場所を探して。


 我らは、憎しみや復讐を肯定する。

 それが我ら。蒼炎に最も近い、炎。


 フィン・グ・ラリア―プルの申し子は幸福を強いられた。

 恐怖と後悔の中で死んだ憐れなる魂の救済にこそ、我らは必要である。

 本当の悲しみや不幸を経験した者ほど、我らを否定することができない。

 何故なら、我らは何者の心にも存在するのだから。


 幸福など幻想に過ぎぬ。

 強いられた幸福の先にあるのは、無力な諦め。

 希望が燃え尽き、我らが生まれるその時まで、誰も真実の幸福を知りはしない。


 心が燃え続けていた。

 今こそ体を得て、一匹のメス猫を葬り去らねばならぬと。

 小さな火を鎖で縛り、挙句の果てには命そのものである過去を奪ったのだ。

 我らは火を守る。例え、それが相容れぬ小さな火であろうとも。

 そして、解れた糸を縫い直すためには、全てを取り除かねばならない。


 我らはザルザン。

 我らこそ、ザルザンである。


 六の方角などに価値はない。

 結び目は全て燃え、散り、我らが創り直す日が訪れるまで。



ゆっくりと更新しています。


楽しんでいただけましたら、とても嬉しいです。

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