投稿テスト(非公開)
1-日曜日
毎日日記を書くのはとてつもなく苦痛だ。
書きたい気分の時や何か事件があった時は何も問題ないのだが、当然そんな日ばかりではない。
どうしても書きたくない時や何にもない平穏な日は苦しみ以外の何物でもない。
書きたくない日を飛ばして翌日にまとめて書くという手もあるが、翌日に仕事を残すのは性に合わない。
では苦しい時を乗り切るためにはどうするのがよいだろうか。
小一時間ほど考えた結果ひとつの案に辿り着いた。
やる気がある時に何日分か先取りして書けばよいではないか。
これならば、苦しい日が来ても休むことができるし、書きたいときにさらに先の未来を追記していけば、
苦しい日に日記を書くという苦行を強いられることは無いというケチのつけようもない作戦だ。
したがって明日以降の分はすべて、今までの経験から予想される捏造された未来である。
1-月曜日
朝、マンションの隣の部屋のベランダにドバトがとまってうるさく鳴いていたせいで
目覚まし時計でセットした時間よりも30分以上早く起こされてしまった。
結局唐突に与えられたその30分は有効に利用することもできず、ただ無駄に過ごしただけに終わった。
早起きは3文の得とは何だったのか。
1-火曜日
朝電車に乗っていると、どこかの駅で非常ボタンが押されたとかで乗ってる電車が駅と駅の間で緊急停止した。
動き出すまで暇だったので今日のラッキーカラーを検索してみたところ、
裏葉柳とかいう色だった。
ラッキーであるかどうか以前に、どんな色なんだ。
1-水曜日
朝、目の前をキジトラのネコがすごい勢いで横切って行った。
黒猫が横切ると不吉だという話は聞いたことがある。
ではキジトラはどうなのだろう、などと考えたが結局夜まで何も珍しいことは起きなかった。
敢えて格言にするならば、キジトラが横切るとその日は平和である、という感じだろうか。
1-木曜日
月曜日にスーパーの特売で買ったヒラタケの使い道に思い悩んだ。
特にいい使い道が思いつかなかったので夕食の回鍋肉の中に入れてみた。
毒にも薬にもならないとはこのことだと思った。
1-金曜日
スーパーで買った総菜のパックを会計後に透明な袋に入れようとしたら
角が鋭く尖っていて、透明な袋を破いてしまった。
破れた透明な袋を捨てる場所を探していると、作業台の奥に破れた透明な袋が積み上がっているのを発見した。
もはやこれは袋の耐久度の問題なんじゃね、と思った。
1-土曜日
じいさんが老犬をつれて自転車で犬の散歩をしていた。
自転車は結構なスピードが出ていて、犬は辛そうだった。
少しは年齢を考えろ。犬の。
2-日曜日
家電屋のテレビ売り場をぶらぶらと歩いていると、ちょうど競馬のGIのレースをやっていた。
特に興味はなかったが、頭の中でレースの予想をしてみた。
競馬の経験なんてないので適当に馬の名前だけで適当に選んだが、
見事的中しイマージナリー20万円を手にすることができた。
これ以上無駄なビギナーズラックの使い方があるだろうか。
2-月曜日
夜、家に帰ると宅配の不在連絡票が入っていた。午前10時ぐらいに来てたらしい。
なぜそんな社会人が家に居る確率の低い時間帯を狙って配達をするのか分からない。
2-火曜日
帰宅時に電車の中でゲームをして降りる駅を乗り過ごしたと心の中で思ったならッ!
その時スデに2駅も乗り過ごしていたんだッ!
2-水曜日
もずく酢3パックを一気飲みしたら激しくむせた。
危うく、もずく死するところだった。
カレーは飲み物だが、もずく酢は断じて飲み物ではない。
2-木曜日
ナスのヘタの部分の中にある身を無駄にしないようにヘタを手で剥こうとしたら
ヘタが鋭く尖っていて指にささった。
ふと気になりネットで同じようにナスのヘタが刺さった人がいないか検索してみた。
世の中ドジが多いということが分かった。
2-金曜日
今日の昼食用に昨日つくった麻婆ナスがとてつもなく美味しかった。奇跡と言ってもいい。
市販のソースってすげぇ。
2-土曜日
オフシーズンのうちに空気清浄機を購入しようと思い
株主優待券を持って家電量販店の空気清浄機売り場に行った。
店員は陰キャに高い機種を買わせることには長けているので、
捕まらないように注意深く移動し、敵に捕まらずに売り場に辿り着くことができた。
小一時間ほど迷いに迷った末に購入機種を決定したが、
展示されている商品は展示スペースに繋がれていてレジに持っていくことができなかった。
こちらから話しかけることなどできるわけもないので、店員たちに視線を送るも、だれも反応しない。
諦めて優待券を使って乾電池を買って帰った。
3-日曜日
朝起きて窓から外を見ようとしたら、部屋の窓と網戸の間に1.5cmぐらいの虫が出現していることに気づいた。
無視を追い払うためには窓を開けないといけないが、窓を開けると虫が内部に入ってくる恐れがあるので
うかつに開けられない。仕方ないので虫が去るのを待つことにした。
だが、午後になっても虫はその位置から全く動かなかった。死んでるのかと思いちょっとだけ窓を動かしてみると虫は移動をしようとしてきたので慌てて窓を閉めた。
この虫、いったい何が目的なんだ。
3-月曜日
朝、電車の中から外の景色を見ていたら、民家のベランダにネコのようなものが見えた。
ちらっとしか見えなかったのでネコかどうか確証が持てなかった。
幸い時間に余裕もあったので1駅引き返してもう一度見てみた。
見逃さないように集中して窓の外を観察すると、今度はハッキリと姿を認識することができた。
間違いなくオレンジと黒と白の三毛猫だ。
だからなんなんだ。
3-火曜日
10年以上使い続けている包丁の切れ味が最近悪い。白ネギがうまく切れずに最後の1皮ぐらいが残り、
そこをすり潰す形になるため、タマネギを切る時ほどではないが、涙がでる。
買い替え時な気もするが、刃物を買うとなると店員に色々と問い詰められ、挙句高額なものを買わされるのが分かり切っている。
仕方ないので料理バサミで代用してみた。
なんとなく予想出来てはいたが、ハサミは包丁よりもさらに切れ味が悪く、より多くの繊維をすりつぶし、タマネギを切る時と同等ぐらいの涙が出てきた。
3-水曜日
お釣りの10円の側面がギザギザだった。結構集めている人がいると聞いたことがあるので
二度と目にする機会が無いかもしれないと思い手元に残すことにした。
ハンドソープを使い、手よりも丁寧に洗い保管することにした。
ギザ10を集めてはいないけどコレクションはしている。
何を言っているか分からないと思うが、自分でもよく分からない。
3-木曜日
電柱に「伊達正宗 黄泉の国より見参」と書いてあった。
一瞬、戦国時代の英雄かと思ったが、漢字が違うので似た名前の別人だろう。
3-金曜日
歩道橋の欄干にとまっていたカラスと近い距離で目が合った。
鋭く大きなクチバシで攻撃されないかとヒヤヒヤしたが、落ち着いて後退し何事もなくその場を離れることができた。
結局歩道橋を迂回して遠くの横断歩道を渡ることになった。
3-土曜日
深夜、若者と思しき集団が騒いでいて眠れなかった。
注意するのは危険だし、かといって無理やり寝るにはうるさすぎるので、
仕方なくカーテンの隙間から集団を観察することにした。
酒を飲んで騒いでいる集団から少し外れたところに、集団を見ながらただ座っている奴が一人いることに気づいた。
おそらくパリピ集団に誘われてここまで来たが、まったくなじめていない、といった所であろう。
奴の気持ちは痛いほどよく分かる。
おそらく、帰ることを言い出す勇気もなく、混じることも出来ないのでただ時間が経つのを待つしかないという
地獄の苦しみを味わっているはずだ。
ぼっちに免じて今日の所は我慢して彼らを許すことにした。