表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/12

お買い物デート……もしくは武器の買い出し

「ゆう坊、そろそろ起きようか」


頭の上からユキちゃんの声がする。

僕が顔をユキちゃんのおっぱいにうずめているせいだね。


起きるのやだな、ずっとこのままが良い。

ユキちゃんのおっぱいに顔を擦り付けてこのままが良いってアピールをしてみる。


「もう、ゆう坊ったら、本当におっぱいが好きなんだから!」


ユキちゃんの顔、少し赤いかな?


「違うよ、ユキちゃんのおっぱいが好きなんだよ」


ユキちゃんおっぱいが好き。

両手で左のおっぱいを包み込んでその柔らかな感触を堪能しながら、頂きにある魅惑的な桜色の蕾を甘噛みしてその思いをユキちゃんに伝える。


「ひゃん、もうゆう坊ったら、翔子のおっぱいにもこんなエッチなことをしたのかしら?」


なんで、ここで翔子ちゃんが出てくるのかなあ?


「もう、ユキちゃんたら意地悪は言わないの」


「うふふふ、ごめんねえ〜。

でも翔子ととっても楽しそうにお風呂に入ってたじゃない。

ちょっと、ううん、とっても羨ましかったのよ」


「ええっ、あれって僕のせいじゃないよね??」


「そうよね、でも羨ましかったのよ、わかるでしょう??」


ちょっと、なにそのアピール。

ユキちゃん可愛過ぎでしょう!


「う〜ん……

じゃ、じゃあ今度はユキちゃんとお風呂に入りたいな」


ユキちゃんが僕に天使のような笑顔を見せてくれる。

正しい答えを言えたみたいだね。


「ゆう君、約束だからね!

うん、とっても楽しみ」


あれ、ゆう君って?


「ねえ、僕のことゆう君って!」


「そうね、もうゆう坊じゃないもの。

ほら、起きましょう」


「そうだね、学校に遅れちゃうね」


「いいえ、今日は学校は無しよ。

時計を見てごらんなさいな」


時計??

うわっ、とっくに授業は始まってるよ。


「心配しなくても平気よ。

ゆう君は病気で欠席しますって亜美がちゃんと担任の先生に連絡したもの」


「じゃあ、姉ちゃんも家にまだいるの?」


「亜美もミキも翔子も学校に行ったわよ。

ずる休みは私とゆう君だけ。

ねえ、だから今日はゆう君と私でデートをしましょうよ。

私、ゆう君に服を選んであげたいの」


ユキちゃんとデートか。

でも僕はあんまり自分の服とかに興味はないんだよね。


「ユキちゃん、服なんだけど。

この間、姉ちゃんに買ってもらったばかりなんだ。

だから、新しい服とか勿体ないかも」


「ダメよ、ゆう君は坊やから男の子に変わったの。

だから服も変えないとダメなのよ」


坊やから男の子か?

よく分からないけどね。

でも、どっちにしても買い物にはいかないとね。

寝るたびに殺されるのは嫌だもん。

だから武器と防具になるものが必要なんだ。


「分かった、じゃあショッピングモールに行きたいな。

僕も買いたいものがあるんだ」


「ショッピングモールね。

うん決まり、これからお買い物デートよ!」


★★★★★


「ねえ最初は3Fに行きたいお店があるの。

そこならゆうくんに似合う服があると思うのよ」


前を歩いていたユキちゃんがクルって回って僕を見る。

膝上のフレアスカートがふわっと一瞬浮き上がってユキちゃんの太ももが露わになる。


「もう、どこ見てるのよ」


見せてるくせに。


「ユキちゃんこそ、少しは周りを気にしてよ。

僕以外のエッチな視線がユキちゃんを見つめてるよ!」


そうでなくても春物の薄手のニットのトップスで体のシルエットが強調されてるんだ。

歩くたびにユキちゃんのおっぱいがたわんと揺れて男の目を惹きつけてるのにさ。


「あら、彼女は魅惑的な方が素敵でしょう」


彼女、ユキちゃんって僕の彼女なの??


「ほら、あそこのエスカレーターで上がるわよ」


ユキちゃんが僕の手を握って歩き出す。

そうだよね、デートだもんね。


それからしばらく僕は着せ替え人形になってユキちゃんに遊ばれる。

いろんな服をとっかえひっかえ試着してはユキちゃんに見てもらう。


「やっっぱり、男っぽい感じがいいわよね。

でもゴッツイ雰囲気は違うのよね。

洗練された大人の雰囲気が欲しいかな?

Iライン、それともYラインかしら?

う〜ん、迷うわね」


ユキちゃんが僕の試着姿を見てつぶやいてる。


そして買ったのは、トップスは白のシャツに春物のブルゾン、ボトムは黒のスキニーパンツだ。

買った服をそのまま着てお店を出る。

こんなに脚にピッタリするズボンは初めてなのでちょっと恥ずかしいかな。


「うん、似合ってるよ。

ゆう君の格好良さが2割ましだよ」


ユキちゃんは嬉しそうに言うと腕を組んでくる。

ユキちゃんと腕を組んでも見劣りしない男になれたかな?


「ゆう君、お腹が空いたよね。

ランチにしようよ。

いいお店があるんだよ」


ユキちゃんの連れて行かれたのはオープンテラス席があるお店。

ビル内の空中庭園と一体になったそこは座っているだけで注目される場所。

人の視線は気になるけど、ユキちゃんと一緒だと誇らしい気分でもある。


だって、ユキちゃんはめちゃお洒落でめちゃ可愛いからね。

ああ、僕は見なくて良いからね。


「ねえ、ねえ、ゆう君?

あそこの二人組って絶対にゆう君を見てるよね」


ユキちゃんの目線の先には高校の制服をオシャレに着崩したお姉さんたちがいる。

君たち、学校はどうしたの、胸元やばいよ。

僕は自分達のことを棚に上げて考えてしまう。

それに僕を見てるって無いよね?


「見てるのはユキちゃんでしょう。

ユキちゃんなら女の子にも注目されるよね」


あれ、ユキちゃんが呆れ顔だ。


「ゆう君、今のゆう君はカッコイイんだから。

ちゃんと自覚しないとダメなんだよ。

それでね、声をかけてくる子も増えるけど、相手にしちゃダメなんだからね」


ユキちゃんがちょっと怖い。

そんな心配はいらないと思うんだけどね。


それにオシャレタイムはお仕舞いだし。

ここからは男の時間、バトル用品をゲットだぜ。


「やっぱりゆう君はカッコイイな。

可愛いゆう君も良かったけど、ちょっと凄みのある表情をするゆうくんはもっと良いよ」


凄み、僕に??


「もう、ゆう君は本当に自覚が無いよね。

私ね、兄貴に付き合わされて総合格闘技の試合とかテレビで見るんだけど、今のゆう君は総合格闘技の選手と同じ凄みを感じるよ」


凄みねえ、死にたく無いだけなんだけど。

まあ、戦う顔をしてるってことだよね。


「ユキちゃん、僕、本当はまだ怖いんだよ。

でもね、寝ないわけにはいかないじゃん。

寝たらまた異世界に飛ばされるんだ。

だからね、戦うよ。

怖くて、怖くて、震えて、逃げ出したかったけど。

ユキちゃんが僕を救ってくれたから、僕は戦えるんだ」


だから僕はホームセンターで戦う武器を手に入れる。

メインウエポンは1.5Mはあるバール、鉄の棒だ。


昨日までの僕じゃあ持つだけでも大変、重いんだもの。

でも今の僕ならこれを竹刀のように扱える。

撲殺、あのウサギを撲殺してやるんだ!


そして防刃手袋、防刃ベスト、ポリカーボネイトの盾。

この三点は普通ならホームセンターなんかじゃ売ってないんだけど防犯のフェアーでたまたま売ってたんだ。

通販なら買えるけど今晩には間に合わないから助かったよ。


後はレガースに安全靴、防具じゃないけど無いよりはマシだよね。

安全靴のつま先に入った鉄板なら凶器にもなるしね。


それ以外には怪我をした時用の救急セット、こんなものかな。


結構な荷物だけど人目の無いところで収納庫にしまえるので問題無しだ。


あとお弁当に飲み水、これも買い込んだよ。


さあ、準備はととのった。

昨日は僕が死んだけど今日はウサギの命日にしてやる。


「ゆう君が男の顔してる、ステキ」


あれ、ユキちゃんの一言で吐きそうなほど猛っていた気持ちが落ち着いてくる。

平常心、平常心だね。

自分を見失ったらまたウサギに殺されるからね。


ありがとうユキちゃん、僕の女神様!

どんとこい、異世界!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ