最初の覚醒
ユキちゃんのおっぱいにむしゃぶりついてモニュモニュと唇を動かす。
ユキちゃんのおっぱいが僕に安心感を与えてくれるんだ。
「ユキちゃん、ユキちゃんのおっぱいは凄いんだよ。
凄く、凄く、凄いんだ。
だって、僕の中にあった死の恐怖を吹きはらってくれたんだよ。
怖くて言葉も出なくて体は震え続けてたのに。
ユキちゃんのおっぱいの癒しで全部なくなったよ」
ユキちゃんに僕は救われたんだ。
だから僕はユキちゃんに一生懸命に感謝の言葉を伝えるんだ。
「そう、ゆう坊は死ぬほど怖い思いをしたんだね」
「違うよ、僕は死んだんだよ」
ゆう坊が死んだ?
なんでそんな冗談を言うのかな?
でもゆう坊の目は真剣だ。
なら、私はゆう坊の言うことを信じよう。
「ゆう坊はなんで死んじゃったの?」
「大きなウサギに殺されたんだ。
そいつはウサギのくせに頭に尖った角を付けてるんだよ。
凄い勢いで走ってきてその角を突き刺してくるんだ。
僕はそのウサギにお腹と背中を突き刺されて、いっぱい血が噴き出して死んじゃったんだ」
「大きな角の付いたウサギ?
ユキは見た事ないかな」
ユキちゃんが不思議そうに呟く。
「当たり前だよ、異世界の生き物だからね」
「キャッ、痛い」
ウサギに殺された恐怖を思い出した僕は体が震えて咥えていたユキちゃんの乳首を噛んじゃった。
「わっ、ユキちゃんゴメンなさい。
痛かったよね?」
「ちょっとね、ちょっとだけだから。
ゆう坊が悲しむほどは痛くなかったよ」
「本当に痛くないの?
でも、ゴメンなさい」
「もう、謝らないの。
それでゆう坊はなんで異世界に行っちゃったの」
ユキちゃんは僕の言葉を信じてくれる。
普通の人なら異世界に行ったとか言ったら嘘つきって言うと思うんだけどな。
「昨日話した女神のせいだよ。
パートタイム勇者ってなんだよって思ってたんだけど
僕は寝ると異世界に飛ばられちゃうみたいなんだ」
「そこでウサギに殺されたんだ」
「そうだよ、寝たときの姿で異世界に放り出されたんだよ、
パジャマ姿だよ。
そんなの死ぬしかないよね。
女神様って僕のことをパートタイム勇者に任命した癖に、僕を殺したいのかな?」
本当に最悪だった。
勇者の装備とか、使えないものしか持たせないで異世界に送り出すとか。
やっぱり、死ねって感じだよね。
「そうなんだ、でも少し変よね?
相手は女神様でしょう。
ゆう坊なんか簡単に殺せる存在じゃない。
わざわざ勇者にして異世界に放り込んで異世界の生き物に殺させるとか、そんな面倒なことをわざわざするかしら?」
確かに、言われてみればそんな気はする。
「でも、実際に僕はウサギに殺されたんだよ。
ちゃんと勇者の装備が使えればきっと死ななくてよかったのに」
「それはそうよね。
パジャマ姿で何の戦いの道具も無く、弱肉強食みたいなところに放り出されれば死んじゃうわね」
やっぱりユキちゃんでもそう思うよね。
いや、ちょっと待て。
僕は頭の中でステータスウインドウって唱えてみる。
そして現れるステータスウインドウ。
そうだよ、ここに僕の力が表示されている。
でもならなんで僕は弱いままだったんだろう?
僕はウインドウに表示されている『身体強化 1』をじっと見つめる。
そして気付いたんだ。
その文字がグレーアウトしてることに。
もしかして?
僕は心の中で身体強化を使うぞって念じてみる。
やっぱりだ。
文字が黒に変わって僕は身体中に力がみなぎるのを感じる。
「ユキちゃん、僕わかったよ」
ゆう坊が何かに気づいたみたい。
でも、それ以上にゆう坊の言葉の力強さに圧倒される
さっきまでの、私のおっぱいにすがるようなゆう坊とは別人の雰囲気だ。
「そうか、分かったのね。
「そうだよ、僕は勘違いしてたんだ。
女神様は僕にちゃんとウサギを倒せる力を与えてくれてたんだ。
なのに僕はその力に気づけずに使えなかったんだよ」
そう、そのゆう坊の雰囲気が変わったのはそのせいかしら?
「もしかして今はその力が使えてるのかしら?」
「へええ、ユキちゃんにはわかるんだ。
そうだよ、今は使ってるよ」
そっか、私にすがりつく可愛らしいゆう坊はいなくなっちゃったのね。
代わりにいるのは力強さを感じさせる男の子だ。
「ゆう坊、ゆう坊の顔が見たいの、顔を上げてくれるかな」
「すごい、僕もユキちゃんの顔をよく見たいと思ってたんだ」
やった〜、ユキちゃんが僕と同じことを思ってたんだ。
実は身体強化を使いだしてからユキちゃんにドキドキしてる。
だからユキちゃんの顔を見つめたかったんだ。
そして僕はユキちゃんを見つめる。
ああ〜、やっぱり、ユキちゃんの顔はとっても可愛いよ。
そしてユキちゃんを見つめているといつの間にか僕の視線はユキちゃんの唇ばかりを追いかけ始める。
ユキちゃんのピンクの唇。
その唇をずっと見つめているとユキちゃんの顔が保護者の顔から女の子の顔に変わる。
「ゆう坊ったら、さっきからどこを見つめてるの?
そんなに見つめられたら……」
ユキちゃんの言葉は途中で途切れ、その唇から吐息が漏れる
ゾクっ
僕の体がユキちゃんの吐息で震える。
ユキちゃんが吐息を奏でた唇に触れたい、僕はそう思ってしまう。
でも、どうすればいいんだろう?
ゆう坊ったらあんなに情熱的なまで私の唇を見つめて
そんな目で見つめられたら私だって……
でもゆう坊は湧き上がる感情をどう私にぶつけるかは判らないみたいね。
だから私が教えてあげるわ。
私はゆっくりとゆう坊に顔を近づけるとゆう坊の唇に私の唇を重ねる。
きゃっ、ゆう坊の唇に触れてる!
これがゆう坊の感触なんだ。
私の唇にゆう坊の唇の柔らかさが伝わって来る。
その感触が私を狂わせる。
ニュル
私の舌がゆう坊の唇を割り開いてゆう坊の中へと入って行く、
そして私の舌とゆう坊の舌が絡み合う。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ
ゆう坊の柔らかな舌の感触が私をとろけさせる。
私のおっぱいがゆう坊の手で握りしめられる、男の手だ。
私のおっぱいを奪い取る男の手だ。
ジュン
下半身が熱い、私の中の女が目覚めている。
強い男に憧れる女のサガだ。
ちゅぽん
ゆう坊とのキスが終わる。
「ユキちゃん、僕わかったよ。
僕はちゃんと強くなれる。
今度はウサギなんかに負けないよ」
なんで??
やっぱり不思議。
私を見つめるゆう坊はやっぱり別人みたい。
ちょっと前までは私のおっぱいにすがっていた幼児みたいなゆう坊が消えて、今は私の前に一人前の男の子がいる。
そう、私はゆう坊を男として見始めてるんだ。
「ええ、ゆう坊は強いもの。
ウサギなんかに負けるはずないわよ」
そして私はキスをする。
ゆう坊を魅了するために。
嘘、違う、魅了されたのは私だ。
でも、そんなのはどうでもいいや。
だって私はゆう坊とキスをしたいんだもの。
だって今のゆう坊はもう坊やじゃないから
私を魅了する強い男の子だから!