始まりの日
学校に通い始めて一箇月、ようやく学校にも馴染んできたある日。
僕はその日も普通に授業を受けて、普通に学校を下校をしたんだ。
少し普通で無いとしたら下校の途中でスーパーに寄って食材を大量に買い込んだ事ぐらいだろう。
なんで、食材を僕が大量に買い込むのか?
発端は父さんが会社から辞令を貰ってアフリカの某国に異動になった時、母さんが父さんに付いて行くことを選んだせいだ。
結果として我が家は姉さんと僕の2人暮らし。
そんな我が家の状況を知った姉さんの友達が取った行動は我が家に入り浸る事。
まあ、当然の流れだよね。
しかも当たり前のように家でご飯は食べるし泊まってゆくんだ。
だから大量の食材が必要なんだよ!
そして姉さんも姉さんの友達も家事なんかしてくれないから僕が大量の食材を買って家まで運ぶしかないんだ。
それに大変なのは食事だけじゃない。
洗濯、掃除と家事に関わる一通りの事を僕がひとりでやってるんだよ。
酷いだろう。
でも、僕は姉さんには敵わない。
だから、仕方ないって諦めてるんだ。
☆☆☆☆☆☆☆
やっと家に着いたよ。
重たい思いをしながら買って帰った食材を冷蔵庫に仕舞うとほっと一息が付ける。
制服を脱いで楽な格好にもなれるね。
でも疲れたし喉が渇いたから着替える前に冷蔵庫から冷たい飲み物を取り出そうかな。
いや、少し汗ばんでいて気持ちが悪いから、何か飲む前に着替えついでにシャワーを浴びる事にしたよ。
だから僕はお風呂場に向かう。
リビングとつながる廊下の先のドアを開ければお風呂場なんだ。
さて、姉と二人暮らしの環境でお風呂場のドアを開けるとするよね。
お決まりのイベントはお風呂に入ろうとして服を脱いでいる姉に脱衣所で出くわすってやつだ。
そうならないようにちゃんと『姉ちゃんいないよね』って声を掛けて返事がないことを確認してからドアを開けたよ。
だから姉ちゃんはいなかった。
でもそこに裸のJKがいる。
えっ、なんで?
驚く僕。
でも裸のJKは平然としている。
「なに、ゆう坊ったら覗き、それにしては堂々としてるわね」
裸のJKはユキちゃんで僕の姉ちゃんの友達だ。
「覗きなんかじゃない、シャワーを浴びにきたんだよ。
それにドアを開ける前にチャンと声を掛けたよね。
なんで何も言わないのさ」
「それは私がゆう坊のお姉さんじゃないからよ」
「なに、その屁理屈!
それになんでユキちゃんがここに裸でいるんだよ」
「それは、私がシャワーを浴び終えて身体を拭いているからよ」
いや、そう言う話じゃないんだけど。
「ゆう坊もシャワーを浴びるんでしょう?
そうよね、今日は少し暑かったから汗ばんだものね」
ユキちゃんは僕に見られているにも関わらず体をバスタオルで拭き続けている。
そして僕はそんなユキちゃんから目が離せない。
わっ、ユキちゃんのおっぱいがポニョって揺れたよ。
ユキちゃんが下乳を拭いたせいで持ち上がったおっぱいが重力で元の位置に引き戻されたせいだね。
「ゆう坊はまだおっぱいが恋しいのかな?」
僕の目がユキちゃんのおっぱいに釘付けなのがバレバレみたいだ。
だったら恥ずかしがれば良いのに、ユキちゃんは僕におっぱいを見せて楽しんでるみたいだ。
「私のおっぱいをしゃぶってもいいわよ。
乳は出ないけどね。」
ぷるんぷるんと揺れるおっぱいが僕に近づいてきて、
僕の眼の前がユキちゃんのおっぱいでいっぱいになる。
ツンと上向いたおっぱいの頂きに有る桜色の乳首に目が引き寄せられる。
本当にユキちゃんのおっぱいにむしゃぶり付きたくなるよ。
「うふふふ、ゆう坊も男の子だね。
やっぱりおっぱいが好きなんだ」
ユキちゃんには僕の気持ちなんか丸分かりなんだ。
うわっ、僕の顔がユキちゃんのおっぱいに埋まる。
柔らかなおっぱいの感触と女の子のいい匂いに僕は包まれる。
いつの間にかユキちゃんの手が僕の頭の後ろに回っていて僕の頭は抱きしめられている。
「亜美じゃあこの感触は味わえないでしょう」
亜美、姉ちゃんはスレンダー系の美人さんだからおっぱいは控えめなんだよ。
「ユキちゃん離してよ、恥ずかしいよ」
「ゆう坊は男らしくないな。
恥ずかしいのは男のゆう坊に裸を見られた私だよ」
ユキちゃんが、笑いながらそう言うと僕から離れる。
おっぱいが離れてゆくのをチョットだけ残念に思ったのは内緒だよ。
そしてユキちゃんは拭き終わった身体に下着を纏うと、また少しの間僕を抱きしめてくれる。
「ゆう坊、今度はちゃんとおっぱいを吸いなよ」
僕の耳元でそう言ってから、ユキちゃんは脱衣所から出て行った。
脱衣所のドアが閉まりユキちゃんが僕の視界から消えた。
これは事故、偶然なんだ。
僕は自分に言い聞かせる。
頭の中に残るユキちゃんの裸をなんとか追い出して、当初の目的通りにシャワーを浴びることにする。
☆☆☆☆☆
シャワーを浴びて着替えも終わりリビングに行くと4人のJKがくつろいでいた。
いつの間に増えたんだろう?
「ゆう坊、ユキの裸を見たんだって」
ユキちゃん、姉ちゃんに話したんだ。
ビックリしてユキちゃんを見ると僅かに微笑んでいるのが分かる。
なんか楽しんでるよね。
ユキちゃんの口の軽さに一瞬はムッとしたけど下手に隠すよりは良いのかな?
でも聞いたからって早速からかってくる姉ちゃんは酷いと思う。
だから僕は姉ちゃんを無視して夕飯の支度に台所へと向かう。
「ゆう坊、食事は五人でお願いね」
そうか、ユキちゃん以外の二人も家で夕飯を食べるんだ。
食材を多めに買っておいてよかったよ。
☆☆☆☆☆
五人前の夕食を作り、姉ちゃん達と夕食を食べ、五人前の洗いものをする。
それから、姉ちゃん達におもちゃにされながら宿題を終える。
JKが四人もいるから少しは宿題で助けてもらえると嬉しいんだけど、四人とも戦力外だったのはいつものことだ。
残念、JK'sだね。
宿題をリビングで終えた僕は眠くなったので自分の部屋に戻り、布団に潜り込む。
一階のリビングで遊んでる姉ちゃん達の声は僕の部屋までは届かない。
だから、ゆっくりと眠れるんだ。
望んだひとりの時間だ、ラッキー...
☆☆☆☆☆
「勇介様、なにとぞ私の願いをお聞きください」
のんびり眠れると思ったんだけどなあ〜
夢の中で僕はなぜか女神さまから異世界に行くようにせがまれている。
女神さまが言うには僕はとってもラッキーなんだってさ。
なんたって、異世界に行けるのは選ばれた一握りの人だけらしいから。
だから喜んで異世界に行きなさいって?
訳が分からないよね。
普通、行かないって。
そしたら、こんなに特権があるんだよって女神様の説得が始まった。
成長加速で直ぐに強くなるんだって。
収納庫っていう便利なものもあるんだって。
魔法も使える様になるって。
剣術とかの戦うスキルのもらえるんだって。
でも断る!
僕は姉ちゃんと2人暮らしだ。
だから、姉ちゃんを置いて異世界に行くわけにはいかないんだ。
でも、そこを何とかって女神さまが言うんだ。
「ごめんなさい、なんともならないんです」
僕は女神さまに断り続ける。
だって、姉ちゃんが好きだから離れたくないよ。
それに姉ちゃんが心配でほっとけないし。
僕は姉ちゃんと会えなくなることを考えたら胸が裂けそうな悲しみに襲われて涙目になってしまう。
そんな僕の悲し気な顔に女神さまも考えを変えてくれたみたい。
「勇介様の願いはわかりました」
女神様はやっと僕の想いを理解してくれたみたいだ。
「勇介様には勇者として異世界に赴いて、異世界を救っていただきたかったのですが、この世界にも未練があるのですね。
判りました、勇介様をパートタイム勇者に任命致します。
それなら勇介様はお姉さまと暮らしながら勇者として異世界を救うこともできますわ」
女神さまはそう言ってどや顔をしている。
僕には女神様が何を言っているか良く判らないのに!
だから僕は宣言するよ。
「僕は姉ちゃんの所に帰る、誰が何と言っても帰るから」
「あっ、ちょっと、ダメ、お待ちください」
女神さまは焦ってる。
「逃げなくても、お姉さまとの間を引き裂いたりは致しません。
だから話をお聞きください」
女神様は何か一生懸命に言っている。
でも、僕の知った所じゃない。
だって僕は帰るんだから。
そう強く願ったら僕は目が覚めた。
そしてシミの位置まで良く知っている天井を見上げている。
隣りにはよく知った人が寝ている、姉ちゃんだ。
いつもの様に僕を抱き枕にして寝てるんだ。
抱き枕にされるのは嫌いじゃない。
だって、姉ちゃんの温かなぬくもりに包まれるからね。
姉ちゃんの控えめなおっぱいの感触も感じられるしね。
そして、お腹にはユキちゃんの生脚が乗っている。
ユキちゃんのネグリジェの裾がはだけたせいで脚がむき出しなんだ。
それどころかピンクのパンティーまで見えてるよ。
こんな姉ちゃんとその友達のせいで僕の中のJKへの憧れはどこかへ行ってしまう。
それでも、ここは我が家だ!
異世界じゃない。
僕は勇者になんかなりたくないし、魔物と戦うなんて怖いこともしたくない。
ビバ、日常!
だから僕は姉ちゃんの腕から抜け出し、ユキちゃんの脚をどけて起き上がるり、朝食を作りに台所に向かうことにする。
僕がこの日常を失わないためにね。