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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第7章 再びアントラニア王国編
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第79話 パラストア空港

『やっぱり・・・にゃ』

ネオたちが、街道まで戻ってくると、ヒャッケラキアの死体に多くの人が集まっていた。メストから騎士たちが派遣されてきたらしい。


ネオたちは、ヒャッケラキアに群がる人達に見つからないように、草原を北に移動していった。時たま現れるゴブリンを殴り倒し、偶然通りかかった角ウサギを素手で捕まえながら・・・。


『以外と簡単に捕まえられますねえ~♪』

以外なことにメリアが上手に角ウサギを仕留めていた。すでに5匹である。血抜きは後回しにして、とりあえずネオのアイテムボックスに収納していく。


『私にだって!!』

シャールカがメリアに刺激されて対抗心むき出しで角ウサギを仕留めている。こちらは3匹捕まえていた。

(にゃにか目的が違ってにゃいか・・・)

角ウサギ捕獲大会をしながら、北上していた。


・・・


結局、だいぶ寄り道したこともあって、メストから60km離れた村の宿に泊まることにした。バレないように。3人ともバラバラに宿に入って、別々の部屋に泊まった。


『大丈夫そうですね』

誰も見ていないのを確認して、ネオのいる部屋にシャールカとメリアがやってきた。

結局、20匹の角ウサギを仕留めこともあり、アイテムボックスの貯肉は十分であった。

『オークでもいればにゃ・・・』

角ウサギでは、1匹あたりの可食部が少ないことを気にしているネオであった。


『なあ・・・次はもう少しでいいから、いい宿に泊まらないか?』

シャールカには安宿は堪えたらしい。ネオたちは冒険者の宿に泊まる必要など全くないほどお金持ちのはずなのだが、この村には1軒しか宿がなかった。この宿も銀貨5枚/人の冒険者や商人用の宿であった。



・・・


翌朝、早々に宿を出発する。念のため1人づつ宿を出ようとすると、宿のおかみさんらしき人が、親切にパンを渡してくれた。

『あんたらは気が付かなかったようだけど、何やら騎士さんたちが3人組の冒険者を探していたよ。知らないって言っておいたけどね』

そう言って腕を腰に付けて反って見せた。宿の人にはバレバレであった。


『ありがとうにゃ』

ネオはそういって、宿を出るのだった。


・・・


その後も、騎士が現れると草原に隠れながら急いて移動し、ブジェを通過した。

そして、街道の右に滑走路が見えてきたところで、


『パラストアが・・・』

シャールカがその場に座り込んでしまった。よく見ると、メリアが言ったとおり、滑走路の東側は大きく窪んでいる。管制塔のすぐ脇が崖になっているのが見えた。シャールカの様子から見て、あの窪んだところにパラストアがあったらしい。


『シャールカ?大丈夫かにゃ?』

ネオが訪ねるも返事がない。よほどショックだったらしい。

(こりゃ、どこかで一泊するしかにゃいか・・・)

アミアの街に入れば、見つかるのはほぼ間違いなかった。もう1つの瘴気発生装置を見つけるまでは、王国の監視が付くわけにはいかないと思ったネオは、


『アミアのダンジョンに行くのにゃ』

そう言って、シャールカを無理やり担ぎ、森の中に入っていった。


・・・


『前と同じですね』

メリアがいう。前回来た時と全く同じ、草原が広がっていた。ネオは黙って頷いた。正直にいうと、シャールカが重くてどうにかしたかったのだが、どういう訳か未だ放心状態であった。


『建物もちゃんとありますね』

メリアが建物を指さす。


『さすがに新人の神様はいにゃいと思うがにゃ』

そういった直後、予定どおりというべきか、大量のゴブリンが3人を取り囲んだ。


『面倒だにゃ。後ろのは倒すから、前の方を頼むにゃ』

そう言って建物に背を向けたネオは


『ホーリーウインド』

最大パワーで風の刃を出した。三日月の刃は大きく広がりながら、ゴブリンたちを切り裂いていった。一方、メリアは、ダンジョンに入る手前で拾った木の枝を振り回し、次々とゴブリンを倒していく。


 5分後、3人の周辺は、ゴブリンの魔石でいっぱいになった。せっかくなのでとメリアが全て回収していく。ネオは、シャールカを担いで建物の前まできた。

(そうにゃった。メリアの鍵がないと入れにゃいのだ)

魔石を回収し終わったメリアに扉を開けてもらい、ようやく中に入ることができたネオであった。


・・・


『神様の像はないですね』

メリアが少し残念そうである。

(あんにゃのの何かいいのにゃ)

ネオはその様子が気に入らなかったが、とにかくシャールカをどうにかしようと建物の中を確認すると、奥の部屋に、ベットが3つ並んでいた。


『何故か厨房があります』

メリアが驚きの声を上げている。リビングにソファーとテーブルまであった。

(ここで暮らせるにゃ)


シャールカをベットに寝かした後、

『飯でも作ろうにゃ』

そう言って、アイテムボックスから食材を取り出し始めた。


・・・


『心配させてすまなかった・・・って、ここはどこだ!』

ネオとメリアが作り始めた食事が完成する直前。シャールカが起きた。様子を見に行ったネオとメリアに謝罪するシャールカだったが、デコルのダンジョンのようなところであることに気が付いたのであった。


『アミアのダンジョンにゃ』

『シャールカさんは来たことがあったはずですよね』

ネオとメリアに言われて、慌てて周囲を見渡すシャールカ。建物の外に出て、建物と周囲の光景を見て、


『私の知っているアミアのダンジョンにこんな所はない』

と驚いている。


『1Fにある建物にゃ』

ネオにそう言われて、外から建物を見て納得したらしい。


『どうやらそうみたいだが・・・』

周辺の光景が納得いかないらしい。


『新人の神様が模様替えしたのにゃ』

『もようがえ?』

そのとき、シャールカに1匹のゴブリンが襲ってきた。咄嗟に出した右手のパンチがゴブリンの腹に命中。ゴブリンはあっけなく、魔石を残して消えた。


『ほら。ゴブリンが出るから、早く入って!!』

メリアにせかされて、シャールカは建物に戻った。


・・・


『まずは、腹いっぱい食うのにゃ』

ネオたちが用意したのは、野菜と干し肉が入ったスープ。以前、ネオが大量に買ったままだった“あじの干物”に角ウサギのステーキ。パンであった。これでも、昨日の宿よりは豪華な食事である。シャールカも何か吹っ切れたのか、ものすごい勢いで食べている。食材は沢山あったので、不足することはなかった。


・・・


結局、ここで1泊(気が済むまで寝た)後、パンと干し肉で食事をしてから、ダンジョンを出た。1階の建物以外に用がなかったからである。ちなみに、帰りもゴブリン300匹のお出迎えを受け、大量の魔石を土産にダンジョンをあとにしたのだった。


・・・


『もう大丈夫だ』

シャールカが自分に言い聞かせていた。

森を抜け、滑走路の端に3人は来ていた。目の前の舗装には“36”と書いてある。どうやら真北の方角らしい。滑走路の右には少し広いスペースがあって、その先に管制塔が立っている。さらによく見ると、その下には3階建ての建物があった。崖は、この建物の端から崩れており、他に建物は存在しない。


『あれは、ターミナルビルだ』

シャールカの説明によると、あの建物には、特別な結界がついていて、更に地下は王宮に繋がっていたという。非常時には、王宮からここに避難してくるようになっていたそうだ。


3人はターミナルビルに近づいていく。

(確か、飛行訓練センターには魔物に反応するシールドがあったにゃ)

シャールカが結界と呼んでいるのは、恐らく飛行訓練センターのシールドと似たようなものであったろうと想像できた。

(だとするとだにゃ・・・)

建物を覆うシールドは存在しなかった。閉じられていた扉を開けて3人が中に入った途端、


『侵入者発見!防衛システム発動!』

館内放送のような声が響いてきた、よく見ると、このホールには、飛行訓練センターで戦ったゴーレムによく似たものが4体いる。

 『襲ってきます!』


『ホーリーボール』

ネオはボールを4体にぶつけた。倒れたところを、メリアとシャールカの剣で関節を破壊していく。あっけなく4体は動かなくなった。メリアが止めとしてゴーレムの頭の中に剣を刺していく・・・。


・・・


ホール中央にある台から、人の形をした何かが出てきた。正確にいうと、台の下からせり上がってきたのであった。


『いらっしゃいませ。パラストア空港へようこそ。私は、案内人ゴーレムです』

((???))

『何じゃそりゃ~』

3人の声が揃った。


『にゃあ。1000年前、ゴーレムに襲われたはずにゃが・・・』

ダメ元でネオがゴーレムに問うと

『はい。ヒャッケラキアの大群が来るというので、空港長の判断で緊急モードに移行しました』

ゴーレムが答えた。

『人々はどうにゃった?』

『緊急モードになると、私は機能を停止する仕組みになっていましたのでわかりません。ですが、地下の避難所に行かれたのではないかと思われます』

『ここから行けるのかにゃ』

『はい。あそこから・・・既に開いてますね』

ゴーレムが指さしたところには、非常口という表示があり、開けっ放しになった扉の先には、下に向かう階段があった。

『行ってみるのにゃ』


・・・


『なあ。なんであのゴーレム出てきたんだ』

階段を降りながらシャールカがしゃべった。


『たぶん、飛行訓練センターと同じ仕組みにゃ。防衛用ゴーレムを破壊したので、防衛システムが解除されたのにゃ』

『そっ・・そっか』

ネオの説明に頷くシャールカ。まさか防衛システムが負けたときも解除されるとは知らなかったらしい。


階段を降りていった先には開けたままの扉があった。


『魔物はいないにゃ。おそらくアンディエットもにゃ』


中に入ると、そこは何もない空間であった。非常用の毛布や食料が入っていたと思われる倉庫は開いたままになっており、何も残っていなかった。


『何か書いてあります』

メリアが壁に何か書いているのを発見した。



=この文字を見たものへ=

魔物の大群に逃げ場を失った我々は、最後の望みを持って、空港の地下に移動した。ここに避難してからしばらくの後、もの凄い音と揺れの後、周辺は静かになった。王宮の様子を見に行ったはずのものがすぐに戻ってきて、途中で道がなくなって、巨大な穴が開いているというので、私以下数名が見に行ったところ、パラストアの街があったはずのあたりが深さ50m以上の巨大な溝になっており、跡形もなくなっていた。信じられない光景だ。

7日間、ここで過ごしたが、食料が尽きたこととから、数名の選抜隊を作って、王宮に繋がっていた通路から、崖を上って地上に出てみると、そこには、魔物が通ったと思われる跡が無数にあるものの、管制棟とターミナルは無事だった。だが、防衛システムが暴走しており、停止できないため、中に入ることが出来ない。我々では、この建物の防衛システムを止めることが出来ない。残念であるが、ここの施設は放棄する決断をした。


パラストア空港長 アルマード・フォン・アントラニア



ネオは書いてある文字を読んだ。見ると、シャールカは必至に涙をこらえている。

『父様は、禁断の魔道具を使われた・・・』

シャールカはつぶやいた。


『王家に伝わる禁断の魔道具・・・瘴気封印装置。大陸の魔物を浄化すると言われるものだったのだが、これの代償としてパラストアが消滅すると言われていた。おそらく瘴気封印装置を使ったのだろう・・・』

『にゃんと!』

シャールカの話が事実であれば、シャールカの父である国王は、この大陸を守るため、自らとパラストアという街を犠牲にして瘴気封印装置を稼働させたということらしい。であれば、魔物がいなくなった理由は解る。

『でも、1000年経って、どうしてまだ出てきたのにゃ?』

空港長の名前    :アルマード・フォン・アントラニア

アントラニア王国国王:アルガソード・フォン・アントラニア

そういうことです。

次回は本日9時の予定です。

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