第77.5話 オスニア王宮(その2)
短いです
『エリー。アントラニア王国から返事は来たか』
ネオたちがクラトを脱出した後、オスニア王宮はアントラニア王国に鳩で書簡を送った。それから一週間が経過している。
『はい。先ほどありました』
そう言ってエリザベートは小さなメモをアストラルに渡した。
メモを見たアストラルは机にメモを置くと
『予想通りだな』
呟いた。
メモには、
一人当たり金貨10枚よこせ。そして同じ数の我が国の兵士を南東の訓練施設を使わせろ。
とあった。鳩に括り付けるメモなので、これ以上は書けなかったらしい。
『早急に使者をアミアに送れ』
アストラルはエリザベートに指示を出すと、1冊の本を取り出した。始祖の日誌である。
(始祖の予測は当たっていた・・・。だが、何かおかしい。1000年も経っているんだ。今頃になってオークが出てきたのは何か変化があったに違いない)
砂漠で、ネオたちが見つけ、破壊した瘴気発生装置の話を思い出していた。ドニアに向かわせた調査隊からは、ドニアの街と飛行場を発見したこと。既に魔物はいなくなっていることの報告を受けていた。瘴気発生装置があったというところは、完全に瓦礫の山になっており、粉々になっているため、何があったのか不明との速報が届いていた。
(さて・・・飛行場が見つかったらしいが・・・飛行機というものをまだ見たことがないな。始祖の時代には飛んでいたらしいが、あれがあれば、アミアにも1日で着くらしい)
訓練施設の入り口も見つかった。兵士の何人かが挑戦したらしいが、1Fすらクリアできず、ゴブリンに殺されると思った瞬間、ダンジョンの入り口に移動していたらしい。命に別状はないらしいが、ネオたちに聞いていたとおりであることが残念だった。
(初回特典か・・・)。
ロディア国にある南西訓練施設で、メリアがクリア出来たのは、再開初回特典があったかららしく、南東訓練施設は使われていなかったものの、1000年間稼働したままだったらしく、初回特典はなかったようだ。
やはり、アントラニア王国にあるという、湖畔のダンジョンでレベル3にしないと不可能らしい。
(シャールカ様がアミアで話をしてくれたら・・・)
魔物の危険は、一旦排除したはずではあるが、不安を隠せないアストラルであった。
そのとき、部屋に兵士が駆け込んできた。
『たっ・・大変です。地下の宝物が光りだしました』
しばらく、唖然としていたアストラルだったが、ようやく思い出した。慌てて、始祖の日誌をめくる。
(あった!)
1020年12月2日
昼過ぎに、2機の飛行機が西に飛んで行くのが確認された。南東管制所の応答もなしに。そのあと、飛翔体が西に飛んで行ったのが確認された。ドニアのからの報告はないらしい。
気になるのは、飛翔体が上空を通過したとき、瘴気に反応する魔道具が光ったことだ。
南東管制所から、魔物が接近してきているので脱出する旨の連絡があった。
確か、瘴気に反応する魔道具は、王宮の地下にあったはず・・・。
『誰か。今からイパラに移動する』
アストラルは、始祖の日誌を手に持って王宮を駆け出した。
日誌の最後の頁には、始祖の遺言が書かれていた。
“瘴気に反応する魔道具が光ったらイーストパラストア要塞に移動して立て籠もれ”
次回は2/12の予定です。




