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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第6章 オスニア国編
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第69話 ドニア

予想以上に出てきた魔物が強かったので、この日は仮眠所に泊まることにした。部屋は5部屋あるので問題ない。ダンジョンから業務用エレベータに入るとき入力するナンバーが解らなかったが、

『私がやってみます』

と妙に自信たっぷりのシャールカが“0314”と入力すると、開いてしまった。

にっこり笑うシャールカ・・・。

『これはお父様の誕生日』

そう言って、中に入っていったシャールカであった。


・・・


翌日、食堂で朝食を食べた後、昨日使った業務用エレベータで地上に降りる。


『今日は、出来るだけ戦闘を避けて街にいくのにゃ』

ネオの言葉に頷くメリアとシャールカ。街にある魔物の強さが解らない以上、出来るだけ力を温存しておく作戦である。


ネオが周囲にいる魔物の様子を確認しながら、避けるようにドニアを目指していく。それでも体長3m以上あるオークを3匹ほど始末した。予想はしていたものの、明らかに異常である。かなり迂回しながらも、街の外れにある飛行場までやってきた。


『滑走路は無事ですね』

『ターミナルビルは壊滅している』

メリアとシャールカが叫んでいる。ネオも滑走路を見渡しているが、どういう訳か、損傷は見当たらず、今でも使えそうだった。対して、建物は全て瓦礫と化しており、原型をとどめていない。シャールカがターミナルビルだったというので、たぶんそうなのだろうというレベルである。


『さて、ここからが本番にゃ』

街に入ると、ハイオークとでも言ったらいいのだろうか?ここに来るまでに遭遇した体長3m以上のものとほぼ同じ体格のオークが、何故か鎧を着て襲ってきた。もちろん、剣と盾を持って・・・。


ネオが

『パラライズ』

で動きを止め、メリアとシャールカが止めを刺していく。魔石だけは回収して次に向かうというのを繰り返し、通りにある1軒の建物に着いた。どういう訳か、この建物は原型をとどめている。入り口には看板があった

 瘴気発生装置研究所

(ここが諸悪の根源かにゃ)

ネオの魔力反応はこの建物の中が飛びぬけて高い。


敷地に入ろうとしたとき、体長5mはあるオーガ20匹が目の前に現れた。


『面倒にゃ!』

と叫んだネオは、


『エリアパラライズ』

ネオはちょっとパワーを上げたパラライズをこの屋敷にかけた。20匹のオーガは全て倒れている。メリアとシャールカはとどめを刺して、魔石を回収していった。


『中に入るにゃ』

ネオは中に入っていった。


ほとんどの魔物は、先ほどのパラライズのせいか倒れていて、ネオの移動の邪魔にはならない。相変わらず、シャールカとメリアは魔石回収に忙しいが、このままアンディエットになってもらっては困るので仕方ないところではある。ネオの魔力反応はこの建物の中央付近に強い反応を示した。


『ここにゃ!』

ネオは、扉をけ蹴破ると、中に入った。そこは、ホールのような広間にも関わらず、黒い液体とも気体ともつかないような異様な塊が存在していた。

(こいつが正体にゃ)


『プリフィケーション』

最大パワーで放ったプリフィケーションは、黒い塊にあたると激しく光だした。


『あれが、装置にゃ』

黒い塊は、光と共に消滅したが、中央に設置された装置からは、何やら黒いものが吹き出してきていた。


『ホーリーウインド』

残っていた力を使って放った三日月の刃は、装置を真っ二つにした。同時に、黒いものも吹き出さなくなった。が、次の瞬間、装置自体は光出した。


『まずいにゃ』

ネオは、誰かに引っ張られる感触を感じた。


・・・


『一人で行っちゃ危ないでしょうが!!』

気が付いたとたん、シャールカが大声で叫んだ。


どうやら、建物の敷地から出たところらしい。建物は完全に瓦礫と化していた。


『まだ、瘴気が残っているからしばらくは危ない。一旦、街から出るぞ!』

シャールカの言葉に黙って頷くネオであった。


滑走路までやってくると、黒い塊は見えなくなった。

『これを飲め!』

シャールカに出された瓶の中身を飲み込むネオ。とっても苦いので吐きそうになる。


『これは魔力ポージョンだ』

『そのようなものがあるのですか』

シャールカの言葉にメリアが驚いて反応する。


『ああ、パラストアの王宮にあるものだ』

『聞いたことがありません』

『1000年前でも貴重なものだったからな。王宮にしかなかった』

パラストアの王宮防衛のために用意されていたもので、パラストア王宮でしか作られていない貴重なものだったらしい。


『よくわからにゃいが、元気になったにゃ』

『そりゃ。魔力が回復したからだな』

ネオの言葉に、当然と言わんばかりに答えるシャールカ。


『ここでこの瓶を使ったのには訳がある。さっきの様子で、お前のプリフィケーションが瘴気に有効であることが判った。この街に残っている瘴気を消してくれ』

『判ったにゃ』

シャールカの言葉に、短く答えたネオは、ドニアの街を範囲として

『エリアプリフィケーション』

を放った。街に漂っている黒い塊が綺麗に消えていく。暗かった街が周囲と同じ明るさになった。


『ちょっと休憩にゃ』

せっかく回復した魔力を使い切ってしまい。ネオはシャールカとメリアに守られながら意識を手放した。


・・・


3時間後、かなり魔力が回復したのか、ネオは起き上がった。


『大丈夫か?』

『大丈夫ですか?』

シャールカとメリアが声を掛ける。


『大丈夫にゃ』

このままドニアの探索をしたいところではあったが、ネオの魔力が万全ではないので、一旦、南東管制所に戻った3人は、ここでもう1泊することにした。

(シャワーとベット、自動で出てくる食事・・・ここは快適♪)

シャールカは、元の生活に近い環境である管制所が気にいったようであった。


・・・


『全快にゃ!!』

ネオは、朝から元気であった。


『魔力が増えてないか?』

気が付いたシャールカが近づいてきていうと、


『なんか、多くなった感じがするのにゃ』

どれくらいかはわからなかったが、実感として増えているのは間違いない状態であった。


『魔力を使い切ってから回復させると、魔力量が増えると王宮の魔導士たちが言ってたのでな・・・』

どうやら、古代文明ではそのような研究もされていたらしい。今のこの世界では聞いたことがない話だった。


『シャールカには魔力はないのかにゃ』

『ほとんどない』

ネオの問いに、うつむきながら答えるシャールカ。


『私は、王族の中でも魔力が少なかった。ファイヤーボールも出せない・・・』

『そうなのか・・・にゃ』

ネオは、聞いてはいけないことを聞いてしまったように感じて、シャールカに対して申し訳なく感じていた。


『にゃが・・・本当かにゃ?』

『どういうことだ!』

ネオは、シャールカの魔力量自体が少ないのは解っていたが、適正が無いのにしては、少しづつ増えている魔力量に疑問を感じていた。


『少しずつ、シャールカの魔力量が増えているのにゃ』

『そんなことがあるはずがない。全ての属性の適正がなかったのだぞ。使ってもいないし・・・』

ネオの言葉に、あり得ないと首を振るシャールカ。


『ちょっと我慢してにゃ』

そういうとネオはシャールカに魔力を流し始めた。驚くシャールカ。シャールカの魔力はすぐに満タンになった。


『ここにヒールをかけてみてにゃ』

シャールカの脚に出来ていた小さな痣を指さしたネオに

(出来る訳ないないだろう)

と思ったシャールカであったが、冗談半分に

『ヒール』

と唱えてみると・・・


『何故、どうして・・・痣が消えた!』

シャールカの痣は消えてしまった。

『やっぱりにゃ』

納得するネオに

『どういうことだ!』

納得いかないシャールカが叫んだ。


『シャールカの魔力属性は特殊なのにゃ。神特性魔法なら使えるらしいにゃ』

『???』

聞いたことがない言葉に首を傾げるシャールカ。

『シャールカは、意識していないのだろうがにゃ。ヒールをわずかに自分に掛けていたのにゃ。だから、少しづつ魔力量が増えていたのにゃ。少ないから実感できるレベルになかったのにゃ』

どや顔のネオにシャールカが訪ねる。


『神特性魔法ってなんだ?』

シャールカが真顔になってネオ方を向いた。


・・・


ネオは、この世界に来た時の話をした。そして、この世界では回復魔法は知られていない魔法だったので、ひょっとして知らないだけなのではないかと思ったらしい。


『つまり、魔力量が増えるように努力すると、ヒールが使えるようになるというのか?』

『そうにゃ』

話を聞いたシャールカは驚きながらも自分の能力に感動していた。ちなみに、メリアには全く魔力はなかった。


『回復魔法は特殊なので秘密にゃ』

『わかった』

ネオの言葉に頷きながら答えるシャールカであった。


・・・


再びドニアの街までやってきた3人は、昨日との違いに驚いていた。

(魔物がいない・・・)

森の中も含め、魔物の気配が消えていた。

(これは、瘴気発生装置を破壊できればいいのではないのかにゃ)

ドニアの街は、損傷が激しく、得るものは何もなかった。再び、南東訓練所に入ってみたところ、何と、出てきた魔物は南西訓練所と同じレベルになっていた。

『普通のゴブリン、スライム、コボルトしかいないにゃ』

『こんなの訓練にもならないぞ』

『練習にもならないし、魔石出なくなりましたね』

シャールカとメリアも不満そうである。南西訓練所と同じく魔石が出なくなっていたからである。

(やはり、瘴気発生装置の影響だろうかにゃ・・・)

当然のことながらレベルアップされることもなく、ダンジョンの入り口に戻ってきた3人は、街に向かって歩き出した。といってもドニアではない。瘴気発生装置の影響で見えなくなっていた旧街道が見えていた。草は生えていたが、両脇にはゴーレムと思われる石が等間隔にあるのが確認できた。

『石に座らないようにしましょうね』

『もうしないにゃ』

メリアに言われムキになって答えるネオに


『まさか、街道のゴーレムと喧嘩したのか?』

シャールカは呆れながらネオを見ていた。

『知らなかったのにゃ!!』

次回は1/13の予定です。

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