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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第5章 インゴニア王国編
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第65話 カシミとカシミロ(その2)

 食堂での食事を無事終えた3人であったが、ネオは1つ確認すべき事項が残っていた。

(ダンジョン入り口の状態を確認しにゃいと・・・)


『一度、地上に降りるにゃ』

ネオがいうと、

『おい。ここは2500mの山の上だぞ』

シャールカが呆れたようにいう。


『大丈夫にゃ』

そういうと、食堂を出て再び周囲を見渡す。


『やっぱりあったにゃ』

見つけたのは業務用エレベータであった。


『なんだこれは?』

シャールカも知らなかったらしい。

地上に降りれるエレベータにゃ。


・・・


『本当に降りてきたな』

業務用エレベータで降りた先はダンジョンの入り口付近であった。

周囲を確認すると、行き止まりになっていた道はそのままダンジョンに繋がっていた。幸い、今の街道からはダンジョンの入り口は見えないので、すぐには見つからないと思われた。


『元の姿になった・・・』

シャールカが呟いている。彼女は、1000年前のこの施設のことを知っているから当然のことであった。


『さて、戻って仮眠所で今日はお休みにゃ』

再びエレベータに乗ろうとして、業務用エレベータに入る扉が開かないことに気がついた。

(そうだったにゃ・・・)

この扉は、特定の番号を入れないと開錠されない仕組みであった。

『どうした』

シャールカはネオが扉の前で唸っているに気がついた。


『キーロックか・・・ここは叔母さん施設だったから・・・0824っと・・・』

シャールカが操作すると扉が開いた。


『知っていたのかにゃ』

驚くネオに、

『叔母の誕生日を入力した』

とシャールカはいうと、破顔して見せた。


・・・


再び、業務用エレベータで戻った3人は、仮眠所に行った。ここも予想通り、南西管制所と同じく、シャワーとベットがある部屋が5部屋あった。


『おっシャワーだ!!』

シャールカは嬉しそうである。南西管制所では気が付かなかったのだが、全自動の洗濯乾燥機もついていた。


『洗濯、洗濯~♪』

シャールカは嬉しそうである。メリアがそっと耳打ちした。


『シャールカさんって替えの服がないのでは?』

元々猫であったネオは、服のことは全く気にしていなかったのである。その辺りは、全てメリアが気を使っており、メリアが預けている荷物の中に、実はネオの着替えも含まれていることを未だ理解していないネオであった。


『カシミロで服を買わにゃいとまずいにゃ』

シャールカの服が必要であることを、ようやく理解したネオであった(どういう訳か、自分の服のことは解っていない・・・)。


・・・


翌朝、食堂で朝食メニューを食べた後、施設の外に出ると、ワイバーンが待っていた。


『やっと来たな。では、カシミに行くぞ』

『頼むにゃ』


3人を乗せたワイバーンは一気に降下し、古代遺跡(旧カシミの街)についた。


『どこに降ろしたらよい』

ワイバーンに聞かれたが、ネオには見当がつかなかった。


『北にある領主館へ』

シャールカが答えた。


『了解。王女様』

ワイバーンはそういうと、街の北にあるひときわ大きい建物の庭に着陸した。


『ここで待ってようか?』

そう言ってくるワイバーンに、


『いや、さっきのところで待っていてほしい』

シャールカが答える、

『わかった』

ワイバーンそういうと、エバ山に向かって飛んで行った。


『これは、私の責任・・・』

シャールカが何か言っている。


『この建物の封印を解除しに行ってきます』

『ついてきてほしいのですが、危険なので私の後ろにいてください』

シャールカはネオとメリアに言った。

(なんか様子がおかしいにゃ)

ネオは黙ってついていくことにした。


・・・


シャールカが入り口に立つと、何故か、屋敷の入り口が開いた。

(にゃんで!!)

ネオはただ驚いている。脇を見ると、メリアも同様に驚いていた。

シャールカは、まるで自分の家にでも来たかのように歩いていく。屋敷の2階中央にある部屋の前で立ち止まった。


シャールカは前を向いたままで話始めた。

『ここに叔母と叔母の夫がいます』

『???』

ネオは意味が解らなかった。


『私と違って、自ら担保に街に呪いを掛けてます。なので、レベル1の人は誰も帰れなくなっています』


『ネオさん。私が合図をしたら、対アンディエット魔法をこの屋敷にかけてください』

『わかったにゃ』


シャールカが扉に近づくと、扉は勝手に開いた。広い空間の先には、沢山のアンディエットがいたが、中央に年配の男女がいた。


近づいていくシャールカ。


『シャールカ・・・シャールカなの。無事だったのね』

女性のアンディエットがしゃべり始めた。


『王命に従い、街に呪いを掛けた。シャールカ王女。あなたがくるまで、この街を守る責任を果たせてよかったです』

隣にいる男性のアンディエットがしゃべった。


『カシミ・ド・ゴンドア、シャルロット・ド・ゴンドア、カシミの街を守ってくれてありがとう。安らかにお眠りください』

シャールカは深々と頭を下げた。


『では、私たちを成仏させてくれるのですね』

『はい、叔母様』


その時だった、周辺にいた兵士と思われるアンディエットがシャールカに切り掛かってきた。


『なんで死ななきゃならない。そんなのいやだ。なんとしても・・・』

男女のアンディエットが追慌てて止めようするが、兵士たちのアンディエットはかまわずシャールカめがけて突進し始めた。


『ネオさん!』

シャールカの声が響いた。


『エリア プリフィケーション』

範囲を屋敷内に限定した魔法を放つ。次の瞬間、兵士のアンディエットもちろん、男女のアンディエットも含め、全てのアンディエットは消えた。


『叔母さん、ありがとう・・・』

シャールカはつぶやいた。


『終わりました。もう大丈夫です』

シャールカがいうと、

『あれは、父が、叔母たちに命じて、この街を守るためこの街に入ったものを異空間に飛ばすものでした』

『にゃんんと!』

『そんなことが・・・』

ネオは驚き、メリアは何か尋ねようとしたとき、


『異空間に飛ばされていた者たちがこれから出てきます』

『それって・・・』

『人間は勿論、魔物も出てくるということです』

『にゃんだって!!』


シャールカに言われるまま、飛行場に向かう3人。異空間の開放先は空港の駐機スペースになっているらしい。

旧カシミの街の南にある飛行場に移動すると、ヒャッケラキア10匹を初め、ゴブリン、ケンタウロス、オーク、オーガが駐機場に溢れていた。


『パラライズ』

駐機場にいた全てに対して発動させたそれは、ヒャッケラキア以外の動きを止めることに成功した。


『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』『ホーリーアロー』

ヒャッケラキアの頭部めがけて、矢を放つと、ヒャッケラキアの動きも止まった。


『早く止めを!』

3人で止めを刺して回る。数分後、魔物は全て討伐された。急いで、魔石を回収する。アンディエットになられては困るからだ。

その後、倒れていた人間たちに回復魔法を掛けて回った。残念ながら、1000年前の人達は弱っていたのか蘇生されなかったが、ここ10年ほどの間にここに入ろうとして異空間に飛ばされた人は息を吹き返した。


『は? おれはどうしてここにいるんだ。』

『私、どうなっちゃったの』


全部で、30名くらいと思われる冒険者たちが生き返ったところで騒ぎ始めた。


『皆さん。こっち向いてにゃ』

ネオは声を掛けた。


『皆さんは、この街に懸けられた呪いにやられて異空間に飛ばされていたはずです。幸い、飛ばされていた期間が他の人より短かったので、お助けできました』

シャールカが説明する。

1000年前の人々を含む、10年以上経った人々は、異空間から戻されたが、既に肉体を完全に失っていたために服と装飾品のみこの世界に戻ってきてしまっている。そのため、大量の服と装飾品が積み上がっていた。


『これからどうするにゃ?』

ネオがシャールカに言うと、

『私もどうにもできません』

と言ったまま黙ってしまった。


『皆さん、いまから一旦、冒険者ギルドに戻りましょうにゃ』

(もう、ギルドに押し付けて逃げよう・・・にゃ)

・・・


生き返った30名は、ネオに続いて、滑走路を横切って北門に向かう。




『じいさん。帰ってきたにゃ』

冒険者ギルドの小屋に入るとネオは叫んだ。


『おお、よく無事で・・・』

老人は、ネオの後ろにいた30名の行方不明になっていた冒険者を見て青くなった。


『お、お前たち・・・』

帰ってきた冒険者たちを見て驚いている。何せ、10年近く、行方不明だったものまでいるのだから・・・。

『お前たち・・・脚が付いているのか・・・?』


後ろにいた冒険者の一人が言った

『ギルマス。老けたな。俺たちはそこの冒険者に助けてもらったよ。脚はついてるぜ!!』


その言葉に老人が叫んだ。

『アンガス。お前、9年前のままじゃないか』

どうやら、異空間にいた間は肉体の経過は停止していたらしい。


・・・


老人の正体は、ギルドマスターであった。一人づつ、身元確認をした上で今日は一旦、宿に行ってもらうことにした。この街は、通商路にあるので宿は沢山あるらしい。


残ったネオたちに対して、

『何があったのか説明してくれ』

ギルドマスターが叫んだ。


・・・


『・・・わかった。そういうことにしよう』

ようやく落ち着いた老人(ギルマス)は呟くように言った。


ネオは、エバ山が北東訓練施設であること。そして、3F建てのダンジョンであることなどを説明した。北東管制所としての存在は説明していない。ワイバーンはダンジョンよりずっと上にいるので、ダンジョンを使う上ではないことを伝えた。

そして、古代遺跡は1000年前のカシミという街であり、文明崩壊の時にかけた呪いによって、街に入った魔物や人を異空間に飛ばしていた。呪いを解いた結果、呪い掛かった魔物が復活して放伐したが、人間は一部か復活しなかった。詳細は不明である。云々・・・。


『明日にでも、侯爵様に報告するわい』

絞り出すとうに言った老人(ギルマス)の言葉に


『じゃあにゃ。バイバイにゃ』

『おう、用が有ったらまた呼ぶからな』

ギルドマスターが何か言っていたが、それ以降の言葉は聞かず、エバ山に向かった。


・・・


『以外と早かったな』

北東訓練施設の業務エレベータで、2500m地点まで移動したネオたち3人は、施設の外に出るなりワイバーンに声を掛けられた。


『新人の神様より、お前たちを南東管制所に送るように言われておる。今から行くぞ』

ワイバーンの言葉に驚く3人。


(あんにゃろ、人をこき使いやがって・・・)

ネオは、このワイバーンが新人の神様の知り合いだったことを今更ながら思い出したのであった。

次回は10時に追加の話を予定しています。

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