第62話 巨石
短いです
街道を北に移動していくネオ、メリア、シャールカの3名は、しばらくすると街道で立ち往生している馬車を見つけた。
『どうしたのにゃ』
ネオは、馬車の脇で腕を組んで立っているおじさんに声を掛けた。
『どうしたもこうしたもねえよ。車輪が溝に落ちてしまってな・・・どうにもならねえんだよ』
おじさんが指さした先には、何故か、街道の脇に落ちて、たまたまあったらしい溝に見事なまでにはまっていた。
『溝から出すしかにゃいな』
『それが出来れば苦労しねえよ・・・。荷物が重くてな・・・俺一人じゃ降ろすことも出来ねえんだ』
そう言って、荷馬車の荷台を指さした。そこには大きな石があった。
『これは何なのかにゃ?』
『これは、デコルのちょっと先にあった巨石だよ。ノロッペの港で使うことになって、運ぶことになったんだよ。荷台に乗せるのは、デコルから人を沢山呼んだんで何とかなったんだけどな・・・こんなことなら受けなきゃよかったよ・・・』
よく見ると、巨大な石には何か文字が書いてある。ネオが読んでみると、
ここにヒャッケラキアの巣を封印する。この石を動かしてはならない
と古代文字で書いてあった。
『にゃあ・・・この石、デコルの南西にある丘にあったんじゃないのかにゃ』
『そうだよ。よく分かったな』
(こいつ、この石が何であったのか解ってにゃいな・・・)
どうやら、ヒャッケラキアの巣の入り口を閉じていた石らしい・・・。
ネオは、シャールカを呼び、石を指さした。シャールカに小声で
『読めるよにゃ』
シャールカは頷いた。どうやら、ヒャッケラキアが出てきたのはこいつの仕業だったらしい。
『この石、字が書いてあるけどにゃ・・・』
ネオがおじさんに言うと
『何か書いてあるのは知っていたが、港に大きな石がいるってから、デコルの先の丘でこの石を見つけて回収したのさ。人を集めるのに苦労してさ、荷台に積むのは夜になっちまったのさ。荷台に乗せてから、少しづつ運んできたんだよ』
どうやら、夜だったので運よく襲われなかっただけらしい。
『近くに土壁がなかったにゃ?』
『おう。何故か変な土壁で囲まれた所があったぜ。何の施設かは知らねえが・・・』
どうやら、この石は、ネオたちが野営した近くに会ったらしい。ネオとメリアが土壁の中にいたときに持ち出したようだった。
(今更、どうしようもないのにゃ)
ネオは、溝の周辺を土魔法でならしてやり、ちょっと押してやると、荷馬車は溝を出て、街道に戻った。
『すげえ~!!ありがとうな。助かったよ』
そういうと、おじさんは何かを持ってきた。見ると金貨であった。
『これは礼だ。受け取ってくれ』
『断るにゃ』
ネオはそういうと街道を走り始めた。シャールカとメリアも慌てて走っていく。普通の馬車の倍はあろうかというスピードで走っていくその姿をおじさんは金貨を持ったまま見送っていた。
『信じられねえ~』
・・・
『あいつ、ヒャッケラキアの巣の封印をどかしちまった悪党だろうが・・・』
シャールカはネオの処置に納得がいかなかったらしい。
『もう、手遅れだからにゃ。言ってもどうしようもないにゃ』
ネオはそういうと、更にスピードを上げるのだった。
・・・
『海だにゃ!』
結局、途中、村を3つ素通りした結果、120km先にあるノロッペの街が見える丘までたどり着いてしまった。湾に出来た典型的な港町である。
『ちょっと休憩してくれ』
シャールカは追いつくのに必死だったらしい。肩で息をしながらしゃがみこんでしまった。
一方、メリアは何でもないようである。レベル18とレベル20の差が出ているようであった。
一方、久しぶりの海にネオはある期待をしていた
(あじの干物があるかもにゃ)
ヒャッケラキアが出てきたのはネオの仕業ではなかったようです。でも・・・誰がヒャッケラキアの巣を封印したのでしょう・・・?
次回は1/7の予定です




