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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第5章 インゴニア王国編
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第61話 お呼び出し

『何か嫌な予感するにゃ』

『私もです』

翌朝、朝食を食べながら、ネオとメリアが呟いている。


『まさかな・・・』

とシャールカが言いながらベーコンを口に入れたその時、宿の静寂を破壊する音がした。


『3人はいるか!!』

グシケ(ギルマス)が駆け込んできたのである。

顔を真っ赤にし、肩で息をしている姿は、まるで全力疾走でもしてきたのかというような感じである。他の客は驚いてグシケを見ている。


『全く同じだにゃ』

『ですね』

ネオとメリアはグシケを無視して、朝食を平らげた。シャールカは一人驚いている。


『シャールカ、残りを早く食べてしまわないと食えなくなるにゃ』

ネオにそう言われて、シャールカは慌てて残りをかき込んだ。


・・・


『グシケが呼ばれたのにゃろ』

『俺に、説明しきれる訳がねえだろが・・・。お前たちに来てもらわないと無理だ』

妙な自信にあふれたグシケの説明を聞く3人。宿の前には何故か王宮の馬車が止まっており、3人はグシケに馬車に乗せられ王宮に向かっているところだった。


『シャールカのことは報告してないのにゃろ?』

『ああ、だが、兵士から1人増えているとの報告が入っているそうだ』

(アルベルトの奴かにゃ・・・)

アルベルトには説明もせずに逃げた格好になっているからである。


・・・


王宮に着くなり会議室に連れてかれた。そこには、グルバード・ド・インゴニア《インゴニア国王》と、ローベス・ド・デコルニア《宰相》が、近衛兵たちと共に待っていた。

グルバードはやってきた4人に対して

『報告はローベスから聞いた。質問をしたい』

と切り出した。そしてグルバードはローベスに目で合図をする。グシケに質問する気は全くないらしい。ローベスがネオに近づいた。


『ダンジョンは3Fまでなのだな』

ローベスが質問を始めた。

『そうにゃ』


『2Fのアンディエットは古代文明時代の兵士たちだったのだな』

『そうにゃ』


『どうして、古代文明時代の兵士とわかったのだ』

『兵士から聞いたのにゃ』


『どうやって?』

『一人、話ができたのがいたのにゃ』

ローベスの問いにネオが答える。シャールカはルダを思い出したのか、泣きそうになっている。


『2Fのアンディエットは強かったはずだが・・・』

『全員、成仏してもらったにゃ』

ネオの回答に、ローベスは勿論、グルバードや近衛騎士、グシケまでもが驚愕の顔になっている。

『今は、皆、成仏しているからにゃ。2Fは安全なのにゃ』

その発言に更に皆が驚いた。


『2Fには何があるのだ』

『お墓と小屋だにゃ』


『誰か住んでいるのか?』

『今はだれもいないにゃ』

ローベスはここで沈黙してしまった。ネオから何か聞くことはないので、黙っていると、兵士の一人が声を上げた


『あの、探索にいった仲間たちは・・・』

帰ってこなかった59名の兵士のことであろうことは、間違いなかった。


『全員、2Fで死亡していたにゃ』

そういうと、収納袋から出すようなふりをして、アイテムボックスから兵士たちの遺品を出して見せた。


『死体はアンディエットになっていたので、連れて帰れなかったのにゃ。遺品だけで勘弁してほしいのにゃ』

うず高く積み上げられた鎧や剣、盾にその場にいた全員が驚いた。


『それは、伝説の収納袋なのか・・・』

グルバードは驚いている。

『そうにゃ。以前、遺跡で見つけたにゃ』

“アイテムボックスの存在は言えないから収納袋を遺跡で見つけたことにするように”とメリアに言われたのをそのまま実演して見せたネオであった。


『その袋・・・ぜひほしい・・・』

グルバードが予想通りの反応をする。

『恐らくにゃのだが、この袋は1回しか効果がないようにゃのだ』

そう言って、空になった袋をローベスに渡す。ローベスは中を確かめるが、ただの袋でしかなかった。

(当たり前だにゃ。それは、干し肉をまとめて買ったときの袋にゃから・・・)


『残念・・・』

グルバートが呟いた。


ローベスが再びネオの方を向き、

『ダンジョンのボスはヒャッケラキア《巨大ゴキブリ》の女王なのだな』

『そうにゃ』

ネオと問答を再開した。


『どれくらいの強さなのだ!』

グルバートが叫んだ。じれったくなったらしい。


『ヒャッケラキアはレベル15くらい、女王はレベル20くらいだと思うにゃ』

ネオの言葉に、騎士たちがガックリと下を向いた。彼らには到底敵わない相手だった。


『お前たちはどうやってレベルアップしたのだ』

シャールカを含め、3人とも人外のレベルであることを知っていたらしい。

(グシケが漏らしたにゃ)

ネオがグシケを睨むと、グシケは目を逸らした。


(そういうことにゃら)

『詳しいことは言えにゃいが、グシケにアントラニア王国にあるダンジョンに話をしてあるにゃ。このダンジョンをクリアすれば、誰でもレベルが上がるのにゃ。にゃので、グシケと相談してアントラニア王国のダンジョンでレベルアップするのがよいと思うにゃ』

勿論、湖畔にある入門編ダンジョンのことである。アミアのダンジョンの話はしないし、レベル3にしかなれないことも説明していない・・・。シャールカのことは、あえて何も言わない・・・。勝手に勘違いしてもらうことにした。


落ち込んでいた騎士たちが希望を得たように元気になっていた。おそらく、自分たちがレベルアップした姿を想像しているのだろうと思われた。

『へへへ・・・これで俺も最強の騎士に・・・』

騎士たちから何やら呟きが聞こえてきたが・・・気にしない。


しばらくの沈黙の後

『アントラニア王国との街道は通行可能なのか?』

ローベスはネオに向かっていった。

『問題ないにゃ、街道から外れなければにゃ』

『どういうことだ』

『街道から外れると、ゴーレムに接触するかもにゃ』

(馬車で一気に通過すれば可能ということか・・・街道から外れると、ゴーレムが襲うのだろう・・・多分)

ローベスはネオの言葉から想像していた。


・・・


グシケを含む4人は、王宮の馬車に乗せられて、冒険者ギルドまで移動していた。


『帰りも馬車を用意してくれるとは、親切だにゃ』

ネオの言葉に、シャールカとメリアが首を横に振った。

『逃げられないようにだよ。きっと・・・』

シャールカがささやいた。


冒険者ギルドで、成功報酬(金貨100枚)を貰ったのち、

『宿に戻るにゃ』

と言ってネオ、メリア、シャールカの3人はギルドを出た。


『さあて・・・』

ネオは明らかに宿とは違う方向に歩き出した。


『おい、宿はあっちだぞ』

シャールカがネオに言うと、


『買い出しだにゃ』

と言って振り返りもせず歩いていく。

『またですか・・・』

そういいながらメリアも後を追っていく。

『???』

シャールカは事情が解らないものの、とにかく2人を追っていった。


・・・


『こっちパン全部と、そこの干し肉全部にゃ』

ネオが片っ端から食料を買っている。水の入った樽も2つ買った。


『持てるのかい?』

『大丈夫にゃ。ちょっと奥にまとめておいてほしいにゃ』

買い込んだ食料を店の奥の一角にまとめて集めさせた後、商人が他所を向いたときに食料を全て、アイテムボックスに収納した。アイテムボックスならではの早業である。

一方、一瞬で大量の食料が消えた商人は唖然としている。


『ばいばいにゃ』

ネオはわざと気が付かないふりをしてその場から消え去った。


少し離れたところから見ていたメリアとシャールカは、ネオに追いつくと、宿に戻ろうとしないネオに

『これからどこへ行くんだ』

シャールカが質問した。


『一昨日見た、北東管制所を目指すのにゃ』

そういうと、そのまま、デコルの北門に向かって歩き出した。


『だから、馬車に乗る前に荷物を全部持ってきたのか・・・』

ようやく事情が呑めたシャールカであった。ふとシャールカがメリアを見ると、何事もなかったかのようにネオの後を歩いている。


『前にもありましたから・・・』

メリアは追いついてきたシャールカにいった。


・・・


北門を出ると、街道が整備されていた。多くの荷馬車が通るらしく、馬車が余裕ですれ違える広さになっていた。


『デコルに物資を運ぶために整備されたのでしょうね』

メリアは冷静に状況を把握している。10歳・・・いや、年が変わったので、11歳のはずなのだが・・・。


『なあ、街道にこの国の連中が押し掛けたら訓練センターはやばいんじゃ・・・』

シャールカは歩きながらネオに尋ねた。


『大丈夫にゃ。街道を外れると、ゴーレムに襲われると思っているはずにゃ』

それを聞いたシャールカは納得したというように頷いた。

この世界では、新年を迎えると1つ歳が増えます。

次回は2時間後の予定です。

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