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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第5章 インゴニア王国編
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第59話 ナミア村

再び街道をデコルに向かって移動していきますが・・・

『では、さっさとデコルに向かうかにゃ』

『はい』

ネオとメリアはさっさと走り出した。


『ちょっと待ちなさい!!・・・ちょっと待ってええ・・・』

シャールカが慌てている。


『レベル18にゃんだがらついてこれるにゃろ?』

文句を言いながらもシャールカはついてきている。やはり、この世界ではレベルは身体能力に大きく影響するらしい。シャールカは必至にネオとメリアについていった。


『今日はナミア村に泊めてもらうにゃ』

そういうと、森の出口に向かって3人は走っていった。


・・・


『これはどういうことだ!』

シャールカが森の外れまで来たところで叫んでいる。通行止めにしているのが気に入らないらしい。

『これでは通行できないではないか』

このままだとシャールカが通行止めにしている柵を壊しかねないと見たネオは


『今の人たちは、ゴーレムが怖いそうにゃ』

ネオの言葉に呆れるシャールカ。


『そんな軟弱者になってしまったのか・・・』

怒りというより嘆きに近い感じになってしまった。幸い、今度は村人に見つからなかったので、いかにもデコルから来ましたといった感じで村に入ると、


『あれ・・・人がいないにゃ』

『人の気配がないな』

『誰もいない・・・』

ネオ、シャールカ、メリアはそれぞれの言葉で村に人がいないことに驚きの声を上げた。


ラフィット(村長)さんの家にいってみよう』

前回、泊めてもらった村長宅に3人は向かった。


・・・


『誰もいないにゃ・・・』

村長宅も誰もいないように見えた。


『誰かいないか!!いたら返事をせい!!』

シャールカが怒鳴っている。


『そんな言い方したら隠れていても出てこないですよ』

メリアがシャールカに呆れている。


その時、誰もいないと思われた村長宅の床から音がした。


『誰かいるにゃ』

慌てて音のする方に向かうネオ。


『むやみに入ったら危ないかも・・・』

とメリアが言いかけたとのとき、床から女の子が出てきた。その顔は、恐怖で泣きはらしていたと思われる姿であった。


『どうしたにゃ?』

慌てて立ち止まって女の子を見るネオに


『この前、森から来た人よね・・・。助けて』

と言って、その場に倒れてしまった。


『とにかく休ませようにゃ』

女の子を抱えて部屋に入って座敷に寝かしつけた。屋敷に荒らされた形跡はない。


・・・


村長宅の食料を使うのは気が引けたので、アイテムボックスからオーク肉を取り出し、一口サイズにして串に刺して焼き始めた。味付けは塩のみである。3人で食べていると女の子は意識を取り戻したのか、ネオに近づいてきた。


その姿に気が付いたネオが、

『こっちに肉があるにゃ。一緒に食べようにゃ』

恐怖のせいか、ネオの姿のせいか何もしゃべらないで、その場に立ちすくんでいる女の子であったが、

“クー”

女の子のお腹が鳴った。


・・・


女の子は、肉を夢中で食べた後、何があったのか説明してくれた。

『・・・あのね。ネオさんたちが出かけていってから数日後、馬みたいな人達が村にやってきて、村の人を全員連れて行ってしまったの・・・私は、おじいさんに床の食糧庫に隠されたので連れていかれずに済んだの・・・』


『どこに連れていかれたかわかるかにゃ』

ネオの問いに首を左右に振る女の子。誰もいなくなってからネオたちの声を聴くまでずっと隠れていたらしい。


『馬の足跡が沢山あるぞ』

シャールカが村から西に向かって何頭かの馬と人が歩いたと思われる足跡を見つけた。


『確か、ここから西には金の鉱脈があったはず・・・』

シャールカが何やら言っている。

『ここから少し行った山脈の裾野あたりに金の鉱脈があったはずだ。開発する前に魔物に襲われてしまったのだが・・・』

どうやら、文明崩壊直前に金の鉱脈が発見されたところがあるらしい。


『いってみるかにゃ』

『行きましょう』

『臣民を守るのが王女の務め・・・』

1人妙なことを言っているが、3人とも行ってみる気である。


ネオは女の子に

『今から助けに行ってくるにゃ。ここで待っていてくれ。危険を感じたら、さっきの床に逃げるのにゃ』

無言で頷く女の子の頭をネオは撫でた後、


『ケンタウロス狩りにゃ!』

そう言って出発するのであった。


・・・


『ネオさん。見えるのですか?』

夜になって暗くなった森を進んでいく3人。ネオは昼間のように歩いている。その後を必死についていくメリアとシャールカであった。


『見えるにゃ。普通、見えるのではないのかにゃ?』

『そんな訳がない』

『普通は見えません』

シャールカとメリアが、それぞれ答えた。

どうやら、ネオの目は、猫の特性が残っていたらしい・・・。


しばらく進んでいくと木が切り倒された空間があり、村の人々が一か所に集められていた。松明が焚かれて明るくなっている。よく見ると子供たちが一か所にあつめられ、ケンタウロスが剣を持って脅している。それを見た、大人たちがおろおろしてように見えた。


『こいつらの命がどうなってもいいのか・・・。さっさと鉱山にいって採掘してこい』

ケンタウロスが怒鳴っていた。疲れ果てているように見える大人たちはその言葉に仕方なく山の方に向かって歩き始めていた。


『もう夜にゃのに・・・』

ネオがささやいた。


どうやら、2頭のケンタウロスが大人たちを脅し、子供たちに剣を向けて脅している。どうやら、子供たちは縛られているようだ。それとは別に、小屋の中に5頭のケンタウロスがいるのが確認できた。


『ケンタウロスは全部で7頭にゃ』

『子供を脅している奴が厄介だな』


『子供を脅している2頭は俺がパラライズを掛けるから、それを合図に小屋の中の5頭を倒してくれにゃ』

『わかった』

『わかりました』

ネオの言葉に、シャールカとメリアが答える。シャールカとメリアは小屋に2つある出入口に近づいていた。やがて、見つからないギリギリまできたという意味であろう、シャールカが手を挙げたとのとき


『パラライズ』

ネオが2頭のケンタウロスに向かってパラライズを放った。威力を弱めたため、痺れて動かなくなっている2頭、周囲の子供も影響を受けて意識を失っていた。


『ホーリーアロー』

『ホーリーアロー』

2本の矢が、ケンタウロスの頭部に命中。頭部は吹き飛んでしまった。


『ありゃ、ちと強すぎたにゃ』

レベル20になったことで、パワーアップしていたことをすっかり忘れていたネオであった。周囲の子供たちは気絶していたので、その凄惨な瞬間を見ることがなかったのが救いであった。


一方、ネオのパラライズ発動を合図にシャールカとメリアは小屋に突入。ネオが2頭の頭を吹き飛ばしたころには、5頭は死体になっていた。メリアは魔石の回収作業に入っていた。

『ネオさん。ちゃんと魔石とってくださいね』

メリアはケンタウロスのアンディエットが嫌いらしい。


・・・


子どもたちの縄を解き、回復魔法を掛けていくネオに、どう反応していいのかわからくて呆然としている子供たち。シャールカとメリアが、大人たちを呼びに行って連れ帰ってくると、子供たちは、それぞれの親のところに駆けていった。


『これはネオ殿ではないですが』

ラフィット(村長)さんも疲れていたようであったが、無事であった。


だが、食事もさせずに働かされていたらしく、

『すまん、助けてもらったのに申し訳ないのだが、何か食べるものはないがね』

皆、空腹だった。


・・・


慌てて、アイテムボックスからパンを取り出して配り始める。水の樽も出して、少しづつ村人に飲ませると、村人たちは少し元気になった。

『あんた、いったいどんだけ持ってんだよ』

あまりの量に呆れるシャールカ。


『随分、買い込みましたからね』

途中、大量に買い付けていたのを知っているメリアは驚きもしない。こうやって配っているネオに感心している。

(この人、神様が選んだだけのことはあるわ)

何故か、メリアの中で新人の神様の評価が上がるのだった。


・・・


パンを配り終終わり、水を飲み終えた村人達を確認すると、


『疲れているにゃろうが、ここは危ないからにゃ。村まで移動するにゃ』

皆、疲れているはずだが、誰も文句をいうこともなく黙ってついてきた。先頭を歩くネオは松明を掲げ、シャールカとメリアが最後部で警戒したが、他のケンタウロスが現れることもなく、時間は掛かったが、無事、村にたどり着いた。


『おじいちゃん!!』

村長宅では、ラフィット(村長)さんに抱き着く女の子の姿があった。一人でじっと待っていてくれたのだった。


『おお、べリア。無事でよかった』

ラフィット(村長)も声のトーンがおかしくなっていたが、誰も咎めるものはいない。

結局、今回も村長宅にそのまま泊まることになった3人であった。


・・・


翌朝、ネオは早朝から起きると、村の周囲に土魔法で壁を作り始めた。瞬く間にできる壁によって、街道の出入り口以外は高さ2mの壁に覆われた。そして、村の西側の壁に、壁より高い盛土をし、見張り台を作った。


『これで、大丈夫にゃろ』

再びケンタウロスが襲来しても、街道の出入り口さえ守ればよいので、しばらくは守れるだろうと思われた。


ちょうど見張り台が完成したとき、ネオの背後に気配がした、振り向くと、そこにはラフィット(村長)がいた。

『ネオ殿、ありがとうじゃ。ナミア村を救ってくれた恩人じゃ。それに、この壁があれば我らでもケンタウロスから村を守れる。ありがとうじゃ』

そう言って、ネオの両手を掴んだラフィット(村長)は、顔に2本の川が流れていた。


・・・


『ここまでやっちまうとは・・・』

起きてきたシャールカは、ネオが作った壁と見張り台を見て、驚きと呆れが混ざったような反応をした。だが、メリアはネオの異常さに慣れてしまったのか、

『またですか・・・』

とつぶやいただけだった。


その後、村の人に代わる代わるお礼を言われた3人は、“急ぐから”という理由で、村を後にした。村人総出を見送ってくれたのはいうまでもない。


村が見えなくなるところまで歩いてきたところで、

『なあ・・・お前一体何者なんだ』

シャールカがネオに言った。

『新人の神様に連れてこられた猫だにゃ』

ネオはそういうと、デコルに向かって走り出した。

どうして、ケンタウロスは金の採掘なんでしようとしたのでしょう・・・。カネが必要な理由があるのかも・・・。

次回は1/5の予定です。

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