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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第5章 インゴニア王国編
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第54話 シャールカ

いきなり1000年後に生きることになった王女様・・・。

『起きたみたいですね』

『起きてしまったにゃ』

小屋の入り口付近から奥の部屋を覗き込むネオとメリアは、ルダが言っていた王女様。シャールカというらしいその人が起きてしまったことを理解したところだった。

(面倒なことになったにゃ)


・・・


『王女様。起きたようですにゃ』

放置するわけにもいかないのでネオは声を掛けた。一方、さっき1000年の眠りから覚めたばかりのシャールカ(王女様)は、あたりを見渡している。


『ルダはどこだ?』

王女様らしくない言葉で、ネオに聞きただすシャールカは、ルダを探しているのかキョロキョロと周囲を見渡している。


『ルダは成仏しましたにゃ』

『なんだと!!』

ネオの言葉にシャールカが食って掛かった。


『まずは服を着られてはいかがですか』

様子を見ていたメリアがいうと、急に恥ずかしくなったのか、布団を引き寄せ、

『ちょっと待ってろ』

というと、奥の部屋からネオとメリアを追い出し、奥の部屋の扉を閉じてしまった。


『面倒なことになったにゃ』

『そうですね』

ネオとメリアは顔を合わせてつぶやいていた。


・・・


しばらくしてから、突然、扉が、勢いよく開けられたかと思うと、剣を持ったシャールカがネオ目掛けて突進してきた。


『パラライズ』

ネオは威力最小で放ったので命に別状はないのだが、シャールカはその場で痺れて動けなくなった。


『もはやこれまでか、さっさと殺せ!!』

シャールカは一人騒いでいる。


『さっき、ルダからあなたのことをよろしく言われたものなのにゃ』

ネオはそういうと、メリアと共にシャールカが落ち着くのを待つのだった。


・・・


『・・・さっきはすまん』

ようやく落ち着いたシャールカを座らせ、さっき起こった経緯を説明したネオに対して、ようやくシャールカは事情を理解したようだった。


『最後に、ここに逃げ込んだのは覚えている。ルダに休むように言われたので、奥にあったベットに入った後のことは解らない・・・あれから1000年も経ってしまったのか・・・ってどうして私は生きているんだ?』

『ルダが仮死の魔法を掛けたといってたにゃ』

その言葉で理解するものがあったらしいシャールカは大人くなった。


『つまり、ルダは自分の命と引き換えに私を仮死状態にしたということか・・・』

ネオやメリアに話すというより、シャールカ自身に解らせるためにつぶやいている感じである。


『今の世界がどうなっているのか説明してほしい。ゴンドアはどうなってしまったのか・・・』


・・・


『・・・というのが、今のこの世界だにゃ』

ネオは、メリアにも助けてもらって、現在のこの大陸の姿を説明した。すなわち、古代文明が滅びたのち、この大陸には5つの国が出来た。ダンジョンが失われた結果、レベルアップが出来なくなり、ほとんどの人はレベル1でしかない。幸い、この大陸の魔物はゴブリンやスライム以外、人間に害をなすものはほとんど現れなくなっていたので、人々の生活は成り立っていた。が、ここのところ、魔物の活動が活発になってきため、魔物に襲われる街も出てきている。といったことを説明していた。


『・・・だが、お前たちは、レベル16と15ではないか』

何故か、シャールカはネオとメリアのレベルを見抜いていた。


『なんで判るのですか?』

メリアの問いに


『これだ』

と言ってネオとメリアに見せたのは、1枚の石板・・・いや、タブレット端末であった。

『このボタンを押すとな・・・周囲にいるもののレベル測定が行われてここに表示される』

シャールカが指さした先には、タブレット端末の周辺にいるネオとメリアの位置に、16と15の文字が出ていた。これを見ると、シャールカもレベル15であることが判る。

(ルダは、逃げ込んだ者たちのレベルでは3Fをクリアできないと言っていたが・・・この王女様は例外だったんだにゃ)


『私は、ここで3Fをクリアしてヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)と闘うはずだった・・・』

最後の方は力なく話をするシャールカ。まさか、王女様一人、魔物と闘わすわけにはいかなかったことはシャールカを含め容易に想像できたらしい・・・。


『俺は、新人の神様にこの世界に連れてこられたのだにゃ』

『はっ?』

『・・・』

ネオの言葉に驚くシャールカ。メリアは何度も聞かされているので、無反応である。


『魔物からこの世界を守るようにいわれたのにゃ』

『シンジンノカミサマって何者だ?』

シャールカは少しでも理解しようとネオに問いただす


『この世界の神様らしいにゃ。今後、崩壊させると、神様としてヤバいらしいにゃ』

『よくわからないが、お前の話だと、シンジンノカミサマというのが、この世界を一回崩壊させちまって、もう一回起こりそうなんで、あんたをこの世界に呼んだってことか?』

『そうにゃ』

ネオが答えると、シャールカは頭を抱えた。


『じゃあ、軍関係者がヒャッケラキアを作ってまき散らしたのも、実は、シンジンノカミサマのせいなのか?』

『そこまでは判らないにゃ』


『シンジンノカミサマというのは、世界の管理をしておられるのだと思います。個々の人が行った所業のことではないのではないでしょうか』

メリアが何やらシャールカにいうと


『つまり、軍の阿保どもの仕業も、神の意思だったというのか・・・』

『少なくとも、今は、魔物によるこの世界の崩壊を防ごうと思われているようです』

シャールカは必至に理解しようとし、メリアは何とか理解させようとしている。本当は、メリア自身が理解しきれていない状況ではあるのだが・・・。


『で、何故かは解らんが、一旦、魔物はおとなしくなっていた』

『らしいにゃ』

『最近、また暴れだした』

『らしいにゃ』

シャールカの言葉にネオは言葉を返していく。


しばらく、シャールカは黙っていた。そして、

『一体、私はどうすればいいんだ!!』

突然、叫んだ。


・・・


『ルダがにゃ。さっき言っていたのにゃが・・・』

ネオは、取り乱しそうになっているシャールカに話しかけた。シャールカはルダという言葉に反応し、ネオを見ている。


『3Fをクリアして、シャールカ様を地上に連れ出してほしいと言われたのにゃ』

シャールカはじっとネオを見ている。

『そしてにゃ。“シャールカ様をよろしくお願いいたします”と言われてしまったのにゃ』

シャールカは一言も発しなくなった・・・がその頬には一筋の涙が流れていた。


『ルダ・・・ありがとう・・・最後まで私のことを思ってくれて・・・一生忘れない』

自分に言い聞かせるようにつぶやくシャールカであった。

次回は元旦の予定です。

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